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2009年12月 1日 (火)

まあ緩和自体は悪いことではない

 今回の日銀の決定は、特に画期的なことをしようとしているわけでも、額が大きいわけでもないが、夏の終わり以来金融引き締めを示唆してきた日銀が金融緩和に梶を切ったこと自体は歓迎したい。

 ただし日銀が債券を買うことには需要を喚起する能力はないので、これの効果を過大視するのは間違い。需要不足の状況で、これだけではインフレにもならなければ経済成長もしない。政府の財政出動が不可欠。

 あと、民主党は預金金利引き上げによる所得引き上げ?という珍妙な政策をこれで放棄したとみなしていいんですよね?ゼロ金利とは即ち預金金利も引き下げることを意味しますので・・・まああのヘンテコな政策のことは忘れてあげるのでもう持ち出さないでね。

 まあこれによって民主党政権は「通貨流通量が足りないからデフレになるのだ」という逃げ道が塞がれたわけです。今の日本のエコノミストは、お金が足りないことと需要が足りないことを混同している手合いが多く、株屋や金融家もこれにひきずられて、金融緩和をすれば景気が良くなると勘違いしているわけですが(今日の株の爆上げもそれが原因)、政府の財政出動がない限り需要は増えませんので景気は良くなりません。

 これで残された経済対策は政府による公共事業しかなくなったわけです。これで民主党が緊縮予算を組んで景気が悪化すれば、最終的に公共事業が景気回復のキモであることが証明されるでしょう。

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コメント

>あと、民主党は預金金利引き上げによる所得引き上げ?という珍妙な政策をこれで放棄したとみなしていいんですよね?

 松尾先生が「社会主義者が剰余価値所得範疇を擁護するなよ!」といって吹いたのを思い出しますね。
 民主党の本質というか支持者に金融資本主義(個人投資家、外資系金融、ヘッジ・ファンド、エコノミスト等)を信奉する方達が、多数いましたから。国債の長期金利の上昇(1.3→1.5%)と急落があったのも、仕掛けがあったのでしょう。

>これで残された経済対策は政府による公共事業しかなくなったわけです。これで民主党が緊縮予算を組んで景気が悪化すれば、最終的に公共事業が景気回復のキモであることが証明されるでしょう。

 この失われた××年の間に唱えていたことが、全部間違ってましたということになるので、サステナビリティ優生学的な面をもった、「スモール・イズ・ビューティフル(理屈の届く小さな地域)」=地方分権=地域主権ではなく、サステナビリティは「大きな政府」が正しいとなるわけですから。 

 民主党政権が続くのは癪に障りますが、金融緩和と公共事業+将来的な増税と福祉の充実という福田・麻生政権の政策パッケージを継承してくれるのであれば、まあ続いてくれても構いません。

 半年間くらいのマイナス成長までは許容しましょう。半年を超えても経済的に結果を出せなければ、我々が文句を言うまでもなく引きずり下ろされるでしょうが。

 でも今の総理大臣は外交でひどい失点を繰り返していますし、脱税という総理大臣としては一番やってはいけないことをしていますので絶対に替わってほしいですけれどね。

 日本が公共事業と福祉国家の組み合わせでデフレから脱却してしまうと、欧米の政財界でかなりの混乱が生じるでしょうね。

 経済政策がまともなら何とか我慢は出来る(するしかない)。
 ただ、検察は不起訴の方向とか。
 民主党政権に、コンプライアンスが欠落どころか、憲法並びに関係法令を無視する態度だけは許しがたいですね。

>日本が公共事業と福祉国家の組み合わせでデフレから脱却してしまうと、欧米の政財界でかなりの混乱が生じるでしょうね。

 日本PFI協会(植田和男理事長)は12月初旬にも鳩山政権にPFIの活用推進を提言する。政策転換で公共部門の変革が予想されることから、PFIの意義や役割をあらためて強調し、さらなる活用を促す。提言では、PFIの実施が、ライフサイクルコスト(LCC)の重要性をはじめ公務員の意識改革につながる点や、日本型PFIを東アジアに普及できれば、相手国にとっても有益で日本の大手建設会社も進出しやすくなる点などを示す方針だ。既に案をまとめており、協会員に意見照会した上で関係省庁に提言する。

 国内では既に400以上の事業でPFIの実施方針が公表され、民間ノウハウの活用がさまざまな形で公共サービスの効率化に寄与してきた。新政権が行財政改革などの政策転換を進める中ではPFIも注目されるとみて、同協会としてあらためてPFIの積極活用を提言することにした。提言では、PFIの導入が公務員の意識改革につながり、ライフサイクルコストの低減などの行財政改革にも寄与する点を強調。PFIにかかわることで、公務員が従来にない公共サービスの考え方を身に付ければ公共部門の国際競争力強化が実現する点も主張する考だ。

