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2009年9月23日 (水)

脅したところで金は出てこないと思うよ

陰暦 八月五日 【秋分】【彼岸の中日】

 民主党が自民党の政策に協力した官僚に辞めろとかいっているそうなんですが、脅しても金は出てこないと思います。まず民主党は複式帳簿を読む練習から始めた方がいいのではないでしょうか。別に官僚が隠しているお金なんてないし、ほとんど手を付けることができない支出だということが分かるはずです。

 それと天下りを禁止する以上、ポストを降りた官僚には、別のポストを官庁内で探してやる必要があるはずです。そうしないと退職の強要になります。なにかというと民間企業のやり方を見習えと民主党とかスター知事はいいますが、企業の中で方針が大転換されても、何の保障もなしに幹部が首になることはほとんどありません。左遷はされるかもしれません。あるいは子会社に出向ということもあるでしょう。けれどもとにかく辞めろというのはありません。

 天下りをなんでもかんでも禁止すれば、高給取りの官僚が官庁内に滞留するわけですからむしろ無駄の排除に逆行するのではないかと思います。政府の関連団体に転職できなくなった場合、官僚は関連業界の企業に流れると思うのですが、これはむしろ業界と官庁の癒着を増進すると思います。

 それと長妻厚労相が後期高齢者医療制度を廃止して地域別の制度を作るといっていましたが、これだと高齢者が多くて若者が少ない地方は負担が増えるはずです。それに気がついたのか、今度は、保険料負担は増やさない、足りない分は国費で負担すると言い出しました。子育て手当や高速道路無料化などで金が必要なところに更に必要な金が増えたわけで、一体どう工面するのでしょうか。

 なんでも税金でやって上げられればそりゃ結構なことですが、総量を変えない限り誰かがもらえなくなるだけです。その誰かというのは官僚ではありません。官僚やそのOBがもらっている金など総合しても大したことはありません。いくら官僚を脅しても、マスコミが応援しても、金は湧いては出てきません。もらえなくなるのは別の国民です。

 目玉政策だけでなく、医療とか中小企業とか農家とかこまごまとしたところでも保障を増やすと民主党はマニュフェストでいっていました。こういうものは一つ一つは小さいように見えても積み上げればあっという間に億兆を超える金が必要になります。社会保障費の自然増もありますしね。ちなみに平成二十一年度の社会保障費の自然増は8,500億円でした。

 いわゆる無駄の排除や補正予算の一部執行停止や埋蔵金で確保できるお金は二兆円くらいではないかと思います。そのうち半分くらいは社会保障費の自然増で消えてしまいます。残るは一兆円で、これくらいの財源探しなら自民党の政府が毎年やっていたこととあまり変わりはないでしょう。総理が優先的に配分する項目というのが毎年数千億円くらいありました。それです。

 あるいは引くに引けなくなった民主党が増税を提案し、マスコミがそれを応援するという展開になれば、これは大変結構なことだと思いますので、私も応援したいです。

 政府の仕事がどういうものか、財政がどういう状況にあるのか、この秋はそれを国民が知るいい機会になると思います。みんな自民党と官僚に頼りすぎでしたからね。彼等が何でも先回りして面倒事を片づけてくれたので、民主党のように自民党と官僚が数兆円隠しているのだ、と妄想する勢力ま出てきた始末。

 それに民主党が官僚いじめとか自民党叩きで誤魔化そうとせずに、きちんと国の台所事情を洗いざらい国民に打ち明けて、マニュフェストの全部は実行できないと謝れば、国民は民主党を見捨てたりはしないと思います。謝るのなら支持率が高いうちの方が被害は少なくて済むのではないでしょうか。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>民主党の議員には、東大・京大・ビジネススクール出身の人達も多いから、その手の素養はあるはずなんですね。弁護士資格を有してればある程度の会計学は修めているはずです。

>65才定年迄、就労可能にする。退職金のピークは今55才じゃなかったかな。当然俸給表の見直しが必要で1・2年で出来るとは思えませんね。その間はどうするのか?
 従前の通りどの様な役職と権限を与えるのでしょう。興味深いです。

 子会社(関係団体を民営化する気はないから)への出向はどのような根拠(労使協定)で行う気だろう。

 国家公務員、地方公務員の退職金は積立方式じゃない「基本給連動型退職金制度」で一括支給することで、団塊の世代の退職金の増加により一般会計予算が圧迫されることにあるので、「ムダを無くす」の民主党(官公)が考えているのは退職金財源確保がメインの気がしてます。

