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2008年7月26日 (土)

行政に関する錯覚(三)・・・年金と健康保険

陰暦 六月廿四日
 三つ目の錯覚は「未納者の増加によって国民年金が破綻する」というもの。これの説明は簡単。

 国民年金を払わなかった人は歳を取ってからもらえなくなるので、未納者が増えたらもらえない人が増えるだけなので年金は破綻しない。一定の大きさの企業で働いている人は自動的に年金が天引きされるので、一定数の納入者は必ず確保できる。

 自由業や自営業者もしくは家賃などで暮らす小金持ちが若いうちに年金を出し渋っても、その人達は年取ったときには年金はもらえないので、その人達に払う年金は生じない。

 しかし、年金未納者も消費税その他の税金は払わなければならない。国民年金の3分の1(来春からは2分の1)は税金から支払われる。したがって、未納者は将来の年金を自分から放棄しているにもかかわらず、死ぬまで自分以外の他人の年金のために税金を払わなければならない。年金未納者とはなんと利他精神に富んだ人達なのでしょうか!

 マスコミの年金不信キャンペーンに騙されて未納を決め込んでいる人達は歳を取ってから泣きを見ることになるでしょう。

 それとどこかのブログで、年金記録の不備で受取手がないまま宙に浮いた年金はどこに消えたのだろうか、きっと政治家と官僚が懐にしたに違いないと憤慨していた人がいましたけれど、これも間違い。

 今のところ、年金徴収額の方が支払額よりも多い状態なので、恒常的に剰余金が出ますが、これは積立金として貯められています。ですので、受取手のない年金は積立金に上乗せされているだけで、誰も手はつけていません。

 積立金は百兆円以上あり、国債や株券で運用されています。日経平均株価が千円上昇すると、年金積立金の運用益が1兆円上がるといわれています。バブルは良くありませんが、着実な株価の上昇は年金財政を好転させるためには不可欠です。

 年金や健康保険に関する誤解がなぜ生じるかというと、みなさんこれらの社会保険を貯金と勘違いしているからだと思います。政府に預けたお金を、政府が上手いこと運用して増やして、老後に返してくれるという風に年金や健康保険を理解している人が多いと思いますが、これも間違いです。

 年金と健康保険は、自分が過去に払ったお金をもらうのではなくて、現在の負担世代が払った分を、現在の老人や傷病者が受け取る制度です。今もらえる年金は、かつて自分が払ったお金ではなくて、今働いている現役世代が払ったお金でできています。

 ただし、年金を受け取る権利は、現役世代の時にきちんと負担したことによって得られる仕組みになっています。

 したがって、年金は貯金よりもむしろ仕送りに近い制度です。ですので、子供が増えないと取り分は先細りになります。今現在50〜60歳の世の中を動かしている人達は、自分の年金を増やすために、若者が子供を作りやすい環境を整える必要があります。

 

 年金は数十年にわたって黒字だったので膨大な積立金がありますが、健康保険は単年度使い切りの制度であったので、全く余裕がありません。これまでに被用者の家族の負担増、被用者本人の負担増が行われて、最後に高齢者の負担増(正確に言うと負担責任の明確化)が来ました。これが後期高齢者医療制度です。これはそれなりの収入を持つ高齢者には応分の負担を求める制度です。

 また、国民年金の月支払額が1万4,000円で、満期40年払うと、
 14,000X12X40=6,720,000
 現在の受取額は月66,000円なので
 6,720,000/66,000=102
 102ヶ月もらえば元が取れます。8.4年です。65歳からもらった場合、男性ならば平均寿命を越えればもらい得になり、女性は過半数がもらい得となります。

 あんまりいい加減なことを言ったらだめだけれど、男性は寿命が比較的短いので、おそらく60歳からもらって受給期間を伸ばした方が得で、女性は65歳まで旦那に働いてもらって、65歳から多めの年金をもらう方が得なんだと思う。

 また、年金の受取額は物価上昇に合わせて上がることになっていますので、全ての物の値段が上がる通常のインフレの場合は年金は余り目減りすることはありません(ただし改定は年一回なので4月から3月の間にものすごいインフレがあった場合は損をします)

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