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2007年9月 9日 (日)

ケルト神話

陰暦 七月廿八日

 「プリキュア5」は面白いことは面白いですが、何だか普通のアニメになってしまったのでもう毎回のようにレビューを書くのは止めにします。一言だけ感想 を言うと、先生と女子中学生が本気で恋をしているんですが、これでいいんでしょうか!?(^^;私はこういうのは好きだから一向に構わないのですが、「プ リキュア5」の二年目があるかどうか心配でなりません。

 最近神話を読むことが流行っているようで、八王子の本屋にも世界中の神話の本が沢山並んでいます。この前は北欧神話の話をしました。 あの後三人目のヒーロー"トール"が登場しました。トールはオーディンの息子であり、正義感は強いのですが、喧嘩っ早く、人情に脆い英雄です。雷神であ り、日本神話で言うと素戔嗚尊とよく似た性格を持っています。

 トールは二人の人間の兄妹を従者としており、オーディンやロキと比べてだいぶ人間に近づいています。あとになってから生まれた神様な のかもしれません。トールは神々と敵対する巨人の成敗のため四方八方に派遣されます。これまたヘラクレスや素戔嗚尊や大国主命に似ています。

 ここら辺になってくると、家長に留まらない、数十人から数百人の部族を束ねる指導者との理想像がそろそろ神様に付与されてきます。最 終的に神々は突如陰湿さを増したロキの策略によって最終戦争に突入してしまうのですが、これはどうやら後世になってから詩人が書き足した挿話であるらしい です。

 続いて「ケルトの神話・伝説」フランク・ディレニー著、鶴岡真弓訳、創元社を読みました。

 第一印象は、とにかく酒が出てくる、こんなに酒まみれの神話は初めて見ました、さすがは"sober as Irish"※です(笑)

 ケルトの神話はゲルマン神話と比べて洒脱さがあり、どこかおかしみを誘います。ゲルマン神話が敵をぶち殺して終わることが多いのに対し て、ケルト神話では敵はへこまされて面目を失うけれども、命を取られることは少ないです。まあ雑魚キャラは死にまくるのですが。ここら辺、ケルト人のおお らかさが現れていると言えそうです。

 大変に驚いたのは、アイルランドには「國譲り神話」があって、最初にアイルランドを切り開いた魔法使いの部族(ダヌ族)は、ケルト人 がやってきた時、小競り合いはあったものの、最後には話し合いがもたれて、ケルト人は地上を、ダヌ族は地底をそれぞれ領土とする取り決めがなされ、平和の 内にダヌ族は地底に去っていったとされているのです。國譲り神話も、日本に固有のものではなく、世界的に分布しているのでしょう。出雲と大和の戦いと服属 に留まらない、もっと普遍的な意味があるのだと思います。

 他にも浦島太郎(龍宮城のかわりに出てくる西方の常若の国の描写はどう考えてもアメリカ大陸としか思えない)や桃太郎もいます。神話の普遍性には大いに驚かされます。

  ※アイルランド人は無類の酒好きで有名。soberとは"しらふ"のことだか、これは英国人お得意の皮肉である。

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コメント

ケルト神話にも国譲りがあるのですね。

日本神話にしか見当たらないと信じている人が多い「国譲り」ですが、人類の根源的な「神話」の一つのパターンのようですね。

国を譲ると思うから大変なことのように聞こえますが「領域」の決定だと思えば普通にある神話なのでしょうね。

神話には必ず哲学的な意味がありますので、目に見える世界の外には我々が決して知ることができない世界があるのだ、みたいな意味も國譲り神話にはあるのではなかろうかと私は考えています。

死後の国ともまた違うと思うんですよね。死んだ後の世界を「死後の世界」と現実の人間が規定した時点で、それは「目に見える世界」になってしまうのではなかろうかと。

大国主命が幽れた世界というのは、形にできないもの全てだと思うのです。

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