« 年金制度改革(二) | トップページ | 年金制度改革(三) »

2007年7月23日 (月)

年金少年

陰暦 六月十日 【大暑】

 十年くらい前から、国民はマスコミやら評論家から「日本の年金は破綻する」と脅され続けてきたので、年金制度に対する不信感を植え付けられてしまいました。

 彼等の努力によって年金制度には直しようのない不備があるはずだという誤った固定観念が蔓延してしまいました。そのため、この先十年間の危機を乗り越える改革がなされ、景気の回復によって運用が好転した今になっても、年金制度を信じることができず、むしろ「この十年間いわれ続けてきた年金制度の致命的な不備なるものを見つけ出さない限り安心できない」という倒錯した精神状況にあります。

 この「年金少年」達によって植え付けられた不毛な年金不信を解消するには、実際に危機はあるにはあったけれど未然に防がれたことと、危機を解消するためにそれなりの代償を我々はこれから払わなければならないことになった、という正しい知識を広めるしかないのではないかというのが今の私の考えです。

 景気の悪化により運用は平成14年に危機的状況に陥りましたが、これは景気の回復によって解消しました。運用については、年金制度の問題というよりは、経済政策の問題です。いくら完璧な運用制度を作っても日本の景気が悪くなれば利益は出せませんからね。

 団塊の世代の受給開始による給付金の急増に対しては、平成16年の改革によって問題が解決しました。これは保険料のアップ・給付額の削減・税金の投入という、現役世代・退職世代・国民全体の三者にそれぞれ負担を求める改革です。十年前からいわれていたような危機は未然に防げたけれど、きちんとそれなりの負担を我々は今後背負うことになります。

 平成16年までは年金少年のいうことにも一理ありましたが、今は徒に年金に対するいらざる不安を煽っているだけの無益な存在です。

 あとは年金の加入者をどこまで増やすかということと年金番号の統合の問題です。年金の存続そのものが課題になっていたほんの数年前と比べて、状況はかなり改善したと言えるでしょう。

 加入者を増やす課題には、いろいろな考え方があります。私の意見だけ述べておきます。今は25年だか何年だか払い続けないともらえませんが、たとえ一年でも払っていれば他の人の40分の1になるかもしれないけれど、年金を給付していいんじゃないかと私は思います。受給がものすごい細切れになる人も出てくるでしょうが、コンピュータがありますから、事務経費の負担はそれほど増えないはずです。厚生年金はたとえ一日だけのバイトであろうが給料をもらえば年金を払うようにするべきだと思います。それと計算の方法は、ややこしい階段関数は已めて線形の式に直す方がいいと思います。

 番号の統合については明日以降書きます。

« 年金制度改革(二) | トップページ | 年金制度改革(三) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>脅され続けてきたので、年金制度に対する不信感を植え付けられてしまいました。

というか、年金制度どうのこうのじゃなくてお金って自分が直接手にするまで不安ですよ。(年金以外のお金でも)

>いくら完璧な運用制度を作っても日本の景気が悪くなれば利益は出せませんからね。

どうして、こういうことを言うのでしょうか?
景気が悪くなれば、払えなくなるというのは完璧な制度じゃないんですよ。
だからといって、今回、その制度を責める気はないですよ。
世界中探しても完璧な制度など、どこにもありませんからね。

ただ軽々しく「完璧な運用制度」などという安部さんの感覚が不思議です。

失礼ながら、完璧じゃないのを分かっていて軽々しく完璧などというのだから、安部さんも一種の「年金少年」だと思います。

ぶっちゃけていってしまえば、景気さえ良くなれば年金を始めとする社会保障の問題もたいてい解決しちゃうんですよ(笑)

あと積立金の運用と給付は今のところが全く別なのでそこは間違えないでください。

あと「完璧な運用制度」というのはもちろん物のたとえです。そんな物は今も昔もありません。

日本の年金が積立金に手をつけなければならなくなるまで、まだ数年余裕があります。それまではその年に集めた納付金で給付が賄えます。

でも景気が良くなれば数年後も積立金に手をつけずに済む可能性だってあります。

>景気さえ良くなれば年金を始めとする社会保障の問題もたいてい解決しちゃうんですよ(笑)

そういうのが、軽々しいといっているんです。確かに理屈で言えば全員が裕福になれば、社会保障なんていらなくなります。
だが、現実的に考えて、そこまで景気がよくなんかなりません。
必ず、保障がないと困る人間はでるし、社会問題として多少の差はあっても、どこの国にもある問題なんです。

理想郷の話とは違うんです。
小泉氏や安倍氏の味方をするのはいいですが、
事実捻じ曲げ、嘘や隠蔽容認、「完璧」と言う事が軽すぎです。

安部さんの年金問題に関する認識を読んだら、益々、年金のことで不安になりましたよ。

もちろん景気がどうなっても大丈夫な制度にすることも大事で、実際あれだけの不況でも順調に二千万人もの高齢者へ年金を支払うことができた現在の制度はその点十分に堅牢なのですが、

景気が良くなれば、給与スライドになっている厚生年金の納付額は増えます。税収も増えます。

それに対して、高齢者への年金給付額は、不況でも好況でも同じだけ払わなければなりません。

それなら絶対に好景気にさせた方が良いんですね。だから年金対策として世の中の景気を良くする、という選択肢があってもいいんですよ。

年金の給付額は41兆円で、これは政府の一年間の歳出の半分。国民所得の一割。積立金の総額は150兆円。ですから年金の議論をする際には、国全体の景気とからめた話にしてもいい、というかそうならなきゃ意味がないんです。

