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2007年1月28日 (日)

奥多摩街道を行く

陰暦 十二月十日

 近頃旧街道を歩くのにこっていまして、昨日は天気も良かったので立川から拝島まで奥多摩街道を歩いて参りました。途中で古本屋や拝島大師に寄りながら三時間くらいでした。この感じだと、朝に出立すれば夕方までに立川から青梅までは歩けそうですね。となると江戸から青梅までは二日の行程ですか。

 昭島の古本屋では思いがけず十年来探し求めていた「俺は直角」の愛蔵版を発見することができました。私が一番好きなマンガです。男が主人公のマンガで好きなのはこれだけですね。最終話は何度読んでも泣けます。十五年前に流れたアニメも良くできていました。小山ゆう先生は今でも精力的に作品を発表されていますが、処女作の直角が最高傑作でしょう。

 それと芙蓉書房出版の「陸軍省軍務局史」上下も半額で入手できました。軍隊という物は戦争をしている期間よりも平時に訓練や装備の手入れをして戦いに備えている時間の方がずっと長いはずですが、軍隊の平時の姿を描いた歴史書はなかなかありません。かなかな勉強になりそうだと思いました。著者は終戦時陸軍主計だったそうですから私の祖父と同じです。

 福生や羽村のあたりを歩いて初めて知ることができましたが、多摩というのは盆地なんですね。関東平野の一部のようなイメージを抱いていましたが、違いました。東側は開けているけれど、残りの三方は山に囲まれています。昨日も、拝島跨線橋の上から富士山や秩父丹沢の山々が見渡すことができました。立川の富士見台あたりも広い眺望が開けていて、一見の価値ありです。

 拝島駅には面白い踏切がありました。拝島にはJR青梅線、八高線、五日市線、西武拝島線が集中しているちょっとしたターミナルです。立川側では、青梅線と八高線と西武線がそれぞれ三方に向かって広がっているため、ヤードが百米くらい広がっています。そこに歩行者用の細い踏切があります。

 この踏切、当然長いですので一気に渡れない。ですから、踏切の中に二つ踏切がある。最初の踏切が開いていても、渡る途中に(歩いて五分かかります)また警報が鳴り出すことがあるからです。そういう時に、踏切の中にある踏切が下りて、待たされる仕組みになっています。休めそうな場所は三カ所ほどありました。

南:青梅線上下|拝島線下り□拝島線上り|八高線:北

 かつて八高線が平面交差していた名残で、南側の沢山線路が走っていますが、実際に使われているのは二三本です。この使われていない旧八高線の線路と青梅線の線路を横切るのが大変。五十米くらいあります。

 実際、私も南側から渡ったのですが、青梅線を渡ったあと、半分くらい過ぎたところで警報が鳴り始めました。前を進んでいた子供(自転車に乗っていました)は、西武拝島線の上りと下りの間の休憩所に挟まれました。

 実ははこの休憩所には踏切がありません。そこで西武の運転手も危ないと思ったのでしょうね、なんと踏切の手前で電車を止めて、子供を通しました。私のところからは見えなかったのですが、渡るように合図したのでしょう。八高線の前にある踏切にいたおばさんが、遮断機を上げて、子供をくぐらせました。そのあと西武の電車が通っていきました。何とものどかな光景です。

 この後八高線が通り、遮断機が上がって駅の北側に渡ることができました。

 あとで検索してみた所、拝島の踏切は結構有名らしく、いろいろなルポがありました。皆様も読んでみてください。駅の看板によりますと、来年春には駅の橋上化が計画されているそうです。この踏切もあと一年です。駅の広大なヤードが拝島の町の分断し、福生と昭島の間の円滑な交通を妨げていますので必要だけれど、あの踏切が消えてしまうのはちょっぴり寂しい気もします。

 この後昭島の健康ランドに行ってから帰りました。


追記:拝島駅には昔五日市鉄道という鉄道が入っていたらしいです。だから南側のヤードがこんなに広いらしい。奥多摩街道のバスはやけに充実していて少々不思議だったけれど、ということはあれは五日市鉄道の名残なのか。

2007年1月27日 (土)

イラク自由貿易圏とホルムズ海峡トンネル

陰暦 十二月九日

 米国の中間選挙の結果、米国がイラクから撤退する可能性が高まり、それに伴って中東情勢が流動化しています。連合軍がこのままテロリストを制圧できないまま撤退してしまった場合、シーア派はイランを頼るようになり、少数派のスンニ派はサウジアラビアやシリアに援助を求め、クルド人は独立を強めそれによってトルコ東部とイラン北部が流動化して、中東が際限ない戦乱の渦に叩き込まれる、というシナリオが現実味を帯びてきたというわけです。

