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2008年1月23日 (水)

世界同時株安の裏側で(二)

陰暦 十二月十六日

 外貨準備に占める各通貨の割合は、その通貨の強さを表すと言われていますが、この強さというのが曲者でして、確かにみんなが使っているという意味では" 強い"のでしょうが、外人への支払いに自国通貨を多く使っていると言うことですので、払っている側には資産がないことの裏返しでもあります。

 どういうことかというと、米ドルが一番多いのはかつては兎も角ここ三十年は、米国が外国から物を買う時に払うものがドルしかなかったからであり、外貨準備が外国の中央銀行に貯まるというのは、対外債務が積み上がっているのとほとんど同じなわけです。

 ですので、純債権国である我が国の通貨が世界経済で不足するのはある意味当然といえます。

 これと似た状況がかつてありました。1920年代の米国です。第一次世界大戦の結果、欧州諸国は軒並み債務国に転落し、米国が世界経済の胴元になりまし た。欧州諸国は米国に借金を返すドルに不足し、米国から金を借りて、米国に金を返すという、多重債務者のような状況にはまりました。この世界経済の仕組み は、第二次世界大戦の時期を除いて、米国が恒常的な赤字をながすようになる1970年代まで続きました。米国が債務国になって初めて、日本や西欧はドル不 足から解消されました。

 日本の金利が低い間は、海外の金融機関は日本からまた金を借りて返せば良かったのですが、つい先週の閣議でGDPの名実逆転が平成二十年には解消しそう なことが明らかにされましたし、去年の十一月には消費者物価は上昇、この春には業績が好調な企業では大幅な賃上げを経営者自身が示唆するなど、いよいよ日 本のデフレが終了しそうな形勢が濃くなって参りました。

 これにより、日本の金利が上昇します。といっても世界と比べればまだ屁のようなものなので、これが普通だったら特に問題も生じなかったのでしょうが、生 憎世界はサブプライムローンで景気後退期のとば口にさしかかっていましたので、すわ一大事ということで世界中の金融機関が円の確保に走ったのが円独歩高の 原因ではないでしょうか。

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