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2007年6月 7日 (木)

今回の年金問題

陰暦 四月廿二日

 今晩のNHKの「クローズアップ現代」で現在問題になっている宙に浮いた年金支払い記録を取り上げていました。非常に公正な内容で、しかもわかりやすく、久々にNHKの良心を見た思いです。

 一人の人間に複数の番号を振っていた以上、機械的な照合では付き合わせることができない記録が出てくるのは当然です。かつては年金の集金や記録の監理の仕方は地方・職業・年代でかなりバラバラであったそうなので、やむを得ないところもあります。むしろ記録の照合は電子化によって進んだはずです。電子化が行われていなければ、今よりもずっと不利益を蒙る人が多かったはずです。

 五千万件(+昨日判明した戦争直後の一千万件)といっても、年金を受給する資格がない人を除き、名寄せをすれば一千万"人"以内に収まると思うのですが、それでもかなりの人数です。

 というわけで、基本的に悪意を持った当事者はいない。為政者も社会保険庁も大筋で行ってきたことに間違いはない。これまで十年かけて社会保険庁内部でできる照合をやり尽くしたけれど、最早国民に自分から出頭してもらわないとどうにもならない記録まで絞れたから今回五千万件が表沙汰になったのでしょう。

 社会保険事務所の職員の怠慢を指摘する人もいますが、私はそれほどのことはなかったと思います。確かに役人の仕事というのはたまに突拍子もない手抜かりがあって、私も一度学生の時に八十万円も住民税を納めろと言われて仰天したことがあるのですが(台帳で隣合っていた人と混同されていた)、役所というのは必ずこちらから動くように要請すればきちんと行動してくれます。ただしほとんどの人は木で鼻をくくったような最初の対応で頭に来てしまってその先に進まないだけです。

 それと、記録を残しておくのは大事だと改めて思いました。厳しいようですが、こういった権利は常に自分で動いて確認しつづけないと失われます。

 ただし一つ後知恵をいわせてもらえれば、電子化で名前をカタカナで入力した時に、元の漢字名と磁気テープに入力したカタカナを、照合できる形で手書きで記入して記録を取っておくべきだったでしょう。多分キーボードで打ち直した時にオペレーターに渡された台帳があるはずで、それに入力したカタカナを記入して、それは破棄しないで数十年間保管をしておくべきでした。

 記録を遷す時には必ず前の記録と一対一の対応がとれないといけません。二度手間のように見えるけれど、前の記録が後の記録にどのように遷されたかの控えを取っていくことはこういった作業における必須事項です。

 それと今回の五千万件とは別にして考えないといけませんが、末端の事務所の不手際で払ったのに払っていないことにされてしまった人も数十万人くらはいいそうです。これは完全に社会保険庁の責任であると思います。番号が照合しきれなかった五千万件と、領収記録の消失は全く別な問題であることは覚えておかなければなりません。

 社会保険庁は郵便局と並ぶ巨大な金融機関です。先ず一番大きい郵便局の方の改革に目途がついたから、社会保険庁の方の問題点もやっと白日の下に晒されるようになったのでしょう。今のところ政府は誠実に対応していると思います。年金の記録の照合のような事は最終的には人が手作業でやらないといけないので時間がかかるし、私は政府も社会保険庁も良くやっている方だと思うのですが、なけなしの金がかかっていますので、なかなかそうは見てもらえないのかもしれませんね(^^;

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コメント

どうも、「年金の問題」拝見させていただきました。
その感想を書かせてもらいます。

>むしろ記録の照合は電子化によって進んだはずです。
>電子化が行われていなければ、今よりもずっと不利益を蒙る人が多かったはずです。

私は逆に考えてます。
電子化というアイディアは悪くないと思います。
しかし、社会保険庁が電子化してデータを入力用とした時にNGデータが増えた
可能性が高いと思っています。
理由としては、過去にここまで年金の支払いで問題になっていないことです。

>基本的に悪意を持った当事者はいない。

当たり前のことです。悪意を持ったり、わざとミスしようと思う人間は稀です。
でも、結果的に5~6千万件ものデータミスがあれば叩かれるでしょう。
わざと出なくても、その結果「お金が払えません」と言われれば、怒るでしょう。

>ほとんどの人は木で鼻をくくったような最初の対応で頭に来てしまって
>その先に進まないだけです。

そういう対応を受ければ怒るのが普通でしょう。
社会保険庁の人が鼻をくくったような態度をとっても問題ないといえるだけの
理由があるんですか?