 更にもしイランとイラクの同盟が成立した場合、中東はこの同盟の覇権の下に統一されますから、イスラエルの生存が脅かされます。イランの核兵器とミサイル技術は完成の一歩手前といわれています(ただし最近米英の諜報力は確度が落ちていますので俄には信じられないのでありますが(^_^;)イランが核兵器を持ってからでは遅いので、イスラエルがイランを先制攻撃するのではないかという観測が飛んでいます。

 当のイスラエルでは、リーベルマンという民族主義者が副首相に就任しました。彼はイスラエル国内にいるパレスチナ人をヨルダン川西岸に追放するべきという民族主義政策を主張しています。どうも米国がイラクで負けモードで中東から逃げたがっているため、イスラエルが取り残されることを心配して、イスラエルは神経過敏になっているらしいです。

 The Economistとル・モンドが立て続けにイスラエルを特集しました。この前の米国の選挙結果はイスラエルの生存を脅かすので、イスラエルが何か行動を起こすのではないかというのが欧米の戦略家ならすぐに思いつく読みらしいです。

 私も、どうも最近のイスラエルは軍部によって乗っ取られている状態で政治には力がないのではないかという感じを抱いています。軍人が国を乗っ取ろうとするのは、自信がある時ではなくて、自信を失い始めた時です。イスラエル軍は、対ヒズボラ戦役で敗北したため、国内でありかたに疑問符が付き始めました。けれどもイスラエルというのは建国以来軍事が最優先の軍事国家であり、このような軍の危機に対して軍が何もしないとは考えられず、誰にも知られないうちにイスラエルの中で軍部が国家内国家となって政治を無力化しているのではないかという感じがします。民族主義的な副首相の登場や大統領の解任はその兆候やもしれません。

 どうにも打つ手無しといった中東の現状ですが、方策はない物でしょうか?

 発想の転換が必要だと思います。イラクは平野の真ん中にありますので、外からの侵入は絶対に防ぐことができません。なのに連合軍は無理をしてテロリストの侵入を防ごうとしています。

 最初から諦めてしまうのです。そして逆にどんどん人に入ってきてもらうようにする。イラクを周辺国に市場として開放する。イラクの関税を無くし、税金も安くする。イラクを中東全体のバザールとして、周辺国に使ってもらう。

 GCC諸国は原油高による空前の好景気に沸いています。ですから、イランの膨張は望んでいないはずです。従って、イラクの安定化には喜んで協力するはずです。

 イラクが、中東全体にとって、富を産み出す場所になれば誰もテロを起こそうとはしなくなります。元々イラクというのはそういう場所でした。しかし、サダム・フセイン大統領が無能であったために、本来なら中東一豊かであったはずのイラクは、富を失いました。イラクが商工業で富を生産することによって、アラビアやイランやカフカスは食べていけたのです。現在中東が不安定化したのは、サダム・フセインの無策によって、イラクが貧乏になって、アラビアやイランの人達が食えなくなったからです。

 石油は一部の人間しか豊かにしません。大勢の人が豊かになるためには、物を作り、運び、売らなければならないのです。

 そして、イランには、ホルムズを経済特区として解放することを条件に、イラク自由経済圏への参加を許可する。豊かにすることによって、運命共同体にして、不安定要素を取り除くという日米が支那で展開した作戦は大いに有効です。イランにおけるその突破口はホルムズです。ホルムズを経済特区にして、商工業を盛んにする。

 そのための一大イベントとして、ホルムズ海峡に海底トンネルを掘る!そうです、日本の出番です。

(1)イラクの国境の開放、バザール化
(2)ホルムズを経済特区とし、ホルムズ海峡に海底トンネルを掘る
これによって中東は救われます。

2007年1月24日 (水)

九局のメニュー 第二話

陰暦 十二月六日

 万全の態勢で臨んだはずの和食認証制度であったが、意外な所に敵がいたのだった・・・

A大使「通商代表部から非関税障壁であるという抗議がでています。来年の年次改革要望書に載せると先方は行っています。残念ながら大使館としてはご案内できません。」
B領事「困るんだよね〜こんなことされちゃあ、汚物を投げ込まれるこっちの身にもなってくれよ」
C二等書記官「和食認証制度によって職が奪われると中華総商会から苦情が来ています。日本製品の不買運動を始めるそうです。渡航の延期をお薦めします。」

 外務省が最大の抵抗勢力として浮かび上がってきたのだ。中には農水省の同期から九局の情報を聞き出し、先回りして赴任国から山丘と粟田を渡航させないように、日本政府に働きかける外交官まで現れる始末であった。特に和食で儲けている華僑と韓国系が多い国の妨害は激しかった。

 早くも暗礁に乗り上げる認証制度、そんなある日、九局に政界の黒幕海源元外相が現れた!

