商品が作れないなら価格を上げればいいじゃないか
陰暦 十二月十日
大日本製紙が、新しい紙(バージンパルプではないらしいが)を混ぜた紙を「再生紙100%」と偽って販売したことで怒られているらしい。材料を偽ったことは悪いことであるが、このニュースには合理的に考えるとおかしなところがある。
新しい紙を混ぜてまで作ったと言うことは、その「再生紙100%」の紙は需要があったということになる。本来なら、商品が稀少で、需要があるのだから、その商品は価格が上昇しないとおかしい。価格が上昇すれば、需要が減るだろうから、大日本製紙は新しい紙を混ぜてまで、再生紙100%の紙を生産する必要はなくなるはずだ。
商品の価格が上がることは、儲けにつながるから、企業としては喜ぶべきことである。それなのに、価格を上げずに、(おそらく)再生紙よりも高いはずの新しい紙を使ってまでその商品を作ったのは非合理的である。株主代表訴訟で背任を訴えれば勝てるのではないだろうか。
大日本製紙がこのような非合理的な行動を取った理由として、以下の想定が考えられよう。
(1)作れもしないほど大量に商品を受注してしまった
(2)実は故紙の方がバージンパルプよりも高い
(3)価格を上げたら、別の会社が作っている"再生紙100%"コピー用紙に負けてしまう
多分全部当たっていると思う。
吉兆にしても、赤福にしても、希少価値のある商品を扱っているのだったら価格を上げれば良かったのだと思う。生産能力を超える物は作れないのだから、きちんと顧客からそれ相応の金を取るか、作れない物なら最初から注文を取りすぎないようにするべきだろう。
逆説的だけれど、価値あるものを安い値段で売ることによって、最終的にはモラルハザードが発生してしまうのではないだろうか、そんな思いが強くなってきた。高いものを安く売ることは善行ではなくて悪行なのだ。
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