>天下りの「退職金」問題は「内部規定」で制限するのは訳ないんです。退職金を複数回貰うというのは「源泉税と住民税」をより多く居住地自治体に納付することでもありますから、公務員の俸給も公共投資(再分配政策の一翼)という面からみれば、それほど目くじらをたてるものではないと考えますが、感情論からの批判には晒されるのは致し方ないことだとは思います。

No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1420.htm

1 退職所得とは

 退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金なども退職所得とみなされます。

 また、労動基準法第20条の規定により支払われる解雇予告手当や賃金の確保等に関する法律第7条の規定により退職勤労者が弁済を受ける未払賃金も退職所得に該当します。

 キャリア公務員の渡り問題は、退職金控除廃止と退職金の給付改革「キャッシュバランス型退職金制度」等へ公務員をどのように移行させるかだと思いますし、「また、」で書かれている部分は昨今の「勇気雇用契約」等の増加を考えれば、退職金控除ではなく通常の給与所得として課税したいところでは無いでしょうか?

>団塊の世代の退職金の増加により一般会計予算が圧迫されることにあるので、「ムダを無くす」の民主党(官公)が考えているのは退職金財源確保がメインの気がしてます。

しかしそれでは、国民へのサービスを犠牲にして、自分のところの退職金を確保するわけで、ふざけた話です。

補正予算のストップで確保できるのが一兆円ちょい。"無駄の排除"で得られるのが数千億円程度ではないかと思っています。国民へばらまくには足りませんが、段階の退職金にはちょうどいいくらいの額ですね。

多分ばらまきは遼東ダビに終わって、そのかわりに退職金、あるいは地方自治の拡大に名を借りた出先機関の自治体への押しつけ(要は天下り)だけだ実現するのではなかろうかと私はふんでいます。

民主党の無駄の排除なる物が、自治体への仕事や人の押しつけだと分かっているからこそ、首長が強硬に民主党に異を唱えているのでしょう。

国家公務員の地方への押しつけで、地方公務員の給与が減るという情報が流れれば、官公労の中央と地方が分裂して民主党は崩壊するかもしれないなとふと思いました。

中央官庁のノンキャリアって、キャリアに虐げられているイメージがあるけれど、もしかして彼等は地方公務員のことをものすごく蔑視しているんじゃないですか?こういう地方を犠牲にして自分たちの取り分を確保することを考えつくなんてことは。

そもそも民主党はさんざん地方の公務員の支援を受けてここまで来たわけですが、何でも反対路線に転じて条件闘争を捨ててしまったので、ここ数年ほとんど地方公務員の利益になる政策を実現させていませんよね。「野党なので何もできませんでした」で誤魔化している。

使い捨ての踏み台にされたことに何時地方の公務員が気がつくでしょうか?

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090922/lcl0909222148003-n1.htm
国の出先機関廃止後、関西広域連合が受け皿で一致 大阪、京都、滋賀3知事
2009.9.22 21:47
 べっちゃんさんが指摘するとおり、ノンキャリアは地方自治体に押し付け(天下り)となるか、道州政府における上級職となるかしかないと思います。
 たしかにノンキャリアの方達はキャリアを「特権さん」という言い方をしますが、霞が関(内局)に配属されている方達、外局で一生を終る国家公務員では、地方自治体職員に対する対応が違うかもしれません。

 以前べっちゃんさんから今後重要になると指摘があった「公共サービス基本法」にしても、地方公務員の基礎自治体レベルほどこれにより、現業部門の職員は解体されるわけですし、国-地方自治体(都道府県・政令指定都市)×道州政府-基礎自治体(市町村)となる考えられている「小さな政府」は、中間部程権限と財源が強大になるということは、
 ワインガスト(新制度学派的な政治経済研究の第一人者の一人で「市場保全型連邦主義」の概念の提唱者)の理論によれば、 『連邦政府が弱小であり各州政府の力が強大である場合には安定的かつ有効的な構造とはならない。この構造は「瓦解か、安定的な構造への変遷か」の問題を孕んでいるのである』と言ってます。
 右派の地方公務員叩き、左派の国家公務員叩きは、日本の弱体化を招くことでしかありません。

 それにしても、地方公務員の大多数が、いつ自分達が「政権交代」の単なる道具と扱われたことに気づくんでしょう。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/zei/daizouzei/mondai.html
連合/ここが問題!政府の増税案
 2005年6月に政府税調の小委員会が発表した増税案には、多くの問題点があります。特に、次の4つは私たちの暮らしに大きな影響を与えます。
 財政赤字を拡大した政治の責任は棚に上げられたまま、負担だけを国民にシワ寄せする今回の増税案。
 国民に痛みを押し付ける前に、歳出構造の徹底した見直し、不公平税制の是正など、政府にはやるべきことがたくさんあるはずです。

