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2008年1月28日 (月)

政党政治の教材

陰暦 十二月廿一日

 「小沢さんを大切にしよう」とは、小泉元総理が九十年代になした発言らしいのですが、私も小泉元総理が言いたかったこととは別の意味で小沢氏のことを見直しています。

 参議院選挙に勝利して以降の小沢民主党代表は、ものすごく意固地なことばかりしています。その一番の理由は、彼個人の性格に生じているとは思うものの、彼の意固地な行動は日本人に政党政治とはどういうものかを教える絶好な教材となっています。

 例えば大連立ですが、これもちょっと考えれば、党内で総スカンを食うこと分かっているのに、正面から話を持ち込んだの彼のやり方は、非常に不器用で、わざと話を潰したとしか言いようがない。

 小沢氏があそこで大連立に乗ろうとした理由は色々とあるのでしょうが、小沢氏の行動を追っていくと、蓄財のことはよく分からないのですけれども、彼は本業の政治については必ず目に見える公明正大な手段を取って物事を進めています。それに周りが反対するなら俺を責任者から降ろせ、賛成するなら付いてこい、これが彼の一貫したスタンスです。

 何度も言うように、小沢氏が利口であれば、福田総理と直接に会ったりしないで、裏で誰かを通して手を結び、政府には自分の政策を実現してもらうように渡りをつけて、表では政府と戦う闘士を演じていれば良かったのでした。それでも自民党にとっては大助かりなので話に乗ってきたでしょう。

 小沢氏の不器用な行動によって、日本人は、政党が公約を守ると言うことはどういうことなのかを現在進行形で勉強しています。その公約なるものが良いものか悪いものかは彼にとっては関係ないのでしょう。政党の党首は、支持者と約束をする、そしてその約束を実現するために、法律で認められたあらゆる手法を取る。それによって国政が停滞しても、それは与党の責任。身勝手と言えば勝手ですが、これは支持者を最大限に尊重したやり方です。

 裏で与党と話を進めて、支持者との約束を変質させることの方が形式論的には、支持者を軽視したやり方だというわけです。

 まあ、裏で与党と手を握れば、民主党の政策を、自らは政府と戦う闘士という称号を得たままで実現することは可能なのでしょうが、そう言うことは小沢氏はこれまでは決してやってきませんでした。政党政治とはどういうものか日本人に教える、この点では彼の行動は一貫しています。

 支持者に利益を与えることよりも、支持者を教育することの方に血道を上げている非常に変則的な政治家ではありますが、日本人に政党政治のあるべき姿を見せてくれている小沢氏をちょっと見直している私がいます。

 小泉総理は「強い総理大臣」を私達に見せてくれました、
 安倍総理は「強い与党」を私達に見せてくれました。
 小沢氏は「強い野党」を今私達に見せてくれています
 福田氏が見せてくれるのは「負けない総理大臣」でしょう。

 我々は希有な経験をしているのです。この十年間の政治は、今後百年の日本政治の教材になることは間違いありません。教材といっても決して模範にはなりませんが、日本の政治体制が持てる力を最大限まで発揮した時代として歴史に残るし、多くのことを後世の人間はこの十年から読み取るはずです。このような十年間と、個性溢れる政治家を持つことができた私達は幸せです。

 おそらく小沢氏が倒れれば福田政権は簡単に倒れるでしょう、福田氏は防御でしか自分を表現できないタイプの政治家だからです。小沢氏も、総理になったら弱くなると思います。なぜなら人間としての弱さをこの半年間内外に曝してしまったからです。民主党が分裂含みの野党であるからこそ小沢氏は党内で強権を発動できるのであって、小沢代表のままで政権を手にすれば、民主党内部の示しが効かなくなって四分五裂するでしょう。

 私としては「強い野党」と「負けない総理大臣」の次に「強い国民」と「強い国会」が見たいと思っています。

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