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2007年7月18日 (水)

数字遊び

7月18日(水)
陰暦 六月五日

 政党支持率や過去の選挙の結果を見比べて考えついた日本の政治勢力分布。

 投票率は平均して60%くらい。そのうち投票先が固定されている政党支持層が40%で、選挙の旅に投票先を変える無党派層は20%です。

 以前考察したように、政党支持層の勢力分布は
自民党:公明党:民主党:野党その他=3:1:2:1
くらいになっています。得票数のうち2/3はこの比率で分配されます。

 無党派層は定常状態で野党よりな傾向があるので、何もなければ
与党:野党=2:3
くらいであると推定します(考察は面倒臭いので省略)。得票数のうち1/3はこの比率で配分されます。

 従って特に党首人気やスキャンダルなどがない無風選挙の場合の与党の得票数は
4/7 *2/3 + 2/5*1/3 = 0.53
これを衆議院の場合は480,参議院の場合は120で乗すると、衆議院では253議席、参議院では64議席になります。衆議院の安定多数が252ですので、何もなければ与党が安定多数を維持できます。逆に言うと、安定多数を作らないと政治ができませんので、この十数年政党はいろいろ盛衰しましたが、与党の組み合わせは結果として必ずこの53%を維持する組み合わせになっていたのだと言えるでしょう。

 平成十六年の年金選挙では、無党派層は与党:野党=1:3の比率で野党に大きく流れました(朝日新聞出口調査データ)。上記のモデルで与党の議席を計算すると、
4/7*2/3 + 1/4*1/3 = 0.46   120*0.46 = 56
 実際の議席数は60でした。日経の調査では与野党の支持率はもう少し狭まっていましたので、56より多くなったと言えます。また、一人区での死票を考える必要もあるでしょう。まずまずの予測精度です。

 平成十七年の郵政選挙では、無党派層は与党:野党=2:1(朝日新聞出口調査データ、政党支持率で代用)で与党に流れたとすると、
4/7*2/3 + 2/3*1/3 = 0.60  480*0.60 = 288
実際の得票数はこのくらいでした。小選挙区制なので差が増幅されて結果としては与党327議席でした。

 さて今回の参議院選挙はどうなるかですが、各社の調査を平均すると安倍内閣の支持率が30%前後で、不支持率が50〜60%ですので、最大で1:2で野党に票が流れると推測できます。その場合の与党の議席は
4/7*2/3 + 1/3*1/3 = 0.49  120*0.49 = 59
 となりました、平成十六年の選挙と同水準ということになります。現在の状況を見ると妥当でしょうね。

 勝敗の鍵を握るといわれる1人区は、ゼロサムゲームですので、これだと全部野党になってしまいますが、共産党はほぼ全選挙区に候補を立てています。共産党の勢力というのが3%くらいですので、
 与党:野党:共産党=49:48:3
 となり、正に伯仲、今の状態で1人区はどちらが勝つか分からない、従って59を中心として±5人まで動く可能性があるでしょう。与党はギリギリ参議院で過半数64から惨敗の55(自民党が40台前半)まで全通りありうるということになります。今がボトムなのかそれともまだ下がるのかといったところでしょうね。上記の朝日新聞記事を見ても分かるとおり、最後の一週間で様相はだいぶ変わります。

 無党派層の力を計算してみましょう。無党派層の変動幅が定常の2/5から1/4〜2/3。乃ち無党派層の15~26%なので、全体の中では最大13%。これを衆議院の議席に直すと60議席、参議院の改選議席に直すと16議席になります。これだけ与野党に上積みしたり取り上げたりする力があるということになります。結構大きいですね。無党派層は自覚を持ちましょう。

 最後にマスコミの力を計算します。無党派層のうち最大で半分ほどがマスコミの報道に影響されたと考えると、6%なので、衆議院では約30人、参議院では8人となります。日本のマスコミの力というのは議席を6%変動させるだけあります。現在の参議院のように与野党が伯仲している場合はマスコミの力は莫迦にできないことが分かりました。

 単純なモデルですが、結構いい線いっていると思います。

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コメント

>現在の参議院のように与野党が伯仲している場合は
>マスコミの力は莫迦にできないことが分かりました。

>単純なモデルですが、結構いい線いっていると思います。

つまり安倍内閣は参院選の後はいままでのように強行採決の乱発はやりにくいことになります。(笑)

ちなみに野党が小学生みたいな手段を取るからといって、与党が幼稚園みたいな手段をとっても大義名分はありません。
どっしり構えたほうがよかったと思います。たとえ法案が通るまで多少時間がかかっても...。

なるほど、強行採決にこだわっているわけですか。

ただし与党側の立場からいわせてもらえれば、野党の審議拒否や、議長を暴力で妨害するから仕方がないということになるのですが。

どの議案も橋本政権頃から課題になっていて、内々では議論になっていたし、必要性は与党側の人間はずっと認識していましたので、この一年で続けて成立したのは感無量だったのですが、特に必要性を認識していなかった人達にとっては、突然半年くらいで立て続けに法律がいっぱいできて、与党の手際の良さを評価するよりもむしろ怖い気持ちになっているのかもしれないと思いました。

>議長を暴力で妨害するから仕方がないということになるのですが。

強行採決の画面見てるとあれも立派な暴力ですが、与党の暴力には甘いですね。

手際よくても「ザル」なら意味がないし、困るのは国民。与党も野党も真面目に法律審議する気があるのか疑う。

あと、強行採決がやむをえない場合もありますが、あんなに乱発しても...。
実績を作りたいあまり、数にモノをいわせているだけとしか思えません。

新聞や業界紙を丹念に読んでいると「○○党で△△部会が立ち上がった」とか「□□党の××部会でこのような議論が行われた」という記事が出てきます。

官僚が弱体化して、というか弱体化させられて、政党やシンクタンクが政策を作る母胎となってきています。少なくとも自民党は党の法案作成能力を上げて、法律の10のうち1から6くらいまでは党内で作り上げて、国会では7から10くらいの議論にしてスピード審議を目指しているようです。

対する民主党はまだ組織が自民党ほどは強くないですし、トップの方針がコロコロ変わるので、まだ党内では3くらいまでしか議論できていないのが現状です。

これが国会内でぶつかるわけですから与党からは「野党の未完成な法案じゃあ話にならない、私達の法案で話を進めますよ」となって、野党が与党の法案を必死で理解しよう(あるいは修正点を探そう)と右往左往しているうちにどんどん話が進んで、与党からは「審議も十分時間を取ったし採決しましょうか」となって何もできなかった野党はヒステリーを起こして議事妨害にでてしまう。

こういう構図が続いているのではないかと思います。

この党内で法律を作っていくやり方は元々は民主党が始めようとしたものですが、自由党とくっついてから民主党は党内政局に忙しくてお株を自民党に奪われたみたいです。

ごり押しとか邪魔とかそういう単純な言葉だけでは割り切れない。政党の役割が変わってきている過渡期に今はあるのだと思います。

私としては民主党に早く一枚岩になってもらって、党内の組織を整備して、自民党に負けない法案を出せる党になってもらいたいと思っています。

組織力と法案の内容がいいかは別問題。どちらの案も長所・短所があるはずで、与党も野党も党議党略を重視しすぎだと思う。
与党も野党も「ザル法」を通さない努力をしてほしい。

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