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2009年5月 9日 (土)

だるま宰相

陰暦 四月十五日 【望】

 古本屋で見つけた松浦行真著の「非命の宰相」を読んでいるのだがこれが滅法面白い。

 原敬と高橋是清と近衛文麿の伝記なのだが、この三人についてはなぜか戦後の学者先生はあまり触れてくれないため、適当な伝記がない。当時の学界とかメディアが政党政治をさんざんこき下ろしていて、その御本尊である原や高橋を今さら褒めるわけにもいかないのと、戦前の日本は暗黒時代で民主主義なんかなかったという自説にヒビが入るからなんだろうと思う。学者なんて当てにならないもんだ。

 まあ原敬についてはちらほら研究が出てきたが高橋是清はまだない。大きな政府の分が悪かったからだろうが、これからは高橋是清も評価が変わるだろう。近衛文麿についてはまだ読んでいないから分からない。

 それにしても高橋是清の人生の上がり下がりの激しさは大した物である。騙されて奴隷として米国に売り飛ばされた思えば、開成学校の英語教師、しかし芸伎に狂って果てはポン引き、とてもじゃないが大蔵大臣や日銀総裁になれるような経歴ではない。明治という時代が戦国時代並みにシャッフルの激しい時代だったことが窺える。

 それとこの三人には共通の要素があって、揃いも揃って芸伎にもてたらしい。戦前の政治史を知る上で、芸者遊びは一つのキーであるのだが、何が面白いのかさっぱり分からない。知り合いに京都の祇園に遊びに行った人の話を聞いたことがあるが、本人もよく分からないといっていた。

 最終到達点が"あれ"であるのは分かるけれども、そこにたどり着くまでなぜあそこまで頑張るのかがよく分からない。思うに今の水商売の女性は芸者も含めて、客を楽しませるための技術が不足しているんではないかと思う。今の歓楽街で繰り広げられているのは戦前の"遊び"の劣化コピーであって、本物を今の水商売から類推するのは間違いなのではなかろうか。

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