世界同時株安の裏側で(一)
陰暦 十二月十五日
どうやら世界同時株安だそうで、いくらサブプライムローンの内実が予想よりひどく、米国の景気が後退しそうだからといったとて、米国から発した証券の全 てがサブプライムローンというわけでもないでしょうし、貿易に占める米国の比率は新興国の発展により低下していますので、明日にも大恐慌が来るかのように 騒ぐ必要はないと思うのに、みなさまご苦労様です。
おそらく証拠金取引を行っている人達が、損失の下限を割ったので自動的に売らざるをえない状況に陥っているのと、せっかちな支那人とインド人の投資家がが付和雷同して売りまくっているのでしょう。
私自身は株を持っていませんし、所属している会社は製造業なので、今のところ高見の見物です。ただし新興国で、信用収縮が発生して製品が売れなくなったり、掛け売りの回収が滞ったりしたら困るなと思っています。
世界同時株安の裏でもう一つ人知れずある現象が発生しています。円の独歩高です。米ドルはこの一ヶ月で7円下落、ユーロは14円下落、英ポンドは20円下落、カナダドルは14円下落、豪ドルは9円下落、韓国ウォンは0.1円下落、シンガポールドルは6円下落と、先進国の通貨は軒並み円に対して10%下落しています。
これは去年の夏から続いている現象で、この半年間で円は先進各国の通貨に対して20%高くなりました。ジリジリと上げていた円が、年明けからピッチを上げて上がっています。
二年くらい前から「円は安すぎる」と言われてきました。購買力平価で言うと平成十七年頃に円の価値は昭和六十年(1985)に並んだとされ、その後も円安が続きましたので、円は対外価値はプラザ合意以前の安さになっていました。
理由は色々ありますけれど、私には説明する能力がないので結果論を言いますと、
(1)円が安くなったことによって、日本製品は競争力を回復た。
(2)超低金利が十年間続いたため、海外の投資家が日本の金融機関から借りたお金を元手にして投資をする"円キャリートレード"が広がった。
このことによって生じた特異な現象として、
(3)日本の貿易黒字は過去最高を更新し続けたにもかかわらず、円の外貨準備に占める割合は2%にまで低下した
(4)世界の対外純資産に占める日本の割合が20%で世界最高になった
つまり日本は世界で一番金を貸しているのに、世界経済で円が流通していないというヘンテコな状況となりました。ここから容易に予測できるのは、円キャリートレードの巻き戻しが始まると円が不足して円高になるということです。
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