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2009年8月 8日 (土)

単純な損得判断じゃないかな

 昨日補正予算を削って三兆円、といっていた民主党は、今日は補正予算の中で天下り団体に費やされるのが二兆円だからそれを停止するんだ、と言っていました。内容が変わっている上に金額が下がっています。そういえば一年目に必要とされるお金を最初は四兆円といっていたと思うのですが、いつの間に半額にまで下がったのでしょうか。そのうち数千億円になるかもしれません。それじゃいつもの首相のイニシアチブで決める重点項目というやつで、抜本的改革でもなんでもないじゃん。

 それでその二兆円を医療に使うんだと言っていましたが、これは医者の業界団体が自民党支持を鮮明にしたのに危機感を覚えてでしょう。中小企業から「俺たちだって困って居るんだ」と抗議が入って、明日は「二兆円を中小企業に回す」と言い出すかもしれません。全国知事会の横槍が入って、来週は「地方自治体に二兆円」と言っていることでしょう。

 マニュフェストで言っていた配分計画はどこへ行ってしまったのでしょうか?日によって財源が変わるとしても、日によって配分先が変わると言うことはあり得ないと思うのですが。

 各種業界団体が自民党に支持を表明しはじめましたが、単純な損得判断だと思います。民主党の政策の成功率は未知数です。支持したところでどこまで自分の業界に資源が回ってくるか予測を立てることができません。自民党や官僚からは恨まれるでしょう。民主党政権が短命に終わった場合、後が怖いです。

 自民党を支持した場合、自民党は危機にありますから恩を忘れないでしょう。自民党は増税によって確実に国に集める資源を増やすと言っていますので、予定を立てることができます。苦しいときに支持をすれば、増税したときに真っ先に配分に与れるでしょう。

 それに民主党の補正予算を削ったり、埋蔵金を使う、というやり方は数年後に財源の枯渇が見えていますので、そこでまた増税をしないといけないんですね。しかしその時には自民党が消費税反対派になっているかもしれません。

 つまり民主党を応援しても、どれだけお金がもらえるか分からないし、よしんばもらえたとしても数年後に増税をしなければならない、その時に増税派が負けたらまた数年間お金に困る。しかし、今自民党を応援すれば、二年後に必ず増税が行われる(法律で約束しました)その時には確実にお金が入ってくる。一度増税と配分に成功すれば、向こう二十年くらい先まで、増税による福祉や地方自治体の機能強化を期待できる(社会保障国民会議で二十年くらいかけて継続的に増税と福祉の機能強化をすると自民党は約束しています)。

 業界団体というと諸悪の根元みたいにこの二十年ほど言われてきましたが、ある程度は必要だと思います。餅は餅屋、やはりその業界のことはその業界の人にしか分かりません。確かに業界のエゴも混ざっていますが、その業界の顧客である国民の利益になる主張も業界団体はしてくれています。官僚も業界団体も要は使いようです。

 何となく勝ちそうな側に付和雷同で付いていって、結局何も得られないよりも、目前の戦いでは利はなさそうだけれど、勝てば確実にお金を配分してくれる側のどっちに付いていくのが得かと考えれば、後者に付いていく方が得に決まっているんですね。特に業界団体は、国の仕事がどういう物か分かっていますのでどうせ民主党が財源を確保できないだろうということは分かっているわけです。

 民主党は「応援してくれないと勝ったときに何もやらないぞ」という風に脅すと思うのですが、そもそも財源の確保が不可能なのが見えていますので、脅しになっていないわけです。

 また、天下り何タラ〜は官僚に対する脅しのつもりなんでしょうが、そんなことを言ったら、補正予算の編成とか予算の編成で官僚が法令を一字一句ゆるがせにしない丁寧な仕事をしてくれるだけだと思います。年度内に丁寧な仕事が終わるといいですね。

 いま各種業界で真面目に仕事をしている人たちは、民主党やマスコミのコツコツ働く人を小馬鹿にしたやり方にはらわたが煮えくりかえっていますので、民主党政権ができた暁には、堅実な人たちによる焦土作戦が始まると思います。金なんか湧いて出てくるんだ、公務員や専門家は消費者のどんな無理難題をも呑むべきだ、と思い上がっている一部国民に対する無言の抗議でもあります。

 それに官僚が抵抗するって言ったって、制度上できないことはできないというのが実務者として当然のことです。それとも政治家が法律を犯せと命じたら唯々諾々と法律違反をするのが官僚の仕事なのでしょうか?会計操作まがいの財源捻出に手を貸すのが優秀な官僚なのでしょうか?そして、官僚が政治家の命令で法を犯したのが摘発されたときに、政治家は責任を取ってくれるのでしょうか?

 選挙の付託を得たからと言って何をしても許されると思ったら大間違いだし、そもそも「やりたくてもお金がありません」と言うのは単なる常識であって、抵抗でも何でもありません。政治家が財源の手当をしても居ないのに、官僚がたちどころに財源を持ってくることができれば、政治家の管理の外にあるお金があるということになりますので、そっちの方が問題でしょう。

 法令を無視して、官僚が結果オーライで臨機応変に行動するとどうなるかは戦前の軍部を見れば分かるでしょう。たとえ制度からはみ出せば何らかの成果が生み出せると分かっていても、損をして制度を守って愚直に動くのが官僚の職業倫理です。

 それが嫌なら、官僚の動き方を変えられるような制度を政治家が作ってください。そのような労はとらず、官僚に法律違反まがいのことを命じて、果実だけは政治家とか○○審議会の知識人が受け取り、失敗したときの責任は官僚に押しつけようと言う底意が満々な連中に官僚が付いていくとは到底思えません。

追記

 同友会や二十一世紀臨調が民主党の政策を支持か、だいぶ民主党=金持ちという構図が明らかになってきました。金持ち向けの負担増措置を民主党政権で削ったあとで梯子を外して、自民党の政権にして広く薄く負担の消費税増税というプランを描いているのでしょう。どうせ増税が避けられないのなら、高所得層向けの負担増を削れるだけ削ってから、その分を国民全体に広げれば、差し引きで自分たちの負担が少しでも減るという魂胆です。もし民主党政権ができた場合、高所得層の課税、公益法人への課税、中小企業の社会保障負担、これが来年の通常国会でどのように扱われるか注目です。あんまり庶民をなめないように。庶民は分かっていないようでいて、見ていますからね。

 月曜から金曜まで帰省してきます。みなさま、良いお盆休みをお過ごし下さい。

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