« 山田洋行を擁護してみる | トップページ | 悪魔払いの経済学(二)・・・ハイパーインフレ »

2007年12月16日 (日)

悪魔払いの経済学(一)・・・日本人はマクスウェルの悪魔に取り憑かれている

陰暦 十一月七日

 仕事上の必要に駆られて専門ではない経済学をつまみ食いしているうちに、マクロ経済学というのはどうやら熱力学を経済に翻案したものであるらしいことに気がつきました。ちなみにミクロ経済学は自然科学の翻案ではなくて動物行動学そのままだと思います。

 専門ではないし、仕事の役に立てばいいので、あまり学問的な厳密性には気を取られないで好き勝手に書き散らします。似非科学になるかもしれないので、このシリーズをあまり真に受けないで下さい。

 経済を熱力学の用語で語る時には、インフレ率を温度上昇で記述することが多いようです。しかしそれでは経済が一方的に温度上昇することになって現実的ではない。

 インフレというのは、中央銀行が発行した貨幣が銀行から企業へ、そして個人へと拡散している状態のことを表しますので、むしろインフレ率をエントロピーの変化率で記述した方がしっくり来るのではないかと思いつきました。

 最初に定義を作った人の失敗で物事が分かりにくくなったのが世の中には三つありまして、
(一)電極のプラスとマイナス
(二)低気圧と高気圧
(三)インフレとデフレ
この三つは仕方がないこととはいえ最初に定義を作った人が失敗したせいで学説が直感的に分かりにくくなった最たる例です。

 電極の場合、、ファラデーが電子が引っ込む方をプラスにしてしまったため、今でも世界中の子供が頭を抱えています。その当時は電子という概念がなかったので仕方がないのですが。

 低気圧と高気圧は正確に言うと収束気圧と発散気圧と記述するべきです。低い高いを使うと、何となく温度を連想してしまいます。けれども実際は低気圧の方が熱くて高気圧の方が冷たいんですよね。

 経済のインフレとデフレもそうです。インフレとは膨張と言うよりは拡散(もしくは撹拌)であり、デフレは収束でしょう。もちろん膨張は拡散を伴いますが、外形が変化せずに拡散することもあります。インフレを膨張と記述することによって経済学は自らに足枷をはめているように私には見えます(違うかもしれませんが)。

 それに銅銭の劣化によるインフレは、物価では説明ができませんが、インフレをエントロピーの上昇であるとすれば、説明ができます。酸化はいうまでもなくエントロピーの上昇であるからです。

 エントロピーというのは増減しか量ることができません。このあたり、経済の動きが増減でしか量ることができないのと似ています。総資本というのは人間の定義のやりようでいくらでも変更ができるものです。それにいくら名目資本があろうとも、それが流れていなければ経済活動とは言えません。元々が変化を静的に記述するために導入されたエントロピーで貨幣の流動状態を記述するのはあながち外れていないような気がします。

 じゃあGDPは内部エネルギーなのかそれとも自由エネルギーなのか、温度はなんなんだという疑問がわきますが、これはまだ考え中なので、インフレ率をエントロピーの増加率とするとバブル崩壊とデフレ不況はどう説明されるかを書いてみましょう。

 バブルというのは、熱量の増加をほとんど温度上昇だけで賄っていた状態といえると思います。バブルといっても日本の場合インフレ率は高度経済成長期よりも低かったはずですので、dS=dQ/Tというエントロピーの定義からすると、熱量は増加したけれど温度が高いのでエントロピーはあまり増加しないというふうに説明できると思う。全体的な分子の速度上昇が発生せず、少数の分子だけが加速されている状態なので、やがて定常状態に戻れば冷却して急激に圧力は下がる。これがバブル崩壊ではないか。

 んじゃ慢性的なデフレは何かというと、系全体のエントロピーの減少であるのでマクスウェルの悪魔が働いている状態ということになる(笑)日本のデフレは企業がせっせと借金を返すことによって発生していました。借金の返済は空気中にせっかく発散した分子(貨幣)をせっせと捕まえては箱の中に閉じこめる行為ですので、世の中のエントロピーは減少します。

 自然界ではエントロピーが減少することはありませんが、そこはそれ、経済は人間の活動ですので、国民の大多数が「(首をくくってでも)借金は返すべきだ」と思い込めば国内のエントロピーが減ることもあるのではないでしょうか。

 慢性的なデフレは経済学にとって厄介な現象らしいですが、それもその筈、マクスウェルの悪魔が起こす現象ですので熱力学が通用しなくなって当たり前です。

 マクスウェルの悪魔を止めるには、日本人の頭をぶん殴って悪魔を追い出して正気に戻さなければなりません。現在の好景気は、悪魔が箱に分子を閉じこめる速度よりも、外部の吸い込み(輸出)が勝っているために系全体のエントロピーが減らずに済んでいるだけで、吸い込みが鈍れば悪魔が勝ちます。

 企業の借金返済悪魔はようやく弱まってきましたが、国家の借金返済悪魔はまだ最後のあがきを続けています。

« 山田洋行を擁護してみる | トップページ | 悪魔払いの経済学(二)・・・ハイパーインフレ »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
「マクロ経済学=熱力学」というのは、納得できる解りやすい見方ですね
少なくとも個人的にはそう思います。
経済の専門家がどう思うかはわからないですけど。

ところで、個人的に「マックスウェルの悪魔」に関連するおもしろい記事を収集しています。
* マックスウェルの悪魔関連作品
http://brownian.motion.ne.jp/etc/related.html
勝手ながら、こちらのページにリンクを張らせていただきました。
何か問題あれば、ご指摘ください。

なかなかさん、お褒め下さり、ありがとうございます。

でも私の主張はただの散文ですので、丸々信じないでくださいね、参考意見と言うことで(^^;

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173723/17381091

この記事へのトラックバック一覧です: 悪魔払いの経済学(一)・・・日本人はマクスウェルの悪魔に取り憑かれている:

« 山田洋行を擁護してみる | トップページ | 悪魔払いの経済学(二)・・・ハイパーインフレ »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