海源「私の息子がここにいると聞いたが」

T副局長「えっ!山丘が海源元外相の息子さん!!」

海源「こいつはいずれ農水省に災いをもたらすだろう、早く外局に転出させた方が良い」

山丘「なんだとっ!」

政界の黒幕海源外相。外務省チャイナスクール出身のエリート官僚。やがて政界に転出して与党主流派で重きをなした。ODA利権を権力の源としていた。しかし中国との関係見直しを進める前総理と衝突して引退を余儀なくされる。与野党そして国境を越えて幅広い人脈を保ち、今なお隠然たる力を保っていた。海源が外務省の妨害を指揮していたのだ。

・・・・・・

多原参与「うちの山丘と和解して、認証制度の創設に協力してくれませんか?」

海源「多原さん、あいつがうちを出る時に何をしたか分かるかね」

多原参与「?」

海源「土郎はこともあろうに年金を未納しおったのだ!あやつはわしと選挙民の顔に泥を塗った、決して許さん!」

多原参与「ッッッッッ!」

海源・山丘父子の凄まじき骨肉の争い!正しい和食よりも相手国と省益を優先する外務省の妨害。あやうし、美しい国日本!


つづ・・・かないと思う

2007年1月23日 (火)

九局のメニュー 第一話

陰暦 十二月五日

 平成2X年、日本食は世界中に広まったが、中には日本文化に誤解を与えかねないような料理店が幅をきかせて日本のイメージを下げる事態も生じてしまった。これを重く見た政府は、和食認証官を新設し、味もてなし全てに於いて日本文化を紹介するに相応しい料理店に認証を与えることにした。そこで都内某所に農林水産省の官僚が集められた。

田二村局長「ここに三種類の豆腐を用意した。それぞれ有機JASマーク付きの豆腐、ニューヨークのスーパーで売っている豆腐、横浜の中華街で買ってきた杏仁豆腐だ。どれがどれか当ててくれ。」

・・・・・・

局長「正解は、山丘君と粟田君だけだ、山丘君何故分かった!」

山丘「豆腐と大臣に旅をさせちゃいけない」

T副局長「あれ〜ニューヨークの豆腐の方が美味しかったけどなあ?」

局長「ここに三種類の水がある、飲んでくれ、結果は明日発表する」

・・・・・・

翌日、全員下痢をして、登庁してきたのは山丘と粟田だけであった。

局長「実はあの水は大阪府H市、インドのC市、省内の便所の手洗水だ、世界中どこで食べても大丈夫な鉄壁の胃袋こそ和食認証官に必要とされる能力、山丘君、粟田君おめでとう、君たちが和食認証官第一号だ!」

粟田「あの・・・それじゃ昨日の豆腐には何の意味があったんですか?」

 何故I種試験に合格できたのか不思議な駄目官僚山丘と、入省三日目の新人粟田が、正しい和食の防衛に挑む!和食認証制度にはCIA、モサド、コミュンテルン、過激派、ア○カ○ーダなど様々な国際的な陰謀団の妨害が予想されたため、第九局というダミーの表向きいかにも窓際な部局を作って計画が遂行されたのだった!


つづく!?