>記録を残しておくのは大事だと改めて思いました。

それをやっとかなければならない義務があるのは社会保険庁の方ですよね。
年金は、今、支払ってくれている人にが年を取ったときに受け取って貰うシステムなのだから。
私たちも予備的にやっておいた方がいいのでしょうけど。
つまり、こちら側の必須事項ではなく、社会保険庁の必須事項です。

全体的に言わせて貰いますと、社会保険庁に甘すぎです。
この件は基本的に会社や個人事業主のミスではないのだから、
責任は社会保険庁や政府にいくものです

 私も年金経済学のばかでかい本を読んでやっと年金の問題が既に解決していると知ったクチですので、細かい説明はできませんが、

ここら辺をご覧下さい
権丈研究室
http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare_index.htm
namiのメモ
http://d.hatena.ne.jp/nami-a/

五千万件の統合漏れの過半数は、おそらく戸籍のオンライン化以前の死者の分です。残りも、窓口まで出向けはすぐに解決するものが多いでしょう。

電子化以前に統合漏れが問題にならなかったのは、国会議員が問題とせず、マスコミが報じなかったからに過ぎません。

このような統合漏れをなくすには、政府が国民の住所を完全に把握するシステムが必要となります。国民総背番号制の導入です。

私は大賛成ですが、年金番号統合のネックになっている、引っ越しや転職を繰り返している人にとっては、所得を捕捉される可能性がグンと上がるわけですから、反対が強いでしょう。

>問題が既に解決している
すでに解決していて、5~6千万の不明データですか?

>出向けはすぐに解決するものが多いでしょう。

こちらが出向かなくても大丈夫なのが普通なんですよ。

仮に5~6千万件のうち4千万あたりがすでに故人の物としても500万人あたりにはなりますね。
やはり多すぎるという結論になります。

統合漏れ、どうとか仰いますが
こういう問題が発生しやすいことは社会保険庁や政府は想定できたはずです。

>こういう問題が発生しやすいことは社会保険庁や政府は想定できたはずです。

そこは矢っ張り甘かったんでしょうね。けどアナログデータの名寄せというのはものすごく大変なので、プログラミングを齧った身としてはその苦労は分かるし、仕方ないよねと思ってしまうですが。

まあ民間会社が同じ事やったら業務停止じゃすみそうにない(笑)

てなことを考えると、先に民営化するべきは郵便局よりも社会保険庁だったのでは?という気が私もしてまいります。

平成十六年の年金改革までは、まず将来のお金の確保という大問題がありましたから、政府も社会保険庁も名寄せまでは手が届かなかったのでしょう。

しかもあのころは経済が混乱していましたので、更に年金の不安が加わったら大変なパニックになっていたことが容易に予測できる。

だから、まずお金の確保が第一で、番号の統合とかは取り敢えず後回しにされたんでしょうね。

>アナログデータの名寄せというのはものすごく大変なので、プログラミングを齧った身としては
>その苦労は分かるし、仕方ないよねと思ってしまうですが。

私も仕事上、プログラミングやデータの確認作業は経験しているので、
直接データ確認を行なう人への同情はしますが、
データがこの状態のままでいいはずありません。

安部さん(いままでそう書いてきたけど、ここでは「べっちゃん」の方がいいのかな)の仰るとおり
過半数以上はすでに故人のデータかもしれませんが、30~40%ぐらいは
生きてる人のデータでしょう。
確認にも莫大な時間がかかってしまうでしょう。
安倍総理の言う1年ではとても無理でしょうね。

