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2006年9月17日 (日)

これはマズいんじゃないか?

陰暦 閏七月廿五日

法王講話イスラム反発 世界各地「聖戦」批判に謝罪要求も

    【パリ15日井手季彦】ローマ法王ベネディクト16世がイスラム教の「聖戦」を批判したとして、イスラム社会に反発が広がっている。米中枢同時テロから5年が経過、米欧とイスラム圏の融和が世界平和のかぎとなる中、新たな宗教的な対立が顕在化した形だ。  ロイター通信などによると法王は12日、ドイツのレーゲンスブルク大学で行った講話で、何度も「聖戦」という言葉を用いながら「(イスラム教創始者の)ムハンマドは剣によって信仰を広めよと命じるなど、世界に悪と非人間性をもたらした」という14世紀のビザンチン皇帝マヌエル2世パレオロゴスの言葉を引用。暴力と神は相いれるものではないとしたうえで、「ギリシャ哲学を土壌にした豊かなキリスト教を守れ」と訴えた。

(西日本新聞)

これはかなりまずいのではないだろうか。

特に赤字の部分、これは暗にユダヤ教批判になっています。

 皆さんご存じの通り、キリスト教は元々ユダヤ教の改革からスタートしています。イスラム教もユダヤ教を受け継いでいます。その後ヨーロッパのキリスト教はギリシャ哲学を借りて神学を体系づけました。ですからエチオピアやアルメニアのキリスト教はギリシャ哲学の影響を受けていません。ギリシャ哲学はローマカトリックとギリシャ正教を特徴づけています。

 ベネディクト16世の言葉は、中東起源の宗教は好戦的であるが、ギリシャ哲学を取り入れたヨーロッパのキリスト教は平和の宗教となった、とも受け取れる内容になっています。イスラム教だけではなくユダヤ教も非難しています。しかし、ギリシャ哲学を取り入れたローマカトリックだって、十字軍運動を起こしたり、魔女狩りをやったりしていますから、これは正しくありません。

 やはりローマ教会内部にはアンチセミティズム(反セム主義、則ち反ユダヤかつ反アラブ)が未だに根強く残っていることを意味しないか。ヨハネ・パウロ2世によって、やっとカトリック教会が持っていたそういった異文化差別的な側面から足を洗ったのにこれでは逆戻りです。

 しかも今度レバノンに派遣される国連軍はカトリックのフランス軍とイタリア軍が主力です。

 これでは今後しばらくカトリック教会が宗教対立を取り持つことが不可能になってしまう。なんという失言をしてしまったのか。あのカトリック教会がすぐに発言を取り消したことから、教会も事の重大さに気がついているのでしょう。何事もなく、人々の記憶からこの失言が消えてくれることを望まないではいられません。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>何事もなく、人々の記憶からこの失言が消えて
>くれることを望まないではいられません。

そうなるためには、カトリック関係者に誠実な
対応が求められるでしょう。

「口先だけ」と思われるような対応になってしまったら、
特にイスラム教信者やユダヤ教信者の方々の
反発は強まりますから。

問題の発言は、大学での講演らしく、全文を書き起こした文章や、録画映像はないようです。日本の新聞が外紙を引用した断片的な情報だけではまだはっきりとしたことは言えません。

週末に購読している「The Economist」の今週号が届きますので、詳しい情報が分かると思います。実際ところは大した騒ぎにはなっていないのかもしれない。

日本の新聞によると、法王自らが誤解を招いたことに遺憾の意を表明したそうです。教会としてできうる最大限のことはやっているように思えます。ということは多分悪意は全くなく純然たる失言だったのでしょう。ベネディクト16世は枢機卿時代にトルコのEU加盟に反論を唱えています。少し口が軽い所があるのかもしれない。

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