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2009年9月18日 (金)

社会保障費を借金で賄っちゃダメだろ

 米政府の財政赤字が巨額になっているので、米国は公共事業を実行しているかのように見えますが、この赤字は金融機関の救済と、ベビーブーマーへの年金と健康保険の補填で積み上がった赤字ですので、景気を押し上げる効果はありません

 2004年頃の予算局の白書を見れば書いてあるのですが、今回の不況がなくても米国の財政赤字はレガシーコスト(ベビーブーマーの年金と健康保険の補填)によって財政赤字がこのくらい積み上がることは既定のことでした。

 米政府は景気対策のために赤字が積み上がったかのように説明していますが、その実は社会保障費の財源不足を国債で埋め合わせているわけですのでこれは危険だと思います。

 オバマ大統領が、健康保険を五千万人分拡大する費用を、医療部門の効率化で増税なしに賄えるという、我が国の与党も顔負けの空手形を切りました が、こういう苦しい言い訳を大統領がしなければならないこと自体、社会保障の財源に対する懸念が米国民の間でふつふつと湧き上がりつつある兆候ではないで しょうか。

 米国の社会保障がベビーブーマーの大量退職によって破綻するのは前々から分かり切ったことでした。ですのでオバマ大統領は健康保険と年金を国民全 体に広げることで、税負担と既に健康保険と年金を受け取っている人の水準引き下げを受け入れてもらおうとしたのですが、どうもそれもあやしくなりつつある ようです。

 また、ブッシュ大統領が狂ったように減税をしまくったのは十年後(つまり今)に増税が必要であることを見越していたからです。これは妄想ではありません。十年後の社会保障費の試算くらいは予算局には難しいことではありません。

 十年後を見越して減税をしまくったブッシュ大統領もえらいし、増税に取り組もうとしているオバマ大統領もえらいと思うのですが、国民はその真意を全然理解せずにこの二人をどうでも良いことで褒めたりけなしたりしているわけで、日本人も米国人も似たり寄ったりです。

 バブル崩壊後の日本政府も社会保障財源の不足に苦しんだのですが、公共事業費の財源を税から国債に移し替えることで、社会保障のような基礎的な支 出を税でまかなうという財政規律を保ちました。公共工事は最悪ゼロにしても国家の責務を放棄したことにはなりませんが、明日から年金が出ませんとなったら 国家は崩壊します。

 借金は貸してくれる人がいなくなればできなくなります。公共工事はストップしても何とか国は動きますが、借金ができなくなったから明日から年金を払えませんは通用しません。だから社会保障費は必ず税金と保険料で賄わなければならないのです。

 社会保障費を国債で賄うという米国の実情が明らかになったとき、いろいろと混乱が起きるのではないかと思います。

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