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2007年8月30日 (木)

北欧神話

陰暦 七月十八日

 一昨日の皆既月蝕はあいにくの天気で残念でした。夏休みの自由研究として当てにしていた全国の子供が涙を呑んだことと思います。

 安倍第二期改造内閣が発足しましたが、色々な人がいいことをいってくれているので私としては特に付け加えることはなし。プロの政治家がしっかり仕事をしてくれて、マスコミが人心を惑わしたりしなければ、アマチュアが口を出す必要などありません。

 「北欧神話物語」(K・クロスリイ・ホランド著 山室静・米原まり子訳)という本を読んでいます。北欧神話は、RPGゲームを始めとするファンタジーの種本として有名でしたのでいつか読んでみたいと思っていました。丁度いい大人向けの全集があったので買った次第です。

 なるほど北欧の神話というのは面白いです。日本やギリシャの神話と同様に人間臭い神様が騒動を起こしてくれます。日本神話よりは、男の子が喜びそうな冒険譚の色合いが強く、ギリシャ神話のようなシニカルさはなくて素朴です。

 神々の首領オーディンと道化役のロキが二大看板です。もう一人ニヨルドというどうやら春と夏の神様らしいのがいて、これはオーディンとロキとは別の系統の神々の雄みたいです。大和の神話と出雲の神話のような関係なのでしょう。

 北欧の神話は鍛冶に強い比重が置かれています。今まで主に日本神話の解説書は多く読んできました。神話や民俗学の解説書というのはなぜか金属の神様に重点を置いていて、農事の神様を余り掘り下げないのですが、その理由がこれでやっと分かりました。神話学が北欧神話の分析からスタートしているからなのでしょう。

 ゲルマン人の故郷のスカンジナビアや中欧の山地は鉱物資源が豊富なことで知られています。欧州はエジプトやメソポタミアの影響を受けて早くから鉱業が発達していました。六千年前には、既にイングランドの錫鉱が交易によってレパントまで運搬されていました。まだ都市も組織的な農業も始まっていなかったスカンジナビアや中欧で、鉱業だけは、日本で言う渡来人(この場合エジプト人やギリシャ人になると思います)の技術導入を受けて進んでいたため、ゲルマン人の祖先達の記憶に強く印象づけられたのかもしれません。

 ところでオーディンは、片眼・大男・槍を武器とするという特徴をもっており、これは日本の天一目神(もしくは天之日矛命)や不動明王と非常に良く似ています。鍛冶の神は不思議なほど世界中で共通した特徴があり、これはあるいは金属加工技術が一カ所で生じて、それが急速に世界に広まったことを意味しているのかもしれません。

 北欧神話、いいえ世界中の神話界最高のトリックスターと言えるロキはギリシャ神話で言うヘルメス、日本神話で言うスクナヒコナに当たるでしょう。彼等の共通点は、小人・変身・鍛冶・奸智・風のように千里をひとっ飛びできる能力などです。医術の神とされることもあります。

 人類の歴史は、遡れば遡るほど共通の部分が増えます。神話は世界最古の哲学であり、我々の概念の核です。相互理解を深めるためには、世界中の人々が自国と海外の神話の理解を深めることが最も確実であるかもしれません。

 そういえば悪さをする宗教というのは不思議と古来からの神話を押し潰そうとします。新興宗教もそうですし、頑なになっている時の一神教徒もそうですね。

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