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2009年11月24日 (火)

二酸化炭素と福祉は似ている(2)

陰暦 十月八日

 福祉悪玉論は米英で70〜80年代の経済不振を説明するために編み出された。ただし社会的弱者救済が経済発展を阻害しているという意見は、その時々の成 熟した先進国で、経済の低迷が生じるたびに首をもたげてくる意見である。19世紀の英国の救貧法問題もそうだろうし、もっと遡れば紀元前一世紀のローマの 内乱も、ローマ市民の互助組織としてのローマを優先させるか、地中海世界のシステムとしてのローマを優先させるかの闘争であった。

 福祉悪玉論の言い分は、国家が税や保険料として国民から金を徴収しすぎているために、国民は消費や投資をする余力がなくなって経済発展が阻害されるというものである。一見最もらしいが、これも十分に証明されているとは言えない。

 現在の日米英の金融機関は預金過剰の状態である。消費や投資のための資金が足りないのではない。利率も低い。起業家が事業資金を借りるのを阻害するような条件は何もない。

 預金金利が低いから消費が抑制されているという意見も多い。結構高名な人が提唱していたりする。これは銀行の仕組みを理解していない人の意見である。銀行は企業や人にお金を貸し出して利子を受け取る。その利子が銀行の儲けなので、銀行は貸出利子から預金者への預金利子を支払う。だから必ず貸出利子>預金利子となる。

 銀行はお金を貸し出さない限り儲けが出ないので、銀行の活動を決定するのはどれだけ貸し出しがあるかどうかである。経済活動が低調で貸し出しが伸びない最中に預金利子だけ上げることはできない。預金金利を政治的に上げれば経済活動が伸びると主張する人は、お金を借りたことがない恵まれた人生を送ってきた人なのだろうなと思う。

 現在の先進国は金余りの状態であり、福祉など政府の支出が経済発展を阻害している状況にはない。

 二酸化炭素悪玉論と福祉悪玉論は海水面上昇、気温上昇、経済停滞などの現実に起きている不都合の責任を二酸化炭素や福祉といった反論ができない廃棄物や弱者に結びつけているが、その説明は未熟で成功していない。

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