新長屋システム
陰暦 十一月九日
日本以外みんな沈没という経済情勢では、生産拠点を海外に移してコストを下げて商品に競争力をつけるという選択肢は通用しません。なにせ誰も買ってくれる人がいませんから。
ここは税負担を上げて集めたお金で公共事業をするしかないと思うわけです。じゃあどんな仕事を与えるか。ちらほらと声が上がりつつありますが、低所得者向けの公営住宅が良いのではないでしょうか。これなら理解を得やすい。
実際、私が住んでいる多摩地域では公営住宅の建て替えが進められています。そこに住んでもらった上で、さらに公営住宅とセットで職業安定所を建設して、期間従業員業務の斡旋をやらせてはどうか。
企業も、同じ期間従業員でもどこに住んでいるかも分からない人間は雇いにくいですが、公営住宅に住んでいて、他の企業で働いた経験もある人なら雇いやすい。
日本の生活コストで一番割高なのは家賃ですので、公営住宅でこの負担さえなくなれば、あとは月十万円の給与でも独身者なら悠々生活できます。夫婦と子供一人でもギリギリ生活ができます。
しかも公営住宅として一括契約すれば、電気・ガス・水道代の引き下げも可能であるはずです。
実をいうとこれは江戸時代の長屋のシステムです。長屋の住民は、毎日職が変わるような不安定な労働者でしたが、家族を持つことができました。毎日仕事は違っても、何かしら仕事には就いていたのです。これは大家が身元保証人になって、商店とか問屋とか大工に労働者を斡旋していたからできたことです。口入れというやつですね。
保育所をその公営住宅にセットで設置すれば猶良い。保育所には数名の有資格者をおいて、あとは安い賃金で公営住宅に住む主婦をバイトで雇用して子供の面倒を見てもらえばいいと思うのです。長屋にはこのような育児補助機能もありました。
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コメント
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かっての炭鉱不況の際に、雇用促進住宅が建設された経緯は、べっちゃんの言う通りなんです。ただ現在、全国の雇用促進住宅を大手不動産会社に売却してしまったことが、今回どのように働くかと思っています。
社会のセーフティネット機能としての役割を単にムダの一言で切り捨ててて結局、若年労働者が困窮する要因にもなりました。
居場所を確保し、定住させ生活を営ませる循環を取り戻す良い契機になってほしいです。
投稿: 保守系左派 | 2008年12月 6日 (土) 13時15分
今回期間工の大量解雇の問題をマスコミが報道するに当たって、必ず彼等の住居の問題とからめて報じています。
おそらくこのエントリで言ったようなことをしたいという動きがあるのだと思います。
正社員になれた人には、公営住宅を出て行ってもらうかわりに、家賃の補助でもあげればいいのではないかと。
地方の若者がなかなか都会に出てこれないのも、居住地がネックになっているんですよね。だから労働力の流動が進まない。かつては飯場があったけれど、今の若者はそういうところには住みたがりません。
今の日本に必要とされているのは、公営の不動産斡旋業なのかもしれない、と保守系左派さんのお話を聞いて思いました。
投稿: べっちゃん | 2008年12月 6日 (土) 20時39分
社会保障費が毎年自然増一兆円といわれるなか、増税なしで何とかしようとすると、無駄を斬り捨てるしかないわけで、自民党は一度ならず二度までも(定率現在終了後の去年の選挙も含めると三回か)増税後に選挙で痛い目に遭わされているので、政府資産の切り売りで歳入を穴埋めする方策に走るのは仕方のないところです。
私もつい二年前までは信じていたのですが、「日本が福祉国家になるのは無理」という論調を一体誰が広めたのかと言うことが気になります。
これのせいで、消費税増税が二度までも社会保障の充実ではなく財政再建に振り向けられてしまったせいで、二度とも不況を招き、国民に増税アレルギーを植え付けてしまいました。
89年と98年に、財政再建はほどほどにして、社会保障を充実しておけば、増税は低所得者の利益になると国民を条件付けすることができたのです。
大蔵省が「財政再建に振り向けるのだったら」という条件で増税をしたからこのような問題が起きたのではないかと思うのです。大蔵省改革をするのだったら、財政と金融の分離ではなくて、歳入と歳出の分離をするべきだったのではないでしょうか。
投稿: べっちゃん | 2008年12月 7日 (日) 10時04分