2007年1月21日 (日)

平成十九年の政界観望

陰暦 十二月三日 【初大師】

 小泉政権時代と違って、政治の争点がぼやけていて、景気は悪くないし、外交は多方面と良好な関係を保ち隙がない、メディアもブログ界の論客もどのように政治を論じていいか分からず手をあぐねています。

 特別国会以来、安倍政権は内政では産業界優先の政策を打ち上げて多方面から総スカンを喰らいましたが、今となって考えてみればあれは観測気球だったのかもしれません。通常国会開会が近づくにつれ、ホワイトカラーエグゼプションの取り下げやパートの年金と保険加入といった国民に配慮した政策を提案するようになってきました。

 これは素直に評価すべきでしょう。パートの人も、手取りが減るかもしれませんが、保障が手厚くなる方が絶対によいので、この政策は支持するべきです。この期に及んでまだバイトの給料を下げることしか考えていない外食産業はちょっとひどすぎます。ホワイトカラーなんとかについては、すぐにどうこうしなければならない話ではないのでじっくり数年かけて議論すればいいと思います。あと医療制度立て直しと実効的な少子化対策を提案すれば、政権の支持率は着実に回復すると思います。超長期政権の目も出てきます。

 中共とは蜜月に入りました。多分向こうの首脳は今の事態が信じられなくて天にも昇る気持ちなんではないかと思います。私も胡錦涛政権を応援するのは賛成です。前も言いましたが、支那が混乱して今まで日本の得になったことなど一度もありませんでした。穏健な統一政権こそ東亜の発展のために必要不可欠です。趙紫陽と胡耀邦を見殺しにした轍を踏んではなりません。

 このまま行けば安倍総理は田中角栄と並ぶ日中友好に尽力した政治家として支那の歴史に刻まれそうです(笑)いいことだと思います。けれども、支那に接近した政治家は米国によって必ず滅ぼされましたから、そのうち米国から何か横槍が来そうな気がします。そのときに麻生外務省の真価が発揮されるでしょう。

 同時に、日米支の接近によって孤立するのは韓国と北朝鮮です。韓国と北朝鮮は安倍政権の外交にかなり焦りを感じているはずです。しかし、両国が国際社会で孤立すれば、韓国はますます北朝鮮への傾斜を強めますから、北朝鮮は短期的には喜ぶ可能性があります。北朝鮮が長期的視野で物事を考えているとは思えませんので、しばらくは安倍政権の外交を見守るでしょう。

 夏の参議院選挙が不透明で、このままいけば自民党にとってはマイナスの結果しかなさそうなので、今度の国会で重要な法案が大量に通過するのではないかと私は予想しています。そして「残る争点は憲法のみ」という状態にした上で、安倍政権は憲法改正を参議院選の争点とするのではないでしょうか。

 こうなってくると、微妙な立場に立たされるのが公明党です。憲法では公明党よりも民主党の方が自民党に近いからです。参議院選挙で自民党がやっぱり大幅に議席を減らした場合、自民党は民主党との政権協議を加速させるはずです。

 というより、参議院選挙で自民党が勝とうが勝つまいが、憲法改正が政治課題になれば自民党と民主党の政権協議はどのみち深化せざるを得ません。今度の選挙で自公だけで参議院の三分の二議席獲得はあり得ないからです。自民党は民主党に賛成してもらうために、民主党の要求を多く呑むと考えられます。そうなると公明党は存在感がなくなってしまいます。

 というわけで、瀬戸際に立たされているのは、韓国と公明党だといえます。韓国は日本が米国と支那と仲良くなることを妨げたい。公明党は憲法改正が争点となることを避けたい。

 韓国が打ってくる手は読みにくいです。でもそのうちなにかがあるでしょう。公明党は、国会審議でサボタージュ戦術に出るはずです。それしか方法がないから。しかしそれによって選挙前から自民と民主の政策協議が進行すれば面白いことになりそうです。

 また、今後の政界の台風の目は国民新党であると私は考えています。自民党と民主党が掲げる政策には差がありません。両党は程度の差を争っているに過ぎません。需要重視の経済政策、社会保障の立て直し、地方重視、立法府の強化のように自民党に対して真っ向から政策軸を掲げて戦っているのは国民新党と共産党だけです。

 しかし共産党は国防と外交が問題外です。国民新党が外交で米国接近の見直しを打ち出していることには私は賛成できませんが、国防政策は自民党よりも信頼がおけます。

 皇室の重視を打ち出しているのも良い。一昨年の総選挙で自民党にどっと入った人材は、伝統重視の面では信頼がおけませんから(それ以外では優秀だと思いますけど)。それに教育政策で、自民党が結局は官庁による教員の統制強化を打ち出していることに対して、国民新党はそういう方向ではない教育立て直しを提唱しているのも注目すべきです。

 国民新党の認知度が国民の間で高まれば、夏の参議院選挙で大化けする可能性があります。

 というわけで、何がつまらないものか、今年の政界は非常に見応えがあります。さあ、秋にはどのような景色が広がっているのでしょうか、楽しみですね。

2007年1月20日 (土)

褒められれば伸びる子なんです!

