中東大繁栄(上)
陰暦 十一月廿七日
去年の6月8日と9日に掲載した「2007年の外交革命」が表面化し始めました。イランの宗教指導者が米国との関係改善を容認する姿勢を表明しました。イラク情勢は沈静化しつつあります。
去年の6月の予想からは離れた変化も発生しています。トルコとイラクのクルド人自治区が全面戦争に突入することが必至の情勢です。米国の調停は不調に終わったとみられます。
アフガニスタン情勢は最悪の状態にあり、ついに先月はアフガニスタン駐留連合軍の死者がイラク駐留連合軍の死者を越えました。日本の野党はイラクに援助部隊を送る法案を立てた方が良いかもしれません。
米国とイランの同盟は去年から推測できたことですが、ここに来て表面化したのは、ロシアでプーチン体制の継続が明白になったからでしょう。強いロシアが続く限り、イランは米国の援助を仰いでロシアの圧力をかわすしかありません。来年以降は米国の政権が変わるかもしれないので、出方が分かっているブッシュ政権のうちに同盟関係を強固にして、民主党政権が誕生しても後戻りしないところまで進めておきたいとイランが判断したと推測されます。
イスラエル政界は混乱状態にあります。政党乱立で選挙が厳しいイスラエルでは、国会議員は任期の後半は選挙運動しか頭にないそうです。前回の選挙で右派が敗北したため、次回は右派が復活する可能性があり、イスラエルはパレスチナとの和平を進展させることができません。オルメルト政権にできることは現状維持だけ(これとて中東では至難の業ですが)。イスラエル外交は今後二年はレームダック化するでしょう。
さて問題はクルド人とアフガニスタンです。トルコ、アルメニア、グルジア、アゼルバイジャンの関係改善が進んでおり、域内の自由な相互通行が可能になりそうです。これまでは、トルコーアルメニアの国境が封鎖されていました。南カフカスの経済統合が一気に進む可能性があります。
南カフカスは、北カフカスとクルド人居住区という不安定地域に挟まれています。この二地域が安定すれば、ロシアは黒海とスエズ運河を通ることなくインド洋に進出することが可能になります。インドや中国へ中央アジアの天然資源を売りやすくなります。
トルコとしても、イラン、パキスタン、インドは工業製品の消費地として魅力的です。クルド人居住区の安定化は、ロシア、トルコ、イランの三国にとって欠かせないことになりました。
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