まあ景気が好況だろうが不況だろうが30年後までは今の制度でなんとかいける。

でも好景気になればもっと楽になる、そういうことです。

景気は大事です。そろそろ景気を良くするためにはどうしたらよいかという議論がもっともっと盛んになっていい頃です。今は好景気と言うよりはどん底から普通に戻っただけですからね。

これからは医療費とか介護費とかを充実させるという形で、公共投資を増やして景気を浮揚させる、というやり方も大事になってくるかもしれません。

さすがにもう国土開発は大してできませんので。

もちろん医療費や介護費を増額させるためには増税が必要なわけですが、たとえ増税があってもきちんとその分政府が支出をするならば景気は落ち込みません。

不景気にする一番古典的な方法は、増税して、支出をしないで国の借金を返すことなんです(爆)

そこら辺が悩ましいところで、今日本人は「政府が借金を返さないから景気が良くならない」という誤った認識にとらわれているので、政府に不況政策を求めるという変な話になっています。

総合的な見地からは私は小泉・安倍政権を支持していますが、今の政府があまりに財政再建にこだわりすぎると余りいいことはありません。

景気と年金の話を絡めちゃダメ!なんて言ってませんよ。だけど理想郷の話ばかりされても困るけどね。
長期的になればなるほど、予想外に不景気な時代もあって、年金制度を見直す可能性もあるわけです。
30年は大丈夫なんて易々断言できるわけがない。
仮に現状では適切な制度でも30年後にはNGになっているものはあるんですよ。
年金制度は例外なんて誰が言えるんですか?理想と現実の区別がついてないと思います。

文教費、公共事業費、地方自治体交付金、公務員の給与・・・小泉政権はほとんどの経費を削りましたが、社会保障費だけは増え続けました。

といっても、医療費とか障碍者への補助は削られましたので、じゃあ社会保障の何が増えたのかというと、国民年金の国庫補助です。小泉政権はこれは削らなかったのです。

高齢者の小泉政権支持率が固かったのはここら辺に理由があるのかもしれません。

小泉政権の歳出削減は、短期的にはあの時期に世界最高のスピードで増えた高齢者に払う年金の捻出という意味がありました。

それが30年見直さない理由なんですか?(爆)
安部さんの大好きな小泉様の路線はずっと継承されるはずだと。
はっきりいって某国民が偉大なお方をマンセーしてるのと、よく似てる。

う〜んこの説明からどうしてそういう結論が出るのか良く理解できないのですが・・・

現在の国の歳出は約80兆円ありまして、そのうち35兆円は借金の返済と地方への交付金に充てられています。ですので、色々なことに使えるのは45兆円程度です。

そのうち社会保険乃ち年金や健康保険向けが15兆円です。45兆円のうち1/3に当たります。国の歳出の中で最大です。社会保険向けの支出は小泉政権の5年間で2兆円弱増えました。そのほとんどは年金への国庫補助です。

一人あたりの年金の額は急激に減らすことはできません。そして高齢者は増え続けますので、この社会保険費は減らすことはほとんど不可能。かといって当時は不況で増税はもってのほかでしたので他の経費を削るしかない。

50兆円から2兆円を捻出するのは大変なことです。小泉政権が行った歳出削減がかなり厳しい物たらざるを得なかったのが分かります。

こちらに平成17年の予算がありますのでご覧下さい。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h17/h160910.htm

国会議員の給料は総額で1,300億円です。国会議員が無給で働いても、年金の国庫補助の前には焼け石に水なんですね。

平成18年国家公務員給与等実態調査によりますと
http://www.jinji.go.jp/kankoku/kokkou/kokkou.htm
国家公務員の平均給与が月額40万円、年俸にすると480万円。これが28万人ですので1.3兆円。国家公務員が全員無給で働いても年金の増加分に足りません。

国会議員や官僚の給料をゴチャゴチャ言ったってたかがしれているんです。憂さ晴らしぐらいの意味しかありません。議員や官僚の給料さえ削れば全てが解決するかのような誤った知識を広めた評論家やマスコミの責任は重い。

厚生労働省が使うお金は20兆円。これは年金、健康保険、失業保険、生活保護つまりほとんどが我々国民のために使われているお金。

次に多いのが国土交通省の6.9兆円。ここが一番削る余地があるので、公共事業費はこの数年でかなり削られました。でもそろそろ削りすぎで道路や堤防に支障が出始めています。

次は防衛費の4.9兆円ですが、日本は国力の割には極端に防衛費が少ないので、これはもう減らすことができません。

 結局国のお金がほとんどが私達自身のために使われていて、どこかを増やそうと思ったら、どこかを減らすしかないわけです。

 それか増税しかありません。

 小泉政権で行われた歳出削減は高齢者への年金に消えました。決して国会議員や官僚の給料とか、変な公共事業に消えたわけではないんですね。

>この説明からどうしてそういう結論が出るのか良く理解できないのですが・・・

1.経済(景気)は絶えず動くことを認識していない
2.30年という年月の長さを理解してない
3.堀江氏と同じ事しても、小泉様べた褒め

これで他の結論は出ませんね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173723/15856545

この記事へのトラックバック一覧です: 年金少年:

« 年金制度改革(二) | トップページ | 年金制度改革(三) »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