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2009年12月30日 (水)

「易経」の成立

陰暦 十一月十五日

 五経の一つである「易経」の編纂過程について文体から分析を続けてきましたが、概要がつかめました。

「原易経」「原典A」

  • 占断を表す64個の文字が並んだ書物
  • 占いの本ではなく辞書だった可能性あり
  • 古くて手がかりが少なすぎるので著者不明

「商易経」

  • 「原易経」を4象X4象=16卦、4爻の合計64爻辞に再編成
  • 占い、呪術のテキスト「原典B」から9卦、5爻の合計45爻辞を追加
  • さらに「原易経」を増補し、5象X5象=25卦、5爻の合計125爻辞に再編成
  • 5進法になっているのは十干の思想の影響?
  • おそらく商の暦官が著者

「西周易経」

  • 「商易経」を「原典C」(「詩経」に近い書物)で増補し6象X6象=36卦、6爻の合計216爻辞に再編成
  • 「原典A」と「原典B」の原意が一部わからなくなってきている
  • 上卦と下卦の概念が発生
  • 殷周革命期の歴史や風習の記録が含まれている
  • おそらく西周の史官が著者

「春秋易経」「戦国易経」

  • 「西周易経」に解説、吉凶判定、儒教的教訓が追加される
  • 「原典A」と「原典B」の原意が全くわからなくなっている
  • 最終的に8象X8象=64卦、6爻の合計384爻辞に再編成
  • 論語・春秋に引用されている(中原諸国の卿丈夫が編集した「春秋易経」?)
  • おそらく中原諸国の卿大夫が吉凶判定と解説(原意は不明になっている)を加えてできた「春秋易経」に儒教教団が儒教的教訓を追加して「戦国易経」を作成
  • その後、陰陽思想の概念を持った学者(荀子?)が象伝を追加

このあと戦国、秦の焚書坑儒、楚漢戦争でいったん散逸

「西漢易経」

  • 散逸した「春秋戦国易経」を復元
  • 復元の過程で順序の混乱が生じる
  • 本文の付け加えはないと考えられる
  • 吉凶判断について関心が薄い傾向がある
  • ほぼ現在の形にまとまる

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