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2009年3月 2日 (月)

地球温暖化論の何が問題か(下)

地球気候への理解は不充分

 二酸化炭素増加のためにどの程度気温が上がったか、また将来どうなるかは、重要な研究課題でもある。これには、気温測定の正確さの問題と、気候モデルを用いた将来予想の信頼性の問題とが関わっている。

 まづ気温測定の正確さはどうだろう。「地球温暖化」は、百年度に気温が一度上がるか三度上がるかという話だ。これを確かめるには、十年で0.1℃以下と言う正確さで地球の平均気温の変化を計る必要がある。新聞などで気温変化のグラフを見ると信頼できそうに感じるが、実は気温測定には大きな誤差がある。

 正確な気温測定には、通風の良い白い容器に温度計を収め、短く刈られた草地で周囲数十メートルを囲まれた露地を準備しなければならない。しかし実際には理想的な気温測定用の露地は少ない。例えば米国では、電気駆動の温度計が電線で屋内につながれていることが多いが、全体の半数以上で、熱を発する建物から温度計が十メートルも離れていない。このような場所での温度計が示す温度には、1~5度もの誤差があり、偽の温暖化傾向を生んでいる。このような測定値を温暖化の議論に使うことには無理がある。衛星から測定した気温が最も正確だと言われているが、残念ながら測定値は三十年分しかない。

 将来の気温の予想には、気候モデルを用いたコンピューターシミュレーション(計算機模擬実験)を使うことが多く、二酸化炭素濃度が二倍になったときの気温上昇は三度(幅として1.5~5度)というのが共通認識だ。2度を越すと危険なので二酸化炭素の即時削減を、となった。しかし最近、衛星による観測が進み、この二倍時気温上昇を「実測」する試みが出てきた。その結果の多くは一度程度の値だ。これならそれほど危険はない。社会のあり方を見直すにしても時間は充分にある。

 実は、現在の気候モデルは発展途上だ。いろいろな現象の説明に使える段階ではないし、まして将来の予想に過剰な信頼は置けない。特に、我々の生活によって重要な地域気候の予想は不可能と言える。それは計算機の能力不足の他、地球気候に関する理解が不十分なためでもある。例えば海洋の大きな振動は予想できない。太陽の影響が大きいことも確かだが、内容や機構はよくわかっていないので、将来の変化を予想することは難しい。

 持続可能なエネルギーを

 こうしてみると、「地球温暖化による気候変動を防ぐには原子力発電で二酸化炭素を削減するしかない」は、こじつけに近い、前掲の赤祖父氏は、原子力産業の思惑が関わったと指摘している。実際、昨夏の洞爺湖サミットでは、各国間で原発の大量導入の契約が結ばれるなど、露骨な動きが目立った。

 故高木仁三郎氏が創設した原子力資料情報室によれば、近代科学技術が立脚するリスク・コスト・利益の最適化は、原発には適用できない。確率は低くても、一旦事故が起きればその損害は甚大だからだ。また、放射性廃棄物の処理の問題についての展望も未だ開けない。かつて電気事業連合会長が「高レベル放射性廃棄物は、一生使っても豆粒一つくらいだと思っていた」と本音を語った。この程度の認識で始まった原子力政策が続くことはきわめて危険だ。我々の子孫にとって、放射性廃棄物は全く迷惑な負の遺産以外の何物でもない。

 二酸化炭素と関係ない気候変動のために原発を増強するのは愚かだ。太陽エネルギーを中心とした持続可能なエネルギー源を開発するのが優れた方策だろう。また、持続性の観点からは、社会の弱いところを見つけて補強し、また回復力を増す努力を行うことが理にかなう。広い視野をもって、玉石混淆の情報を分別し、賢く対応することが求められる。

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