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2008年11月 5日 (水)

吉と出るか凶と出るか

陰暦 十月八日

 米国の次期大統領にオバマ氏が選出されることになりました。まずはおめでとうございます。

 経済的にはこれは慶賀するべき事で、オバマ政権には、年にGDP比10%政府債務を拡大する勢いでガンガン公共事業を打ち出して、米国のデフレ不況転落を防いで欲しいです。そのくらいやらなければ米国は経済的苦境を脱し得ないでしょう。

 ただこのオバマ氏、持ち前の政策がなんであるのかさっぱりわからない。ホームページを覗いてみたけれどやっぱりわかりませんでした。これまで軽佻浮薄といわれつつも、最後には強面型の指導者を選んできた米国民にしては思い切った選択をしたと思います。よほど自信を失っているのではないでしょうか。

 オバマ氏が自分を出し始めたとき、幻滅する人も出てくると思います。成熟した民主制という物をじっくりと拝見させていただくことにしようと思います。

 良い意味で化けてくれることを期待していますが、化けの皮が剥がれたらどうしよう。クリントン大統領みたいなヘタレならさして害はないけれど、清廉というところが気にかかる、彼の本性がクロムウェルやロベスピエールでないことを祈ります。

 外交的には、多少日本にとって剣呑な言動が米中枢部から聞こえてくるでしょうが、所詮は口先だけとあまり相手にせず実務的に対処していけばいいでしょう。今回は日本と支那の間に緊密な関係ができていますので、クリントン時代のような悪夢は生じないと思います。むしろ変な話を持ち込む米民主党議員に胡錦涛がありがた迷惑といった顔で応対という場面が増えるのではないでしょうか。

 日本としては、淡々と金融危機のアジア波及を防ぎ、困窮した西側諸国にはIMFを通して支援、これに尽きるでしょう。米民主党には心置きなく内需拡大政策に専念できるお膳立てをしてあげれば、向こうも邪魔はしないと思います。

 景気後退は公共事業の連発で切り抜けられるとして、問題はそのあとに公共事業を絞って財政の健全化ができるかです。The Economist誌が中央銀行による国債引き受けの可能性に言及していましたが、これは悪性インフレをもたらすと思います。

 私はリフレ政策には賛成ですが、国債の中央銀行による無制限の引き受けについては懐疑的です。景気を回復させたあとに財政を引き絞る自制心と強力な権力を持つ政治家が民主制の国家に登場するとは思えないからです。

 官製の好景気は早めにしぼませないと再びバブルを招来しかねません。その自制心が米民主党にあるかですね。もう一度バブルをやってそれが崩壊したら、さすがの米国人も怒って内乱になるでしょう。

 まあいいところ一期目の終わり頃からインフレになり、二期目の終わり頃にはドルの価値が半分くらいになって、金融では米国の力がかなり落ちるといったところでしょう。軍事的な覇権はそのくらいではびくともしないのでしょうが。そこまでドルの価値が落ちれば、むしろ米軍は積極的に傭兵として、日本やNATOのために働くことを買って出るようになるかもしれません。

 公共事業を振り出すことができなければ、デフレになって求心力を失い、政権は一期で終わると思います。

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