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2007年7月30日 (月)

選挙結果の総括と今後の展望(一)

「地方とブルーカラーの反乱」

陰暦 六月十七日 【望】【広島厳島神社管絃祭】

 参議院選挙が終わりました。安倍政権を応援する身としてはまことに残念な結果でしたが、これもまた国民の選択です。私としての結果の総括と今後の展望を暫く書いていきたいと思っています。

 数もさることながら、私にとって衝撃的であったのは、以前ここで発表したように中国四国地方は自民党の金城湯池であったのに、ことごとく自民党が敗北した点です。農業団体や地方議員に支えられて十年以上牙城を守ってきた有力者が次々と討ち死にしました。今回は郵政解散の時のお株を自民党が民主党に奪われた格好です。

 年金と農業がテーマであったかのように報道されてきましたが、今回の選挙では年配の候補者と農業出身の候補者はほぼ全滅しています。世論調査でも民主党の年金案は不評でした。ですから、今回怒ったのは老人や農家ではなく、地方の都市部に住む現役世代の怒りが結実してもたらした結果であるといえると思います。公明党が議席を減らした以外は都市部はほぼ無風だったことと比例投票にさほど差が出なかった(従って人口の多い大都市圏は無風であった)ことからもそれは言えるでしょう。

 安倍政権の見通しでは、景気が拡大することによって、不況が長引いている地方や業種にも恩恵が届くはずであり、実際そうなりつつありますが、景気拡大のでだしというのはなかなか目に見えにくい物ですので、現在苦境にある方々は、首相を始めとする閣僚と与党に自分たちの救済を最優先事項として取り組む姿を見せて欲しいという切実な思いがあったのだということを今回思い知りました。そこは安倍総理も、そして支持者も見過ごしていたと思います。

 階級的な物の見方は好まないのですが、今回の結果は都市とホワイトカラーに対する地方とブルーカラーの反乱であると私は見ました。「美しい国」や年金の内容の良し悪しは関係がなかったと思います。これは彼等の疎外感を爆発させる導火線となっただけでしょう。

 少々上から目線になっていますが、実態を正確に表すためにあえてこう書きました。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>公明党が議席を減らした以外は都市部はほぼ無風だったことと比例投票にさほど差が出なかった
>(従って人口の多い大都市圏は無風であった)ことからもそれは言えるでしょう。

都市部で与党の有力者(自民1人、公明3人[埼玉、神奈川、愛知])落ちていて無風ですか。(笑)

>「美しい国」や年金の内容の良し悪しは関係がなかったと思います。

普通の有権者は強行採決の乱発を美しいとは取らないでしょう。

年金の法案については、それ以前の問題でしょう。現在、NGデータだらけで、社会保険庁の腐敗ぶりがあれだけいわれて。
法案が仮にすばらしくても、実行されるムードがなきゃ意味がありません。
法案だけで年金問題終わったと考えるのは早計なんです。

 民主党の比例代表トップ当選者の言動をよく調べてみてください。ああいうのをみて怒らない民意ってなんなのかな・・・とちょっと思ったりもします。

 まあ労働組合が労働者のために働くのは正しい姿ですが、社保庁の働き方が問題になっているのですから、もうちょっと控え目になってもいいと思う。

 今後は小泉政権時代の自民党同様に、民主党は自らの手で支持母体を破壊することが国民から求められてくると思います。それができれば衆議院での過半数が見えてきますが、ああいう議員がのさばるようだと再び低迷を迎えるでしょう。

 結局番号照合という本質から外れた問題と存続性としては問題がない年金制度で与党が足下をすくわれたのは、平成十六年の参議院選挙のあとで民主党の年金案を完全に葬り去るという手順を与党が怠ったからなんですね。禍根を断つためにあの案のデタラメさ加減を国民に知らせるべきでした。

 それが出来なかったのは、平成十六年の年金改革が国民に負担増を求める物であり(それは当然なんですが)そのため、選挙を気にして平成十六年の年金改革の良さを与党がきちんと宣伝しなかったのが悪いんです。

 あるいは、郵政選挙で大勝したあとに、番号照合がまだ数千万件残っていることをいってしまうと言う方法もあったと思います。

 年金制度の発達の経緯から、未詳号の番号が残っていること自体は仕方がないことです。残っていること自体をせめるつもりはないですが、それを知らせなかったのは問題かもしれない、時期をみて知らせるべきだったのでしょう。

 たとえ最善の改革であっても、負担増というだけで、議席が減りますからね。でも平成十六年の時点なら数議席で済んだところが、3年怠ったせいでこの有様です。やはり金に関わる話は、国家規模で見たら些細でも大事になってしまうので、早め早めに知らせる方が良かったんでしょう。

 年金制度に限った話ではありませんが、人間のやることですので完璧は不可能で、どんな制度にもリスクとコストは含まれています。

 番号照合はコストですし、それに関わるミスはリスクです。

 ある程度のリスクは受け入れないといけない。けれども最近はリスクを許容しない空気が日本は強くなっています。教育の場で無理難題をふっかけるモンスターピアレントもその一例です。

 何か、問題があったとしても、それはコストとして許容できることなのか、出来ないことなのか、リスクとして想定されていたか、いないのかこれを立ち止まって考える必要があります。

 日本の政府はこういったリスクやコストを公表するのをこれまで避けてきました。欧米も国家機密は日本異常にあるけれど、国民の暴発が怖いので知らせるべきリスクとコストはきちんと知らせるんですね。日本の指導者層にそれが出来ないのは、ばれた時の不都合を想定する想像力が欠けているからです。

 しかし、それによって選挙で大敗するという事態が続いていますので、少しづつ改善していくでしょう。

>民主党の比例代表トップ当選者の言動をよく調べてみてください。
>ああいうのをみて怒らない民意ってなんなのかな・・・とちょっと思ったりもします。

与党の大臣の発言にはとことん甘いこといっていてと思うのはこちらの気のせいでしょうか?

