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2008年1月24日 (木)

世界同時株安の裏側で(三)

陰暦 十二月十七日

 日本人の福利厚生のためにはマイルドなインフレが必要ですが、世界経済のためには日本はデフレを続けてくれた方がいい、大変に悩ましい状況です。

 この二律背反は今後十年は続くのではないかと思います。今回の株安によって、外国人投資家は多く日本株を手放し、日本人は自国企業の株式を取り戻すこと に成功しました(意図はしていなかったでしょう)。その上に人間万事塞翁が馬で、不況でぐずぐずしていたお陰で日本はサブプライムローンは買わずに済みましたので、 対外資産は比較的優良なものばかりです。

 これでは世界中から恨まれることは請け合い。今はまだ日本の銀行に素直に金を返してくれている彼等も、いずれ色々理由をつけて踏み倒そうとし始 めるはずです。日本人は全く無自覚ですが、外から見れば今の日本はものすごく因業な金貸しにしか見えません(嗚呼迷惑な)。

 世界から恨まれるのを避けるためには、円を世界にばらまいて、外国人投資家を安心させるしかないでしょう。参考になるのはドーズ案です。

 ドーズ案は、ベルサイユ条約で過酷な賠償金支払いを強いられたドイツの経済が破綻したせいで、英仏の経済も破綻に瀕してしまったのを解決するために、賠 償金の支払いを長期の支払いに繰り延べし、米国がドイツに投資して、ドイツが経済を復興させて、経済成長分で少しづつ英仏に賠償金を支払い、英仏はドイツ からもらったお金で対米債務を返済するよう取り決めたものです。米国で大恐慌が発生するまでうまく働きました。

 今回も似たようにして、
(A)海外金融機関の日本向け債務を欧米政府が保証した上で低利の証券にし、
(B)欧米の政府から日本に返済するようにする、
(C)日本の金融機関に生じる損失は日本政府が補填する、
(D)補填の資金は(B)を当てる
という風な仕組みが良いのではないでしょうか。

 これでもまだ円不足は解消しませんので、いずれ各国に円建て国債を発行してもらい、日本の金融機関が購入することが必要となってくると思います。(A)の証券化に必要な資金を円建て国債で調達することにすればいいのではないでしょうか。

 こうなってくると、日本の税金を使って外国人を助けることになりますので、日本も外国に文字通り権益を持つようになり、海外への様々な関与が必要になっ てきますが、これは時代の趨勢であると私は考えます。円の国際化をしないと、世界が不安定化してもっとひどいことになります。カマトトぶるのももうお仕舞 いと言うことです。

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