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2006年10月22日 (日)

岳飛、謝枋得

陰暦 九月朔日 【鞍馬の火祭】

 今度は北朝鮮の出方を考えてみます。

 朝鮮の王朝では代々、支那の力を借りようとする勢力と日本(戦後なら米国)の力を借りようとする勢力がせめぎ合ってきました。今の北朝鮮でも、中共の傘下に入ろうとする(入る続けようとする?)勢力と米国の傘下に入ろうとする勢力が権力闘争を続けているはずです。

 北朝鮮のインフラは破綻しており、支那の経済発展で経済は持ち直したものの、中共頼みの態勢が強化されたといえます。日米韓ともに重い負担となる北朝鮮復興を背負い込むことを嫌がり、今や日本人だけでなく韓国人の間にすら、北朝鮮は中共に押しつけてしまえという意見が強まっています。従って、北朝鮮では中共の庇護を受けるべきという勢力が強まっているはずです。

 しかし金正日は国を作った金日成の息子です。金正日はろくでなしですが、けれども曲がりなりにも儒教(日本人がイメージする儒教と本場の儒教はちょっと違うので注意が必要)の文化の中で育った人物ですから、父親が作った国を中共に売り渡したいとは絶対に思わないはずです。金正日は独立派でしょう。

 金正日が恐れているのは、事大派(中共派)が金正日から実権を奪って、中共の官僚や軍人を引き入れることです。その場合金正日は良くて亡命という名の国外追放、悪ければ殺害されます。しかし何よりも彼にとって許せないのは父親が作った国が滅びることに他なりません。

 北朝鮮が外部に対して軍事行動を起こすとしたら、中共によって独立が侵される危険が高まった時です。

 では日本は安全かというと、そうではありません。

(1)まず、日本政府が中共による北朝鮮併合を承認するかのような見解を出せば、北朝鮮の理屈では「日本が独立を侵害した」事になりますから、ミサイルを撃つかテロを起こすはずです。迷惑ですが、彼等の理屈ではそうなります。

(2)また、人民解放軍が「北朝鮮の危機演出ははったりだ」という見方に傾けば、本気度を見せるためにやはり日本を攻撃する可能性がある。

(3)あるいは、人民解放軍の進駐が避けられない情勢になった場合、日本に対して宣戦布告して北朝鮮対日米という戦争にしてしまう事も考えられます。日米と戦争を続けている限り北朝鮮という国家はなくならない、という理屈が成立するからです。その場合人民解放軍は北朝鮮を助ける友軍となり、進駐軍ではなくなります。友軍が助けに来た国家を滅ぼすことはできないからです。強盗が襲ってきたから、ヤクザに喧嘩を売って、強盗と一緒にヤクザと戦うことで、強盗から命を守るという作戦です。

(4)最後の可能性として、一旦水面下で人民解放軍の進駐を受け入れておきながら、国境を越えた後に「中共による侵略」を国連へ訴えて、米国にすがりつくことも考えられます。その場合、人民解放軍に北朝鮮は戦いを挑むでしょう。これが多分米国にとって一番厄介な展開です。そして、日本には北朝鮮ではなくて中共のミサイルが飛んできます。

 というわけで日本が非常に危ない状況にあることにはかわりがありません。日本が取るべき態度は、日清・日露戦争の時と一緒で、北朝鮮を国家として認め続けて、支那が勝手に消さないように目を光らせること、となります。

 つまりこれこそが金正日が小泉総理との会談で日本から引き出そうとした保証であります。では日本として具体的に何をするべきかというと「平壌宣言は生きている」とひたすら言うことになろうかと思います。「国家として認める」とまでいく必要はありません。それは北朝鮮へのサービス過剰です。「北朝鮮は交渉相手だよ」と言い続けるだけでいいと思います。

 中共には北朝鮮問題解決のために努力してもらいたいのですが、日本政府としてあまり中共に期待するかのような見解を出してしまうと、北朝鮮は「日本は我々を中共に売り渡した」勘繰りかねません。日本の政治家には、言葉に細心の注意を払って頂きたいです。

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