>人間のやることですので完璧は不可能で、どんな制度にもリスクとコストは含まれています。

当たり前です。なのに「完璧」などと軽いこといったのは、どなたですか?

>リスクを許容しない空気が日本は強くなっています。

靖国で理由も説明せずに日時を変えたり、国民に叩かれるのを恐れ、金額情報を捻じ曲げた某氏が典型。

安部さん、7/5「インフレ・医療問題」でのコメントで以下のように書いてますね。

>いわゆる失言とか蓄財とかについては私はほとんど興味がないんです。
>唱えている政策の内容、国会でどのような議論をしたか、これで政治家を評価しています。

これと昨日の発言を比較してみてください。

>民主党の比例代表トップ当選者の言動をよく調べてみてください。
>ああいうのをみて怒らない民意ってなんなのかな・・・とちょっと思ったりもします。

矛盾してると思いませんか?
比例当選者の中には政治家としてキャリアが浅い人もいるでしょうから、
まだ信用できないというならまだ分かるけど。

確かに人間、公正にやろうとしても、難しいが、ここまでダブルスタンダードが顕著だと...。

取り敢えずどういう発言をしているか調べてくださいな。

あれは失言ではなくて政治的主張ですから。

物事の複雑さに耐えられる知的体力が不足しているので些末な部分の照合で全てを判断しようとするのでしょう。

マスコミ自体にその知的体力が不足していて、それが視聴者にも伝染している。

輔住さんと議論していて分かりましたが、輔住さんと似たこととをいっている人は、面白がって失言や数字の差異を取り上げているのかな、と思っていたのですが、どうやら本気で自分が騙されている、そしてそれが国をひっくり返すほどの一大事と思いこんでいるらしいと。

これはかなり憂慮するべき事態ですので、私もこれからは本腰を入れてこの問題に取り組みます。

昔だったらその人のしゃべり方とか、氏育ちから判断する勘が日本人にはあったのですが、今の人にはそれがない。

美しい国よりもまず先に常識が通用する国を作らないといけない。

>識が通用する国を作らないといけない。

状況によっては、赤字を黒字と言い換えてもいいなどというのが常識ですか?

そんな非常識なことやれば、経済がメチャクチャになることも分からないで、人が騙されてるとか、冗談じゃありません!

それと久間氏のイラク戦争に関する発言も政治的主張。
大臣か民主党かで、安部さんが判断基準を都合よく変えているのにすぎません。

 選挙も終わりましたし、私も趣味にもっと時間を割きたいので全ての発言に丁寧にレスをつけるのはこれで終わりにします。

 現代国家の財政というのは非常に複雑で、単年度だけ取りだして云々しても仕方がないです。10年後の景気を見越して(ある程度予測できます、メシの種なので詳細は言えませんが(笑))借金をしたりするものです。

 それを全ての有権者に納得がいくように説明するのは非常に難しい。私は国家財政の実績を色々いじったり、予測をしたりして、やっと政府が何を考えているのか分かりました。でもこれを万人に分かるように説明するのは不可能であろうなとも思いました。

 最近、「俺に分からないことを言うのはあいつが悪い奴だからだ」という風潮が強まっているのは憂慮すべきことです。反感はあるでしょうが、やはり勉強しないと分からないことはあります。

 もちろん知識階級は、今世の中の中枢で起きていることに対して、より多くの国民の理解を得るために努力しなければならないのはもちろんですが、ひたすら頑なな人に向けてできることは限られています。

 現在の世の中に不満を抱いている人は、誰かに謝って欲しいのかもしれませんが、それを政府や政府の支持者に向けても意味がありません。

 政府に要求するべきことは謝罪ではなくて、自分の苦境を打開するための方策です。それは自分で考えないといけない。

 自分が抱えている問題は何か、それを誰かに文句を言えば解決する類の物なのか、本当の敵はなんなのか、耳に障ることを言っている人が敵なのか、耳当たりの良いことを言っている人は本当に味方なのか、良く見極めてください。

 それと、礼儀をわきまえていない発言は削除しますのであしからず。

>物事の複雑さに耐えられる知的体力が不足しているので些末な部分の照合で全てを判断しようとするのでしょう。

自分は知的体力が充満していて、反対意見者は不足ですか。

>10年後の景気を見越して(ある程度予測できます

それができれば、1年は赤を黒と偽りもOK、30年後も安泰というわけですか?

>「俺に分からないことを言うのはあいつが悪い奴だからだ」という風潮が強まっているのは憂慮すべきことです。

そういう風潮の大きな原因は反対意見者に「抵抗勢力」とレッテルを張った御仁だと思いますが。

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