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2007年10月 9日 (火)

イラク、パキスタン、北朝鮮

陰暦 八月廿九日 【寒露】【高良大社例祭】

 イラク、パキスタン、北朝鮮の三国を並べたのは米国によって似たような役割を果たすよう求められてきたからです。

 地域の中で一流半の国に肩入れして、ライバルを叩かせる。その国が勝ったら、今度は別の国に肩入れする。3位を助けて2位を叩かせることによって自分は常に主導権を握り続ける。これは勢力均衡政策の鉄則です。大英帝国のお家芸でした。米国は英国からこれを学びました。

 始め英国はオーストリアやオランダを助けてフランスを叩かせ、次にオーストリアが強力になると、プロイセンを育ててフランスとオーストリアを牽制させました。ドイツが欧州心臓部を制覇すると、昔日の面影をなくしていた往年の敵フランスを助けました。常に大陸が一致団結することを妨げたのです。

 イラクとパキスタンも同様で、インド、イラン、サウジアラビアの三大強国の内いずれかが西域の覇者となることを妨げる意味がありました。イラクもパキスタンも、英米の援助によって強国たり得ていましたので、援助を引き上げればあっという間に瓦解します。自分の立場を忘れたフセインは滅ぼされ、パキスタンは苦労して作ったタリバンを自らの手で潰すことを余儀なくされました。

 このやり方は悪い面ばかりではありません。不安定な地域の紛争をコントロールする効果があります。地域のトリックスタートも言える一流半の国に、時には善玉、時には悪玉を演じさせることによって、紛争が破滅的になることを防ぐことができるのです。

 どうも北朝鮮は東亜におけるトリックスターの役割を米国から任じられたように私には思えます。今後米国は日本や支那の世論の動向を見て、時には北朝鮮を叩き、時には助けて、この地域の主導権を握るために活用するでしょう。

 米朝は直接には同盟を結ばないと思います。そうすると中共との対立が抜き差しならなくなるからです。北朝鮮はロシアと同盟を結ぶでしょう。八百長的な勢力争いで互いの権益を拡大し合うのは米露のお家芸です。

 かといって「アメリカはけしからん」とは私は言いません。トリックスターは危険な役割です。北朝鮮を憎まれ役にすることで、日支は直接対決を避けることができます。要は米国が新しく手に入れた玩具(北朝鮮)を使って、ちょっかいを日本に出したりしないように、隙を見せぬようにすることではないかと思います。

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