陰暦 十二月二日 【大寒】

 さすがは大寒です。雪がちらついてきました。

 私も小学生や中学生の頃は新聞を鵜呑みにして「政治家は汚い!怪しからん!」といっちょ前に思いこんでいました。しかしその新聞で自社さ連立政権を「中道右派と左派の連合であるので自然な成り行きである」と評価するコラムを見て「ほう、このような政治の見方もあるのか」と感銘を受け政治に対する見方が変わりました。大手メディアで日本政治について肯定的な意見を目にしたのはその時が初めてでした。毎日新聞でした。数年前までの毎日新聞の政治欄は読み応えがありました。

 人間を金で動かそうとしたら、山ほど積まなければなりませんが、褒められたら只で働くことさえあります。そこで私は思ったわけです、「政治家だって人から褒められたいだろう、政治家に政策を実現してもらおうと思ったら、くさすのではなく褒めた方が効果が高いのではないか?」政治家が望ましい仕事をしたり発言をした時に大いに褒める、そうすれば世の中がよい方向に向かうのではないか。

 同じように考えた人は多いらしく、小泉政権がマスコミにけちょんけちょんにされたのに、国民が総理を支持し続けたことによって、政治家は自信を取り戻しました。九〇年代のマスコミはひどかった、政治家の言葉尻を捉えてつまらないことで何人もの閣僚の首が飛びました。無駄なことをしたものです。

 今や与党の政治家は、堂々と自らの思う所を述べることができるようになりました。また、平成十七年九月の総選挙で国民新党が四議席と意外な健闘を見せたことでも分かるように、小泉政権に反対した政治家でもきちんと自らの責任で政策を主張する政治家を国民は評価しました。

 褒めて伸ばすというのはまことに有効です。

 さて、これから褒めて働かせるのは誰でしょうか?私は官僚なのではないかと考えています。日本の官僚は優秀です。天下りした人達の中には首を傾げざるを得ないような話も漏れ聞くのですが、現役はまことに優秀です。

 ここ十年の不況は、政治家と官僚の経済運営の不手際が大きな要素を締めていますので、彼等が叩かれたのは仕方がないと思います。でももうカツは充分入ったと思うのですね。

 さて官僚というのは誰のために働くべきなのでしょう。なかなか難しい問題です。国民のためだろう、といいたい所ですが、そう簡単にはいきません。普通の企業であれば、商品を作って、消費者がそれを買ってくれれば儲かり、買ってくれなければ損害を出します。しかし、官僚が頑張っていい法律を作ったり円滑に国家を運営しても、目に見えて何かが増えるわけではありません。強いて言えば税金でしょうか。経済がうまく行けば税収が増えます。でも圧政を敷いても税金は増えます。

 国民の国家への支持不支持は、政治家にぶつけられます。

 つまり官僚というのはいい仕事をして税収が増えても、それは彼等の利潤とはならないので給料は増えない。国家運営に失敗しても不満は政治家にぶつけられるので仕事で失敗しても自分は傷まない。良い方向に悪い方向にも仕事の結果が出ることのない、考えてみれば士気を維持することが難しい可哀想なお仕事です。

 政治家は企業で言う苦情受け付けみたいな立場にあります。
 うまく行って当たり前、うまく行ってる時は仕事が少ない。仕事が多い時は「設計、製造は何をやってるんだ!」と不満がたまる。でも実は「設計、製造」の大枠も政治家の仕事です。政治家というのは「企画・苦情受け付け・取締役」を一人でやっているような感じです。苦情受け付けをやっている取締役、考えただけでガミガミうるさそうですね(^^;

 自分は企画であり責任も負わなければならない取締役でもある、という自覚が薄い政治家は、大臣になった時に官僚をいじめて溜飲を下げることになります。最近はそうでもなくなりましたが、不況期は社員をいじめることをもってリストラと勘違いする経営者がもてはやされました。今の日本政府はそれに近い状態にあるように思えます。

 なんで経営者が社員をいじめるかというと、それこそが経営効率化だと、浅はかな株主達が思いこんでいたからです。国の株主は、納税者です。結局国家の所有者である国民が「商品=法律」の製造者である社員即ち官僚を大事にしなければ、社員は高性能な商品を作らなくなるでしょう。そろそろそういう心配が必要な事態がこの国に近づいています。

2007年1月14日 (日)

