« レモン酒を漬けました | トップページ | 「しゅごキャラ!」第十六話 »

2008年1月26日 (土)

 世界同時株安の裏側で(四改)

 株安の理由として、捩れ国会による日本政治の停滞を持ち出す人を見ますけれども、これはあまり当たっていないのではなかろうかと私は考えています。日本 国内で日本株を投げ売りした人達の心理はそうだったのかもしれませんが、外国人投資家は必ずしも日本政治に絶望してはいないのではないか、というのが私の推測で す。

 平成十七年の郵政解散で小泉総理の(日本的基準で)強権を発動した解散を外国の報道は好意的に伝えています。欧米の人間は実は、ルールで決められた範囲内で、強手を打つこととについては好意的な見解を持っています。逆に、ルールに外れたことは、どんな些細なことでも軽蔑します。

 ですので、彼等にとっては、参議院で多数をえた民主党がぎりぎりまで政府を焦らして党派の利益を図ろうとすることも、政府与党が伝家の宝刀衆議院再可決を使うことも、至極当然な成り行きであるのです。むしろ、福田総理と小沢代表が、どこかで秘密の会談をして、話が付くことの方を嫌がるでしょう。

 民主党はぎりぎりまで法案成立を引き延ばす、自民党は衆議院の多数を使って法律を通す、これが平成二十年の日本の国会のルールであるな、と言うことがわかった以上、海外の人達にとっての捩れ国会は決して分かりにくい場所ではなくなります。もどかしいことには変わらないでしょうけれども。

 彼等が一番心配していたのは、民主党が本気でテロリストを利することを目指しているかどうかでした。テロ特措法成立阻止が、テロリストのためであるのなら、もっと他にもやれることがありました。給油の手続きをやたらと複雑にするとか、外部の監視者を補給艦に乗り込ませるとか、法律の期間を短くするとか、しかし民主党がやったのは法案成立を引き延ばすことだけでしたので、本気でテロリストを利するつもりはないのだなと言うことは外の人間にも伝わりました。

 このように、日本の政治の不透明さが一番高まっていたのは、福田ー小沢会談が物別れに終わったのに小沢代表が慰留されたあたりで、それ以降は不透明性は減ってきていますので、日本の政治が一月になってからの外国人株主の日本株売りの要因とはみなしがたい。

 先に見たように、株も通貨も全て売られていたこの二週間で、唯一値を上げたのは「円」でした。だとしたら、外国人投資家が日本に対して何かプラス面を見出していないとおかしいと思うのです。

 ではそのプラス面は何かというと、まず日本経済は今までがデフレでひどすぎていて、実力も出せていません。これは実力以上に経済が膨らんでしまった米国や英国それと一部EU諸国と大きく違う点です。あまり自慢できた話でもありませんけれど、日本はバブルの逆でしぼみすぎていますので、まともになるだけで経済成長します。これが一つ。

 次に、日本社会が抱えている問題が割合軽いものだけであるのもあげられます。日本社会が抱えている問題というと、増加する高齢者に払う年金や、崩壊した医療の立て直し、地方経済の再建でしょうけれども、これは国民の負担率を上げれば解決します。

 日本の国民負担率は先進国では低い部類に位置しますので、国民の合意さえ得られれば、上げることは可能です。合意ができても、上げる余地がないほど負担率が高い国なんかはいくつもあるわけです。英仏や北欧などは、既に負担が高いのに、今後日本並みに高齢化するのですから、これから年金の切り下げとか医療の水準を下げることが必要となってくるでしょう。それが大変なことであるのが分かっているから、フランスなんかでは暴動が発生しているわけです。

 あるいは、米国のように自助努力を重んじる社会にする、弱者には我慢してもらう、そういう合意ができあがれば、それはそれで立派な解決です。

 どちらにしても、今日本社会が抱えている問題は、日本人の決断次第で解決する問題です。百メートルを八秒で走れと言われても無理ですが、百キロメートルを歩くのは可能です。日本社会が求められているのは、百メートルを八秒で走ることではなくて、百キロメートルを歩く第一歩を踏み出すことでして、解決可能な問題です。これは物が見える人からすれば、日本人は幸福だなと目に映るでしょう。

 米国、英国、EUが不況に入りそうで、支那はここしばらくほどの高成長は難しい、インドもインフラの未整備がネックになって成長が一休みする、となるとプラスになりそうなのは日本しか見あたりません。それもあっての円買いでしょう。株の方も、平成十九年度の企業業績が発表されれば回復するのではないでしょうか。

 いよいよ欧米が景気後退期に入り、日本が内需主導の好景気になると、金利が上がって日本の銀行から金を借りていた海外投資家は困るわけですが、ここは日本の政財界の人間がなんらかのモラトリアムに類する宣言をして海外に恩を売っておくのが良いでしょうし、多分そうなるのではないかと思います。

 そうこう言っているうちに、民主党が本命武藤副総裁の日銀総裁就任を認める方向だという報道が出ました。武藤氏は必ずしも金融緩和には好意的ではない人物らしいですが、海外の人間が嫌うのは"不透明"であることです、予定が立たないのが一番嫌なんですね。人が決まればそれなりに交渉をしかけてくるでしょう。

 民主党の強硬姿勢はポーズだと言うことが露呈すればするほど、日本を始めとして世界が好転します。私は最近小沢一郎という政治家を見直しています。それについては項を改めて書きます。

« レモン酒を漬けました | トップページ | 「しゅごキャラ!」第十六話 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173723/17850317

この記事へのトラックバック一覧です:  世界同時株安の裏側で(四改):

« レモン酒を漬けました | トップページ | 「しゅごキャラ!」第十六話 »

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