行政の下請け化する立法府
陰暦 九月二十六日
今の民主党のやり方は、あれは組織いじりとか経費節減とかですので行政府の現場の改善レベルの仕事ですよね。国会というのは国家における取締役会だと思うのですが、取締役が便所の紙の長さを測るようなことばかり(たまにはそう言うことも必要ですけれど)していては会社の経営は硬直化します。
そりゃ経営がうまくいっている会社は現場の改善活動が活発であるかもしれませんが、それだけで会社が動いているわけではありません。経営者がしっかりとグランドデザインを描いた上でその目標へ至るための現場の活動があるわけです。
経営者が現場の改善活動の監視をするだけで会社がうまくいくのは、会社のグランドデザインの見直しの必要が全くない、すごく幸せなときだけです。
今の日本の場合、そもそも会社の本業を変更しなければならないのではないかとか、従業員の給与や取締役の賞与を大幅カットしなければとか、社運をかけて新商品の開発とか、会社を分社などといった大変革を必要としているわけですので、現場の改善活動だけではどうにもならないんですね。
むしろ現場の細かな改善に没入することで現実を逃れているような雰囲気が民主党にはあります。
本来国家の取締役であるべき国会議員が中間管理職になっています。それも課長と言うよりは係長くらいの仕事をやっています。
これは立法による行政の支配ではなくて、立法自らが行政の一部門になっているというべきでしょう。国会議事堂から官僚を排除することによって、むしろ民主党は官僚との一体化を深めるのではないでしょうか。官僚なしに答弁するためには、頭の中を官僚と一緒にしなければならないわけで、これは官僚から支配されているのと変わりません。
このまま民主党は中央官庁の下請け化していくような気がします。
前線にいる部隊の装備品の数を暗記していたという東條英機首相をふと思い出しました。
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