この五千万件が残ったのは、死者のデータとの突き合わせができなかったからでしょうから、これからはおそらく、生者の中にいない(生年月日から分かります)からこれは死者なのであろう、という方法で取り敢えず取り除くという方法で消していくのだと思います。

突き合わせは一年に二千万件のペースで進んできたらしいですから、この推定死者確認プログラムができれば一年でなんとか可能かもしれません。

けれども死んだことを戸籍で確認しないと本当に確認したことにはなりませんが、これは手作業になるので、さすがにこの一年ではできないと思われます。


PS、名前はどっちでもいいですよ。

べっちゃんさん、貴方、こんなところで凄い議論やってたんですな。見方を少し変えることにします。

お二方も、ほぼ正解にたどり着いている感じがしますので、僕は、ちょっと、父の仕事の関係で知り得た、業界情報を流すとしますかね。


労働組合の業界ではね、社会保険庁はね、これがもう、極左ばりばりの労組があるんですよ。国立大学の労組もかなりヤヴァかったけど、それ以上。

もうそれは、何じゃそりゃ?というようなことが、最近まで労使間の約束であったそうです。

僕が覚えているのだけでも、

・パソコンを導入するのはよいが、画面を見ると目が疲れるから60分のうち20分は休憩して良しとする。

・昼休みはぎりぎりまで使って良い。(つまり、終わってから、ダラダラと帰ってきてよい)

・他にもそんなのいろいろ・・・

タチの悪さは霞ヶ関でも1、2を争うほどであったとか。でも、別に、改革とか余り関係なく、与えられた仕事を粛々とこなしてりゃいいだけの庁だったので、マスコミ含めだーれも、注目せず。結果、東京のど真ん中でこんなアホな社保庁が放置されておったのです。

因みに、橋本龍太郎総理時代の行革と、マスコミの熱意溢れる官僚バッシングによって、多くの省庁の左翼系労組はほぼ支持を失ってます。

社保庁はこのときもほっとかれたわけです。・・・いや、腐りすぎてて誰もさわりたくなかったのかも知りませんが。

そんな裏事情あったそうですよ。ねー、社保庁ね・・・こりゃ、解体して民営化したほうが、という意見が出ても仕方がない気がしますね。だって自業自得(笑)

 NMRさんご意見ありがとうございます。

 社保庁の労組の要求は、労組として基本的に間違っていません。これらの要求をしたからと言って社会的に間違いだとは私は思いません。

 労組の悪い噂は自民党の悪宣伝が混ざっていますので、六掛けくらいで聞いておいたほうが良いでしょう。

 普通の企業の労組もそれくらいの要求はしますが、要求を全部得ようとはしないし、企業だってそんなに労組を甘やかしはしません。

 結局社会保険庁では、使う側も使われる側も、給料は自分の金ではないと思っていたから、職員が甘やかされたのだと思います。どっちもどっちですね。

 しかし、社保庁の労組は平成16年の参議院選挙の際に芸能人や政治家の個人情報を流しました。これは明確な反社会行為で糾弾されるべきだと思います。

 それと、きちんと仕事をやってくれるのなら一時間に十五分休憩を取っても一向に構いません。労働者を優遇することと、仕事をいい加減にすることは全く関係がありません。社保庁の仕事がいい加減だったのは、労働組合と言うよりは、社保庁職員全体の問題で、もっと根が深いと思います。

>社保庁の仕事がいい加減だったのは、労働組合と言うよりは、
>社保庁職員全体の問題で、もっと根が深いと思います。

だから社会保険庁は叩かれているんです。
なのに6/7時点では下記のように書いてますね。

>為政者も社会保険庁も大筋で行ってきたことに間違いはない。

矛盾してませんか?
前にも書きましたが、電子化という方針はいいと思います。
それとその方針の下で行なってきたことは別の話ですよ。

方針は良かったが、データチェックが甘かったと書いたほうが適切だったと思います。

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