日本の歌百選

陰暦 十一月廿六日

 文化庁が後世に残したい日本の歌百選を選んだそうです。といってもどうしても絞りきれなくて百一曲になってしまったのはご愛敬。

http://www.uta100sen.jp/

 なかなか良い選曲だと思います。一番が歌えない曲が二十曲ありました。どれも良い歌なので全部そらで歌えるようになりたいです。

 ただ一つ難を言わせてもらうと「さとうきび畑」が入っていないこと。これはちょっと現政権に遠慮しすぎですね。地域が限定される歌を取り除いた形跡が窺えるのでそれが表向きの理由でしょうが、これは名曲なので入れて欲しかったです。「花」と「涙そうそう」を入れるくらいなら、この二つを取り除いて「さとうきび畑」を入れて百曲にした方が良かったと私は思いました。

 どうせなら「さとうきび畑」と「同期の桜」両方入れたならば真の日本の歌百選になったと思います。この二曲が並んで歌われるようになったその時こそ、本当の意味で日本の戦後が終わった時ということができるのかもしれません。

小山田丘陵を行く

 横浜線淵野辺駅から町田市営プールまで歩いたのに屋根の補修中でお休み。一年半前にも同じことがあったような・・・広くて泳ぎ甲斐がある室内プールなのになかなか泳ぐことができません。

 このまま帰るのは癪に障ったので、鶴見川沿いに多摩ニュータウンまで歩くことにしました。地図を見たら唐木田まで道が続いているとあるじゃありませんか、唐木田まで行けば多摩市の市営プールがあります。あそこは子供が多くて泳ぎにくいけれど、今は冬だから空いているでしょう。ということでてくてく唐木田まで踏破することにしました。

 日大三校入り口を左に折れて都道155号を北に進みます。しばらくすると道が狭くなって風情がありそうな光景が広がってきました。大泉寺というお寺に寄ってみる。田舎の小さいお寺だろうと甘く見ていたら、ところがどっこい100m近い長い参道と立派な山門があって驚きました。曹洞宗だそうです、ということは武家のお寺なんでしょうか。

 家に帰ってから調べた所、このあたりには小山田氏という秩父平氏の豪族が根を張っていたそうです。それどころか小山田氏というのは鎌倉御家人の鑑と呼ばれた畠山重忠の叔父の一族だと言うではありませんか。

 さらに、小山田氏は、畠山一族が北条氏に攻め滅ぼされた時に、一緒に滅ぼされて、多摩の横山から追い払われて全国にちりぢりになりました。その一人小山田高家は新田義貞一の家臣として働きます。そしてかの湊川の戦いでは、武家方に包囲されて絶体絶命に陥った義貞の身代わりとなって壮絶な討ち死にを遂げたのでした。これは「太平記」の見せ場の一つです。こんなところで太平記の小山田高家ゆかりの史跡に出会うとは思いもよりませんでした。

 さらに奥へ行くと、広場にどんどん焼きのために注連飾りをうずたかく積み上げてありました。中心に篠を立てて、その先に達磨さんが逆さにつるしてあります。達磨さんなので逆さでも顔に見えるわけですが、これを見て直感しました。

 私は達磨さんという物の意味がよく分かりませんでした。なんで手足がないのか。なんで怒っているのか。何故赤いのか。おそらく達磨さんというのは"生首"の代用品なのです。古代の支那では、異民族の首を刈って魔除けとして吊しました。強い敵の生首には呪力が籠もると信じられていたのです。そして、坂東武士の館でも、生首を門前に吊していたと言います。インドネシアの一部には首狩りの風俗があって、つい十数年前も宗教紛争の時のその風習が復活して世界を驚かせました。首狩りは太平洋を取り巻く地域に住む民族にかなり古くから伝わる風習です。

 つまり達磨さんというのは、生首が手に入らない時の代用品であるのです。だから恐い顔をしていて、下が細く打ち落とされた首のようになっていて、しかも血のように赤い。これは魔除けの生首だと考えれば全て説明が付きます。赤いのは首からしたたり落ちる血であったのです。目が入っていないのは、目というのは真っ先に腐ったり鳥や虫に食われて落ちるからです。白いのは肉が腐ったり鳥についばまれて髑髏が見えているからです。

 元々は達磨とは言わなかったのだと思います。何時しか生首の代用品であったことが忘れ去られて、手足がない様子が達磨大師の姿に似ていたので、達磨さんと呼ばれるようになったのでしょう。

