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2009年2月10日 (火)

本丸が見えてきた(四)ー貧乏人は海外に逃げない

陰暦 一月十六日

 現在のように金融が発達した世界では、国家の発展のために必要であるのは、いかに貯めるかではなくていかに使わせるかです。十九世紀以前の世界であれば、貯金は無条件によき物でしたが、二十世紀以降は貯金は諸刃の剣となりました。

 預金を抱えた金融機関は運用益を上げないと倒産してしまいます。そこで投資しなくてはなりません。国全体の規模が拡大していく時期であれば、金融機関は企業にお金を貸し出し、企業は雇用を増やし、国全体が潤います。

 しかし国の規模の拡大が止まってしまった先進国ではどうなるでしょうか。企業は海外に逃げた方が安く物を生産ができるので楽に儲けが出せます。

 先進国にも低所得者はまだまだいますので、企業が給与の水準を上げれば、新たな需要が産まれる可能性がありますが、企業が自主的にそのようなことをするはずがありません。むしろ企業としては、国民の一部の生活水準を低く抑えておいて、安い賃金で物を作って輸出した方が儲かると考えても不思議はありません。企業には自主的に国内需要を喚起させる動機がありません。

 金と物の移動が発達した現代において需要を拡大するためには、海外に逃げられない人に金を持たせるに限ります。金持ちも企業も、金を持たせるとすぐに海外に逃げてしまいます。ですから貧乏人に金を持たせなければならない、これが福祉国家です。

 貧乏人はそうそう貯金はできません。貧乏人が金を持てば、食べるものを良くしたり、子供の服を買ったり、家具を買ったりするでしょう。需要の喚起になります。

 今回の定額給付金のように直接に金を渡すのも一案ですが、医療を充実させたり、保育所を充実させたり、住居費の補填、公共交通の補助などをして、生活の周辺の出費を削減してやり、貧乏人が消費をしやすくする方が、貧乏人も堕落しませんし、働く意欲が湧くでしょう。

 では財源はどこから取ればいいか。税金は海外に逃げそうな人から取ればいいわけです。企業や資産家に金を持たせても、あの手この手で海外に資産を移転させてしまいます。消費税という形でサイドを固めて誘導し、最後は所得税と法人税で一網打尽です。

 海外にお金を逃がすこともできない、内部留保を増やそうとすると法人税を取られる、それならば従業員の給与を上げて、消費に回してもらって、企業の業績を上げようという風に企業も考えるようになるかもしれません。

 一人の給与にすると、累進課税によって国に支払わなければならない税金が増えます。同じ額でもこれを大勢の給与にすると、一人一人の税率は下がりますので、企業にとっては節税となります。そうすれば、従業員は消費を拡大するので、企業は儲かります。

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