松岡外交
民主党の外交は松岡外交のエピゴーネンですね。ソ連や中共のような権威主義的な大国と結ぶことによって米国を脅して要求を通そうという。
しかしソ連や中共は海空軍力がありませんので日本を米国から守る力はなく、そして自衛隊は米軍なくしてはソ連や中共の人海作戦に耐える力はない。
現在米国と中共はおたがい経済に爆弾を抱えており、対立を先送りしてアジアで現状維持をすることで一致しています。ちょうど独ソが不可侵条約を結んだときと状況が似ています。それなのに勝手に米支を取り持つだとか、日本が支那に寄れば支那が喜び米国は日本に譲歩するはずと皮算用をしている、全て話が付いている米国と支那からしたら非常に滑稽に見えることでしょう。ヒトラーとスターリンの仲を取り持ったつもりになっている松岡洋右によく似ている。
外務省は日本が置かれた地政学的状況をわきまえていますので、70年前も今回も消極的に抵抗をしています。外務省の協力が得られないから、非官僚の有力者や民間人を使って、根回しを飛ばしてトップ交渉で物事をまとめてしまおうという拙速なやり方も松岡洋右と民主党はよく似ています。
民主党が松岡外交をなぞっているとすると、次にやるのは米国主導の国際的枠組みを内部から破壊することでしょう。IAEAやAPECや六者協議が標的になると思いま す。
私は民主党政権がIAEAを脱退して核武装宣言をしても驚きません。ていうか小沢氏の従来からの主張を実現しようとすれば行き着く先は核武装になるは ずです。IAEAから脱退して、支那の同意が得られれば可能だと踏んでいるのかもしれませんが、その場合米国は日本を海上封鎖するはずです。北朝鮮やイランと違って国際貿易なしでは生きられない日本はすぐに干上がるでしょう。
日米が戦争になれば、米国は東半球で行動が取れなくなります。この隙に西太平洋とインド洋に進出するのが中共の目論見なのでしょう。日独と不可侵条約を結んで時を稼ぎ、日独と米国を戦わせて両者を疲弊させた隙に支那と東欧を奪い取った作戦の焼き直しです。
米国は日本の核武装を阻止するためにこれから民主党政権を様々な方法で締め上げるはずですが、小沢氏は松岡洋右同様に「もっと米国を脅さなければならない」と考えて瀬戸際外交をエスカレートさせるでしょう。北朝鮮やイランの支援、タリバンの支援すらやるかもしれません。
どうもこれは完全な衝突コースです。これでは日本はまた焼け野原になってしまいます。阻止するには参議院選挙で自民党に参議院で過半数を取らせて、政権に対抗する力を与えるしかありません。小沢氏は松岡洋右同様に、自分が世界を手玉に取った気になって酔っています。参議院選挙で民主党が勝てば、誰も彼の暴走を止めることができなくなります。日米はおそらく敵対状態にはいるでしょう。
米軍を日本から撤退させ、日本の軍備を増強させる(核武装も含めて)ことは基本的には正しいですが、今の民主党のように世界をあざむくようなやり方で進めることには反対です。理屈をこねて満洲、支那、仏印と占領地を増やして居直ったときと同じで、世界中から総スカンを喰らうでしょう。
特に民主党が頼りにしている支那は80年前の日本のやり口を思い出して、土壇場で梯子を外すのではないかと思います。支那としては米国と敵対してまで日本を保護する動機はなく、米国と一緒に日本を料理する方が、安全ですし、利益は大きい。
やっとわかりました、小沢の目標は火事場泥棒的なやり口で日本を核武装させることです。しかしこれは絶対に失敗します。おそらく支那の裏切りによって失敗します。その時、日本は米国・支那・東南アジアの信頼を失い、自衛隊は更に弱体化させられることになるはずです。政治的独立も侵害させられるかもしれません。困ったことになりました。
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いつもながら、べっちゃんさんが指摘するとおり、この沖縄問題は、「沖縄問題」=「県外基地移設」=「米軍撤退論」=「駐留なき安保」=「核武装」への道を開くことなんです。
前回でも言いましたけど、現政権の国粋主義的面から、六カ国協議、IAEAから北朝鮮より日本が先に脱退を表明する危険性は本当にあるかもしれない。
だけど世界は保険として、事務局長と次長を日本人にしたんですよね?
天皇陛下等々の皇族すら道具として平然と使役する気が満々ですしね。orz
投稿: 保守系左派 | 2009年12月16日 (水) 21時06分
日本が核武装で支那からの脅威を取り除こうとすれば、支那を壊滅させられるだけの核弾頭を保持しなければならず、これはかなり大変だと思います。
反面、支那は現状でも日本を壊滅させられるだけの核弾頭を保持しています。駐留米軍なしでは日本に勝ち目はありません。
民主党は米国に嫌がらせを繰り返して米軍を撤退させるつもりのようですので、果たして駐留なき安保となったときに、米軍が日本を守ってくれるかどうか甚だ心許ないと思います。
核武装ではなくて通常兵力の強化が先ではないでしょうか。
核武装にしても通常兵力の強化にしても、何らかの"国難"が迫らないと国民や国際社会の理解を得られません。民主党のやり口を見ていると、ワザと国難を醸成しようとしているように思えてなりません。征韓論です。
皇室の政治利用や、天皇の韓国訪問は保守派を怒らせて、騒擾状態を作り出そうという誘い水ですし、沖縄の米軍弱体化は西南諸島を支那に攻めさせるための布石ですし、在日外国人参政権は、対馬や九州の自治体を無防備にさせるための手です。
しかしねえ、そううまくいきますかねえ。
歯痒いかもしれませんが、自民党と公明党と共産党は絶対に怒っちゃいけませんね。ナチスの国会議事堂放火事件になりますから。あくまで冷静に攻めなければなりません。民主党のやり口は拙劣ですので、今回の小沢の会見のようにボロを出して、少しづつ国民の支持を失っていくでしょう。
投稿: べっちゃん | 2009年12月16日 (水) 22時32分