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2008年10月17日 (金)

米大統領選挙の行方(二)

陰暦 九月十九日 【伊勢神宮神嘗祭】【日光東照宮秋祭】

 もう一つ私が心配しているのは、企業の方のバランスシートの悪化である。

 ここ数年の欧米の企業の収益はめざましく、なんでこれほど高い生産性を発揮できるのか常々不思議に思っていた。それほど高い値でものを売っているわけで はない、日本よりも移民を労働力として使いやすいという利点はあるがそんなに給与が低いわけでもない、日本よりも品揃えが薄いのでスケールメリットが上が りやすいというのもあるが、だからといってあんなに高い収益をあげられるほどかというとどうも首をかしげざるを得ない。

 それで調べていくと、どうも欧米の企業は金融部門が強くてそこで利益を上げているらしいという推測にたどり着くのだが、金融部門が上げる利益というのは商品の販売個数のような形で表に出てこないので検証ができなくていつも推測で終わってしまうもどかしさがあった。

 どういうことかというと、顧客から代金を取り立てる権利を傘下のクレジット会社に売ってしまうのである。メーカーはクレジット会社から希望小売価格に近い十分に利潤が乗った代金をもらうので高い利潤が上げられる、クレジット会社は顧客に月賦払いをさせて最終的により多くのお金を取り立てる。このような仕組みが欧米ではここ二十年くらい氾濫していたようなのだ。

 しかも、世界的な金余りでクレジット会社に金が流れ込んだので、これによってクレジット会社は、顧客から取り立てる努力を怠ったり、本来なら取り立て不能な客の割賦販売も請け負うようになったらしいのである。これがここ数年の欧米の消費ブームの実態だったのではないかというのが私の推測。

 サブプライムローンと同じことが、衣服や家具や家電でも生じていた可能性がある。

 とすると、欧米は家計だけではなく、企業もバランスシートに穴があいている可能性がある。家計が支払い不能になると、今度は住宅価格の値上がりを当てにして割賦で販売していた衣服や家具や家電も代金が回収不能になる。

 であるので資産バブルの崩壊は必ず実体経済に飛び火すると私は考える。投資会社と銀行の次はメーカー傘下のクレジット会社が破綻する。この損害はメーカーが負わざるを得ない。

 さらに欧米のメーカーは、クレジット会社を利用して金銭的プレミア付加しないと商品が売れない状況まで体力が落ちている。彼等が本当に売りたい値段を市場に出せば、欧米のメーカーは消費者からそっぽを向かれる可能性が高い。でもクレジット会社が破綻した以上、その値段で売らざるを得ない。それだけの技術力がないもしくはお客を酔わせるだけの魅力がないメーカーは潰れるだろう。

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