NHKがまた変な番組を作っている
NHKスペシャルの「女と男」見ていないのですが、色々な感想を聞くに、どうもおかしい。
性差に行動学的な根拠があるということや現在の社会が性差をなくす方向に進んでいるという番組のテーマに口を差し挟むつもりはないが、パーツとして使われている"科学の成果"なるものが必ずしも証明されたわけでない説が多い。科学かどうかも怪しい散文的な推論に過ぎない説も使われていたようだ。
科学を装ったごちゃ混ぜの推論による与論誘導、これは二酸化炭素悪玉説と似た構図が窺える。
一番おかしいと思ったのはネアンデルタール人と人類が交配していたかもしれないという説。あり得ない話ではないがこれはよくよく注意深く扱わないと、新たな差別を生んだり、社会進化論の根拠に使われてしまう可能性が強い。
テクニカル・インテリジェンス説、もしくは人類多元発生説の強い影響がうかがわれる。両説とも、キリスト教原理主義の強い支援を受けている説で注意が必要である。
繰り返して言うが、番組のテーマ自体に評価を差し挟むつもりはない。番組の中で"科学"として使用されたパーツに重大な問題がある。
一番やばいと思ったのは、赤髪の遺伝子がネアンデルタール人起源だと言っていたこと。何故なら赤髪はアシュケナジー(東欧のユダヤ人)の特徴とされているから。人類とネアンデルタール人の交配説は、反ユダヤ主義、あるいは逆にユダヤ優越主義の影響を受けている可能性がある。
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» 「ネアンデルタール人の謎~最新報告・ゲノム解読の試み~」補足 [雑記帳]
NHKのBSハイビジョンで放送されたこの番組については、今年2月1日分の記事で取り上げました。この番組について言及したブログの記事を読んで、コメントしようと思ったのですが、エラーによりコメントできなかったので、ブログの記事とし、トラックバックを送ることにします。... [続きを読む]
なんか面白そうなテーマですね。
オンデマンドで見てみようかな…。
Nスペは非常に構成力が上手くて、興味をひきたて強い印象を残すという点で最強の番組です。でもやっぱり強調しすぎな面もあるので、科学データを元にしてるとは言っても鵜呑みにはできないですよね。
ブログ検索で、これを見た人の感想をさらっと見てきたのですが、どうも海外でこれのベースとなった番組があるらしいです。
海外版との違いを見てみたら面白いかもしれませんね。
ところで、どうでも良いですけどタイトル、"男と女"じゃなくて"女と男"なんですね。これはアレですかなんか意味あるんですかね?
投稿: NMR | 2009年1月14日 (水) 20時09分
いわゆる「香ばしい」というやつですよね。でもテーマの良し悪しには触れないでおきます。
恐竜の首の長さの説明くらいなら珍説をテレビで取り上げてもさして害はないかもしれませんが、人間や現在の環境に関わることには十分に注意しておらいたいです。
温暖化では、地球物理学者は「そんな未来の事なんて分かるわけないよ」とマスコミや活動家を放置していたら、いつの間にか温暖化は確定事項ということになり、学者もマスコミや活動家を喜ばすシミュレーション結果を出してお小遣いをもらうまで堕落してしまいました。
どうも今回の番組も、遺伝子を使って温暖化の夢よもう一度を狙っているような気がしてならないのですよね。温暖化の嘘がそろそろ一般にも明らかになり始めていることですし。活動家は資金源を気候から性差に乗り換えるつもりなんじゃないですかね。
投稿: べっちゃん | 2009年1月14日 (水) 20時36分
人類ーネアンデルタール人交配説のおかしな点はもう一つありまして、自然界の生物は他の種と交配しようとはしないのが上げられます。
どんなに数が減っても、自然界の生物が別の種と交配することはありません。
イヌやネコはかなりが意見が異なる品種道士でも放置しておけば交尾しますが、イヌやネコは種類が多そうに見えて実は一種類しかありません。
もしも他の種との間の交配によって進化が起きる(もしくは促進される)と言うことになれば進化説は根本から覆ります。しかしそういう話は聞いたことがありません。
親子の情とか集団の規律、権力闘争などは、人類以外の動物でも見られます。しかし異種交配はありません。いくら知恵を持ったからと言って、自然界で今までなかった異種交配を人類とネアンデルタール人が急に始めるというのはちょっと信じられません。
投稿: べっちゃん | 2009年1月14日 (水) 21時28分