給与所得控除の縮小 退職所得控除の縮小
特定扶養控除の廃止 配偶者控除の廃止
金融所得課税の一体化

 いや真っ当なんだけど・・・時は不思議なものを見せてくれます。

 自民党と民主党の戦いにしても、高齢者の拡大によっていよいよ取り分が少なくなった国の非義務的費用の取り合いに過ぎないわけですよね。中小企業(自民党)と公務員(民主党)の。

 本来・・・ワイマール共和国でも、帝政末期のロシアでも、あるいは第四共和制のフランスでも、普通プチブルと公務員というのは協力して大きな政府を目指すはずなんですが、日米英ではこの両者がうまいこと反目するような構図ができてしまいました。

 もし、何者かが意図してプチブルと公務員が対立するように仕向けたのだとしたら大したものだと思います。

 増税しない限りババの押し付け合いは終わらないと思います。

 80年代の末に、消費税を導入するときに、大蔵省が財政再建を口実として使ったのがまずかったですね、あれで増税は取られるばっかりという先入主が国民に植え付けられてしまいました。そして、橋本政権が消費税引き上げと財政再建をセットでやったために、増税は日本人にとってぬぐいがたいトラウマとなってしまいました。

 それまでは、増税すれば国からもらえる分も増えるはずだという健全な感覚が日本人にもありました。

 福祉の充実のために必要な金額と無駄の排除で工面できる金額は桁が三つも四つも違います。

 プチブルと公務員はもっと利己的になって、大同団結して、宿主たる国を肥え太らせる努力をするべきでしょう。でも中小事業主って、気概が強いから、これができないんですよね。

 プチブルと公務員が際限なき権力闘争を繰り返して疲弊して喜ぶのは大企業ばかりです。

 スター知事がいっている「民間企業」というのは、彼が付き合ってきた中小企業のことを言っているのだと思います。社長が社員の顔を全部覚えられるような。民主党の中枢にいる周旋屋(コンサル系)が相手にしているのもそのくらいの企業が多い。

 無駄をなくせ、トップが全てを指導、夢をぶちあげて士気を鼓舞、これは数十人くらいの企業を立て直すときにまずやらなければならないことです。

 けれども巨大な国家にこれを持ち込んでも空回りするだけです。

 また、プチブルと公務員は独裁者への神話度が高いです。中小事業主は自分と同じように何でもトップが指導すればうまくいくはずと信じていますし、公務員は行政府が強化されることを望みます。

 市場保全型連邦主義、要するにワイマール共和国だと思うんですが、これの行き着く先は独裁者の登場じゃないでしょうか?

 どうやら鳩山氏は近衛文麿の役回りみたいですし、陰に隠れて肥え太ることしか考えていない小沢氏は海軍でしょう。

 さて誰が陸軍の統制派になるのかですね。

 今回の選挙は二二六事件に当たると思います。あの時も解散ではありませんが、毎月のようにクーデター騒ぎが起きていました。

 クーデタによって節度を持った財政拡大派(高橋是清=麻生・与謝野政権)が打倒されたのも同じです。そういえば、高橋財政が登場する前は濱口・井上政権のデフレ政策が真っ盛りでしたが、これは小泉・竹中政権に当てはまるでしょう。

 あの時、昭和天皇は毒を以て毒を制す、際限のない政争で前言が翻されることが繰り返されるよりも、絶対に前言を翻さないやつと一緒に地獄へ突撃する方がマシ、という選択をしてしまいましたが、これは今回の選挙における国民の選択と非常に良く似ています。

 「経済が壊れてもいいからとにかくマニュフェストを守れ」「解決策を模索するよりも、都合のいい話だけしか聞きたくない」で今のところ大勢は固まっていますからね。あのマニュフェストを守ることでどれだけ日本の経済がダメージを受けるか、マスコミが隠しているのも一緒ですね。大本営発表です。

 ただし救いは二二六のすぐ後に近衛が来て、既にボロが出始めている点にあります。さっさと統制派に政権を持たせて自滅させれば、被害は少なくて済むでしょう。

 満洲事変が失敗して、陸軍が赤っ恥をかいて崩壊するシナリオですな。目指すはこれです。

 けれども統制派が誰なのかイマイチ判然としないんですよね。

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