 事業コストの削減に加え、高熱水費をはじめエネルギーコストにも意識が向くことから、二酸化炭素(CO2)の排出削減に有効なことも指摘する。これまでの実例から、PFIが地方の優良建設会社の育成につながる点も示す。PFIでは、設計、建設だけでなく、維持・管理を含めたマネジメントにも携わることになるため、地方の建設会社が公共事業全般に業務範囲を拡大することにつながる効果をアピールする。

 日本型PFIを東アジアの国々に普及させる効果も明示する考え。非効率や非契約主義など日本同様の課題を抱える東アジア各国の公共事業にPFIが大きな改革をもたらす可能性がある。PFIが普及して日本式の契約書などが採用されれば、日本の建設会社が事業に参入しやすくなるメリットもあり、国際競争力の向上につながる。提言は、自治体、民間企業を含む協会員に意見照会した上で、内閣府のほか国土交通、財務、総務、外務の各省に提出する予定だ。

 公共事業が全てPFIやCM(コンストラクション・マネジメント)・FM(ファシリティー・マネジメント)になってしまうと、中小は労働力のみを提供するだけの存在に成り下がるので、会社組織が事実上消滅し「個人請負型労働」になるのではと一方では危惧しているんです。 

厚生労働省「個人請負型就業者に関する研究会」
同研究会は、厚生労働省政策統括官(労働担当)が招集し、趣旨として、「個人自営業者であっても、1つの企業と専属の委託業務契約や請負契約を交わし、常駐に近い形で就業するいわゆる個人請負型就業者(ディペンデント・コントラクター)のような雇用と非雇用の区別がつきにくい層が出現し、既存の制度や法律の適用から漏れている場合が見られるといった問題が指摘されている」「本研究会を開催し、個人請負型就業者の実態把握を行うとともに、実態を踏まえた施策の方向性について検討する」としている。

 近代の法というのは"平気で嘘をつく人々"を捕まえることが非常に難しいようにできています。こういうモラルハザードを起こしかねない人がリーダーにならないように、各組織は運用面で何とかしていくしかないんですよね。

 残念ながら現代の情報社会は、情報処理に長けている境界性人格障害が高い地位に就きやすいようにできています。この境界性人格障害という社会を破壊しかねない人たちへの対処方法を世の中全体で真剣に考えるべき時にきていると思います。

 最近ちょこちょこ聞こえるようになってきた"モラルハラスメント"という言葉は境界性人格障害の部下による上司の虐待を指しているのではないかと私は思っています。

 鳩山氏は、どうも小沢氏以上に重度の人格障害のようですから(小沢氏は一応現在と過去の自分の発言の整合を取ろうという努力が見られるが鳩山氏には全く見られない)、尋問しても仕方がないと地検は思っているのかもしれませんね。

 「言った、言ってない」「捜査官の圧力で仕方がなく」という方向に持ち込まれたら話が変な方向へ進んでしまいますから。

 PFIも日本の知識人お得意の英国の取り組みのようですね。私も英国は好きなんですが、サッチャー以来三十年間改革に成功し続けている割りには改革の種がなくならない不思議な国ですよね(笑)

 私も"個人事業主"という名の"奴隷"が世の中に増えているような気がしています。

 公務員の労組を支持基盤にする民主党が行うところの行政改革とは、公務員の給与削減になるはずもなく、行政が外に任せる仕事の経費削減(要は下請けいじめ)になることは目に見えていると思います。

 行政が率先して下請けいじめに走れば民間もそれに倣うでしょう。あるいはそれが民間の知恵といいたいのでしょうか。もうそろそろ"減価による改革"からは脱却して、"より価値を高める方向の改革"を目指していきたいですよね。

 請負だろうが何だろうが、時間で割った賃金が最低賃金を割っていれば最低賃金法違反です。

 しかし請負であればいくらでも賃金を削って構わないという誤った認識がいつの間にか蔓延しています。

 仕事を任せる側による度を超した経費切り下げ要求がひどくなっているように思います。

 常識的に考えて原価割れの価格で仕事をやらせるのはおかしいのですがこれが平気でまかり通っています。

 結局過半数の中小企業には製品の価格を引き上げる力はなく、インフレでなければどうしてもこのようなつぶし合いの価格競争になってしまうのでしょう。

 インフレになるだけで、かなりの中小企業を救えることができるんですが。

 デフレで生き残れない力を持っていないと言ってしまえばそれまでなのですが、インフレで助かる国民が多いというのならば政府は国民の福利のためにインフレを目指すべきでしょう。

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