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2007年8月 9日 (木)

「選挙結果の総括と今後の展望(七)」

陰暦 六月廿七日

「抵抗勢力(2)」

 もう一つ安倍政権が支持を減らした理由は「再チャレンジ支援政策」が竜頭蛇尾になってしまったことにあるでしょう。政権発足当時、安倍総理や中川秀直幹 事長は、最低賃金の引き上げ、パートへの厚生年金加入義務付け、働く女性の地位向上などを提案していたのですが、どれもいつの間にか尻すぼみになってしま いました。これによって貧困層は安倍政権から離れました。

 再チャレンジ支援政策を潰したのは、「中小企業に圧力をかける政策を行えば参議院選挙に負ける」という自民党組織系議員の声でした。自民党を支えているのは、中小企業、商店、農家の事業主です。彼等は選挙運動の支援や、近所への働きかけで自民党を支えてきました。

 貧困層の支援とは、つまるところ中小企業で働く人達の給料を上げることに尽きます。

 しかし、自民党員にとってはこれは人件費の拡大を意味しますから到底容認できませんでした。ここで安倍政権は党員からの脅しに屈してしまいました。小泉総理が特定郵便局局長を切り捨てて国民的な支持を集めたように、安倍総理はここで頑迷な中小企業を切り捨てて、国民全体へ支持を呼びかけるべきでした。

 結局それができなかったため、中小企業主にも貧困層にも不信感を植え付ける結果となりました。

 彼等が小泉政権から離れなかったのは、彼等が強く敵視する公務員を小泉政権が攻撃していたのと、構造改革によって景気が良くなれば経営が好転すると信じたからでしょう。

 現在景気は改善しています。しかし、卸売物価がここ20年で最高の伸びを示しているにもかかわらず、消費者物価は低迷したままです。これはつまり製造業が儲かって、小売業が損をしていることを意味します。今一番困っているのは地方都市の商店主ということになります。

 地方といっても、農業で生計を立てている人は最早少数派です。むしろ地方ほど物流で生計を立てている人が多いのが事実です。都会で製造したものを地方で売ることによって地方は回っています。では地方は買うばっかりじゃないかと言うことになりますが、その元手は公務員の給料や公共事業費ということになります。つまり都市からの仕送りです。

 つまり再チャレンジ支援政策と公務員改革は地方都市を自民党の敵に回してしまいました。これが一人区で惨敗をした原因だと私は考えています。おそらく彼等はもう自民党の支持者には戻らないでしょう。民主党の方が既得権益擁護の姿勢を示しているからです。

 自民党は百尺竿頭、都市のサラリーマンに支持を求めるしかないのではないかというのが私の結論です。

 しかし、サラリーマン・・・もっと広げて消費者を重視する政策をすれば、景気が拡大し、結果として中小事業主も潤うはずです。安倍総理と中川幹事長の「上げ潮政策」はこの道筋が示せないままです。経済学的には二人が言っていることは正しいのですが、これを分かり易く伝えないと中小事業主は納得しないでしょう。それよりは民主党のばらまき政策に飛びつきます。たとえこれが短時間しか続かず、あとで心身を蝕む麻薬であったとしても・・・

 

 最後に、国会議員の財布の監視を不必要に厳しくすることの是非を論じてこのシリーズを終わりにします。

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