貴重な問題提起
陰暦 五月四日
「金色のガシュッベル」の作者の雷句誠先生が小学館を提訴と聞いて大変驚く。先生のブログを読むに、それまで小学館側に不誠実な対応が続いていて、よほど腹に据えかねていた模様。
私は漫画界の楽屋の事情は知らないが、漫画家と編集者の間で敵対的な空気が張っているというのは漫画にとって大変な不幸であると思う。ようやく漫画は 日本が世界に誇ることができる文化という認識が社会に広がってきた矢先に漫画界でこのような問題があらわになるのは悲しい。
ブログを読む感じでは雷句先生も少し一般よりは感情的になりがちな傾向がありそうにも思えるが、ブログの内容が半分でも真実であったとすれば、やはりこれは出版社は事業体として正常な状態にないといわざるを得ない。
雷句先生の問題提起がきっかけになって、漫画界が正常化されることを願ってやまない。私はここ数年の漫画界は深刻な停滞に陥っていると思っているのであるが、その背景には漫画家と編集者の連携不足があのかもしれない。
ビジネスライクにするのは悪くないと思う。編集者だって夜は家に帰って寝たいだろう。それならば、〆切前に徹夜にならないように 編集者が前もって手を打つべきである。それが管理部門で働く人の仕事。
極論するならば、漫画のストーリーは完全に漫画家任せにして、編集者はタイムキー パーに徹するというのもありなのだ。いいやむしろそれこそがあるべき姿ではなかろうか?
あるいは、タイムキーパーとストーリー制作の補助を別の人間にやらせるという方法もあるだろう。出版社の仕事にも改善の余地は大いにありそうだと感じる出来事だった。
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