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2008年3月18日 (火)

自民と労組系議員の意外な密月

陰暦 二月十一日

 現状の日本の政界について、私は世間一般とは異なった見解を持っています。自公が三分の二を占める衆議院と野党が過半数を占める参議院が真っ向から衝突 して政治が機能停止状態にあるというのが大方の見方であろうと思います。確かにその通りではありますが、違った動きも感じられます。

 それは何かというと、自民党執行部と、民主党の労組系議員の接近です。どのようなところにそれが見られるかというと、昨年の臨時国会において最低賃金法改定と労働契約法改定で与野党が協力したこと、春の賃上げについて福田総理が異例の賃上げ要請を財界に対して行ったことです。福田政権は意外(?)なことに労働関係で実績を積んでいるのです。

 民主党がメディアに政策の説明をする際に出てくるのは輿石東代表代行、直嶋正行政調会長の二人で、それ以外はメディアに出てきても政局の話しかしません。おそらくこの二人以外は政策を持っていないのでしょう。輿石代表代行は教職員組合の議員で、直嶋政調会長は自動車総連の議員です。この二人以外の執行部は世襲議員か市民運動出身者で占められています。出身母胎から見ても、まともに政策を語ることができ、実務をこなすことができるのはこの二人だけでしょう。

 輿石議員は自社さ政権には社民党議員として参加しており、直嶋議員は民社党出身者です。民主党の中でも労組系議員というのは元社会党もしくは民社党出身者が多く、社会党出身者は自社さ政権で自民党と一緒に働いたことがあり、民社党も社会党の反自民一本槍と違い、自民党に時には協力していたのは皆様ご存知の通りです。

 逆説的ですが、ここに民主党の労組系議員と自民党が協力し合う素地があり、福田政権はそれを狙っているのではないかと私は推測しています。政策的に近い旧自由党グループとの協力で失敗したので、政策的には遠いはずの労組系と協力して、左側から民主党を揺さぶろうという作戦でしょう。

 実際、福田政権になってから、サラリーマンにとってはそれほど悪くない政策が続いていて、民主党の労組系は着実に成果を上げていると言えます。それに対して、旧自由党系、市民運動系、松下塾系は頭を押さえられておりフラストレーションがたまっています。

 旧自由党系は代表派閥であるはずなのに権力が振るえないことに不満があり、市民運動系は教科書問題と岩国市長選挙で実質的に敗北し、松下塾系は未だに前原代表失脚の痛手から立ち直っていません。その前原代表と小泉元総理が会談するはずだったのが事前に漏れたために中止になったという報道が最近ありました、自民党が民主党の弱い部分を巧みに突いていることがうかがえます。

 このように民主党は自民党の揺さぶりをうけてかなり動揺しており、最近は石油値下げ隊とかのお得意のパフォーマンスもしぼみがちです。対案を出すと言いつつも一向に国会に法案を出す気配がなく、政策を考え出す組織として機能停止状態にあるように私には見えます。

 そこに日銀人事が来たわけですが、この対応も悩ましい。なぜかというと、民主党の実力者である小沢代表、岡田副代表、鳩山幹事長の三名は国会議員の中でも有数な資産家であり、同僚議員と国民から「庶民の生活のことなんかわからないのではないのか?」という疑惑の目を向けられているからです。

 ここでこの三名が政府に同調する言動を見せれば、党内から「ほれ見たことか、彼等は活動家である前に資産家なのだ、党よりも自分の資産の方が大事なのだ」という声が上がることは想像に難くありません。小沢代表が武藤総裁案とりまとめを途中で投げ出してしまったのはこの危険性に気がついたからでしょう。

 三月になってから菅代表代行の露出が増えていることも気になります。市民運動系は日銀人事を上記三名を吊し上げて、動きを止め、自らの影響力を伸長させるには絶好の機会と捉えているはずであり、音頭をとっているのが菅代表代行なのでしょう。

 このように、小沢、鳩山のコンビは労組系と自民党が水面下で結託しているのではないかという不安と、市民運動系からの突き上げに悩まされて全く身動きがとれない状況にあるのです。

 第一の山場は明日の本会議でどれだけ造反を出さずに済むかでしょう。13日の会議ではのべ五名の造反を出しましたが、今のところ不問にされています。しかもこの造反はよりにもよって自由党系から出ています。代表が自らの部下の処罰をためらっているわけで、これでは組織は腐ってしまいます。

 おそらく今後も政府は民主党を揺さぶるために、労組系とは協力し、市民運動系を煽る手を次々と打ってくるはずで、民主党にとって厳しい状況が続くでしょう。一番迷惑なのは国民で、二番目に気の毒なのが去年当選した参議院議員達。一年目から会議を欠席するのが仕事では人間腐ってしまいます。まことに同情を禁じ得ません。

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