 小山田氏の歴史に触れ、達磨の起源に関する着想を得ることができました。プールが閉まっていて良かったというべきかもしれません。そのあとアクアブルーで一時間半ほど泳いで帰りました。

2007年1月13日 (土)

土地に関する極論

陰暦 十一月廿五日

 地震によって家が倒壊し、自宅の再建のために高い借金をして途方に暮れている被災者の姿をテレビが報じていました。だから国の補助を増やすべきではないか、いいやそれでは関東大震災がおきて数百万戸も家が崩壊した時にどうするんだとコメンテーターが論を戦わせていました。

 日本で家が高いのは、建物よりは土地が高いことに原因があります。もっと土地が安ければ家を持つことのリスクは減って災害が起きても社会が受けるダメージが減ります。建物にかけることができるお金が増えますので、耐震住宅の建設も進むでしょう。

 いっそのこと土地を持つことは放棄してしまって、みんなで借家に住むという選択もあります。今の日本の不動産の所有は細分化されています。これは商売的には一番コストがかかる状態です。小さな不動産主が、少ない不動産から最大の利益を得ようとするので、なかなか売らない、高く売ろうとする、店子からはなるべく高い地代を取ろうとする。悪循環です。

 日本の不動産所有は経営に最適な規模にないのではないでしょうか。談合がなければ、大規模な業者が競争する状態の方が、消費者にとっては利益が大きいものです。そこで天下の暴論を提唱しますが、格差社会がもっともっと進んで、日本の土地の所有者が百人くらいまで集約されれば、不動産経営が効率化して、地代が減って、私たち庶民にとって暮らしやすい世の中が来るのではないでしょうか。

 これまで世界中で土地所有者が間借り人をいじめたことで数多くの争乱が起きていますので、地主も今さら店子をいじめるような不動産経営はしないでしょう。

 それか、逆に徹底的に土地所有を細分化してしまうという手もあります。普通の人が、株を買うのと同じ感覚で、一坪地主になる。土地の証券化です。荘園制の時代はこれが行われていました。土地の所有権を一万円になるまで細分化しても良いことにする。そして所有と経営を分離します。

 そうすれば、極小地主は、土地からそんなに利益を得ようとはしなくなりますから、地代は下がります。住宅地・商業地・工業地など様々な土地にリスク分散ができますのでますます地代が下がるはずです。不動産信託として一部実現していますが、最小の小口が五十万円ですからまだまだ高い。馬券を買うのと同じ感覚になるまで小口化して良い。しかも馬券よりも健全で確実。

 そもそもバブルが起きたのも不動産市場に不備があって土地が売りにくいからでした。もっと気楽に土地を売ったり買ったりできる不動産市場が整備されていればバブルにはならなかったと思います。バブルを沈静化させるために必要だったのは、土地取引への課税ではなくて、不動産市場を整備することだったんですね。

 土地が取引しにくいことが日本の経済の足枷になっているのではないかと思います。

2007年1月11日 (木)

「エスパー魔美」レビュー

陰暦 十一月廿三日 【下弦】

「エスパー魔美」第113話「奪われたデビュー」
 大型新人映画女優の宮原由紀が撮影をすっぽかして失踪した。彼女には助け合って生きてきた姉がいた。実は女優を目指していたのは姉の亜紀の方で、宮原由紀のデビュー作は本来彼女のデビュー作になるはずだった。しかし撮影現場に付き添ってきていた妹の方が監督に見初められてしまったのだ。自分が女優を辞めれば姉と仲直り出来るのではないかと撮影を投げ出した由紀だったが・・・

第117話「恋愛のススメ」
 オーディオオタクの富山君が恋をしたという。相手は何時もSF小説ばかり読んでいる藤野沙織、イニシャルのSFがあだな。富山君に助けを求められた魔美は二人をくっつけようといろいろ作戦を組むがうまく行かない。それどころかSFは「現実よりも小説の方が好きだ」という。そんな彼女にも現実の恋愛に興味を持ってもらうことができるのだろうか。

 最終盤の二話、私が見た所この二つがエスパー魔美のベストエピソードだと思います。「奪われたデビュー」は脚本とカメラワークが非常に良い。妹に夢を奪われて引き裂かれた仲の良かった姉妹。妹に激しい敵意を向ける姉の描写が素晴らしい。そして上野駅での姉の台詞には感動します。映画に勝るとも劣らないリアリティーと感動を与えてくれる名品。25分の短編でここまでやったスタッフに拍手。

