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2007年11月18日 (日)

魔法の計算式、それは624÷6=104

陰暦 十月九日

 ゴトゴトゴトと音を立てて無常にも列車は私の前を通り過ぎていった。次の上り列車までは一時間十分、仕方がないので駅前の食料品店でカップラーメンを買って昼食にすることにした。

 入ったのは田舎によくある何でも売っている雑貨屋、お店のおばさんにお湯を分けてもらえないかと尋ねると、時間があるのだったら上がっておこたに当たり ながら食べるといいと勧めてくれた。今回の旅は曇りだったので写真は冴えなかったが、不思議と色々な人から話しかけられる。つい先ほども撮影場所で同好の 士と世間話をしてきたところだった。

 お言葉に甘えて炬燵に当たりながらカップラーメンを食べる。おばさんは孫の七五三の写真を見せてくれた。桐生まで行って撮影してきたそうだ、とてもきれいに撮れているのでとにかく人に見せたくてたまらないらしい。なるほど実際良く撮れている、こっちがカメラを首から提げていたのでそれで上がれと言ってくれたのかもしれない。これは良い写真だ、撮った写真屋は腕がいいに違いないと褒めたら大いに喜び、次から次へと話を聞かせてくれた。

 その中で国の財政は破綻している、年金は帰ってこないという話が出てきた。こんなところで見ず知らずの人にそういう話を向けてくるとは思いもしなかったのでとても驚く。財政や福祉は日本中でホットな話題となっているのだと言うことを実感した。このこと自体は悪いことではない。けれども雑貨屋のおばさんに年金財政の話をしても仕方がないと思って適当に話を合わせていたら、電卓を持ち出して、今まで国民年金をこれだけ払っているのに六万円しかもらえないなんておかしい、詐欺だと計算をし始めた。

 「一万三千円を、年に十二回、それを二十、三十、四十、五十(指を折りながら)で四十年間払い続けるから、624万円。それなのに六万円しかもらえないんだよ!」

 なるほど一般人の認識では今まで600万円払ったというところで思考が停止しているのか!軽い衝撃を受けた。ここから始めないといけないとは!けれども野党どころか与党の政治家も、考えてみればこのおばさんと似たり寄ったり、マスコミも政府を困らせるためにやっていると言うよりは本気で年金が破綻していると思いこんで報道しているフシがある。誰もこのおばさんを莫迦にすることはできない。

 「624万円を6万で割ってください」

 「104だね」

 「104回というと8年分ですね、ということは8年以上受け取れば元を取ることができます。七十歳以上まで生きれば元は取れますよ。」

 これを聞いた瞬間、おばさんがきょとんとした顔をして、次の瞬間ぱあっと顔が明るくなった。年金に対する誤解が解けた瞬間だ。人間払ったことは何時までも覚えているけれど、貰ったものはすぐ忘れる。大多数の人は600万円という数字の前に思考停止してしまい、それを6で割るところまでたどり着かない。確かに600万円も貯金しようとしたら大変ですからね、でも月6万円でも8年もらい続ければ600万円を超えるのです、積み重ねというのは恐ろしい。

 厚生労働省は今すぐに新聞とテレビで「624÷6=104」だから今まで払ってきた年金は返ってきます、というキャンペーンを張るべきだと思った。

 他にも税金の話もしたのだが、「サラリーマンは給料の四分の一を税金として持って行かれますよ」、というとこれまた驚いていた。自営業の人はどうやらここのところが分かっていないらしい。この前話をしたお菓子屋さんをしている友人も同じようにこれには軽く驚いてた。

 つまり自営業や農家の人は、サラリーマンや公務員が自分たちと同じくらいしか税金を払っていないのに、都会に住んでいるという"特権?"でもって過大な年金をもらっていると思い込んでいるらしい。そりゃ違います、サラリーマンは最低四分の一、中年になれば三分の一近くお上に税金として持って行かれるのです(^^;だからその分手厚い年金や医療を受けられるのです。自営業や農家もサラリーマン並みの福祉を受けようとしたら、サラリーマン並みに税金を払わないといけません。しかし、話には聞いていても、実際にサラリーマンと膝をつき合わせて話を聞かないとこれが実感できないと言うことがようやく分かりました。

 「624÷6=104」という計算だけで政府への不信を消し去ることができるとは思いもよりませんでしたが、案外こういうものなのかもしれません。やはり悩んでいる人の懐まで飛び込んで、彼等の言葉で説得をしないと駄目だと言うことがよく分かりました。しかし、理解してもらうことも可能だと言うこともわかりました。与党の皆さん、官僚の皆さん、それに経済学の先生、この計算はものすごい説得力を持っています、明日から使ってください。

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