 「恋愛のススメ」は最後の超能力の使い方が見物。エスパー魔美でないとできない展開です。現実に興味を持たないSF少女を無理矢理に現実に染めるのではなくて、それをうまく利用して人間関係を持たせようとするこの優しさが藤子先生の作品の身上です。夢と思った瞬間から俄然積極的になるSFが非常に良い。SFも現実が嫌いなのではなくて、無理矢理外の世界を押しつけられることが嫌なだけだったのです。

 素晴らしい、「エスパー魔美」はやはり日本アニメの最高傑作です。宮崎作品やガンダムも良いんだけど、エスパー魔美を始めとする魔女っ子にももう少し世間的に光が当たって欲しいです。私たちにとって大切なことが沢山詰められています。子供の情操教育にもいいと思うんだけど。宮崎作品にしてもガンダムにしても結局戦って敵を倒すんですよねえ・・・敵を倒さないアニメをもっと多くの人に見て欲しいです。

 

 あとこれは個人的な願望だけど、「とんがり帽子のメモル」と「エスパー魔美」がDVD化されてなんで「メイプルタウン物語」がまだDVDにならないのだろう。もったいないです。まさかマスターをなくしたんじゃないだろうな、ビデオ版からでも良いからDVDにして出してください、たのんます(^^;

2007年1月 6日 (土)

選挙制度改革

陰暦 十一月十八日 【小寒】【高崎達磨市】

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 大学になった頃に発症した躁鬱病が社会人となった平成15年頃に最悪になり、治療を続けていましたが、ここに来てようやく成果が出てきて、心身ともに健康な状態に戻ってきました。規則正しい生活ができるようになりましたし、仕事中に眠気に襲われることもなくなりました、これは高校時代以来のことです。精神病の治療は時間がかかる、しかし必ず治ります。同じような病気を患っている人には、お医者さんを信用し、家族や職場の理解を得て、じっくり治療に取り組んでもらいたいと思います。

 改正教育基本法の成立、防衛庁の発足、税制改革の提案、中共との関係改善、憲法改正を国会に上程するとの表明、そしてこれまでの皇室典範問題への政府方針見直し、個々の政策には賛否両論あるものの、安倍政権はやることが具体的でしっかりしています。これからは一つ一つ改革を形にしていく時代です。地味だったり、時には揺り戻しに見えることもあるかもしれませんが、日本は着実に変わっていくでしょう。

 反面民主党は選挙ごとに言うことが変化して不安定です。たまに良いことを言っても次の選挙では反対のことを言うのでは国政を任せることはできません。解党を恐れず各議員が持論を粘り強く表明するべきです。

 強力な野党が存在しないことは日本人にとって不幸なことと言えます。小選挙区制では中小政党では勝てないので、自民党にはいることができなかった政治家が寄り合い所帯を作ったのが民主党であり、彼等は本質的に政策でまとまることができません。どうすればこの状態が改善出来るでしょうか?

 私はむしろ積極的に法で「野合」を認めるようにするべきだと考えました。欧州の一部の國では実行されていますが、政党グループに票を投じることができる仕組みを作るべきではないでしょうか。

 どういうことかというと、例えば中小政党A,B,C,Dが政策協議をして政党グループとしての公約を掲げる。これとは別に各政党ごとの方針を立てても構わないことにする、ただし国会内では政党グループの公約に従って行動することにする。

 そして、政党グループとして比例代表に投票出来るようにする。票の配分は政党間の協議かあるいは非拘束名簿方式にする。小選挙区の候補者調整も進める。どの選挙区にも野党連合の候補者を立てる。この方式の利点は比例代表の死票が減るのと効果的に小選挙区を戦える体制が出来ることにあります。

 民主党は本来ならば複数の政党にばらけることが正しいくらい異なった意見を持った人達が集まり、その時々の党内事情を反映して、各派閥の政策を党の政策として掲げているので、コロコロと政策が変わる政党になってしまっています。小さな政府派が強い時は小泉政権と同じことを言っていたかと思えば、旧社会党系が強くなると急に自衛隊をイジメ始めたり、これでは性格が破綻した人みたいです。

 いっそのこと、別々の政党になった上で、政党グループとしての方針を国民に呈示して、自民党とどちらが良いか国民に選択してもらうようにした方が、分かり易くて良いのではないでしょうか。

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