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2009年12月24日 (木)

財務省グッジョブ!

 今回の民主党予算は、一兆円増税して、銀行預金を一兆円増やす仕組みになっています。この不況では銀行は一兆円預金が増えても国債を買って運用するしかありません。これは即ち一兆円増税して、一兆円国債受け入れ余力を上げる政策で、財務省的には"二兆円の増収策"といいたいのでしょう

 これすなわち、財務省は「デフレ不況下では、お金を家計にばらまいても家計は消費をしないで預金を積み上げるだけだし、預金が増えた銀行は企業には投資せずに国債を買うしか選択肢がない」というバランスシート不況論を承知の上で作った予算といえるかと思います。

 バランスシート不況論に則れば、デフレギャップがある限りは国債金利は上昇しないので、国債を大増発して果敢な財政出動して景気を回復させるべき と言う結論になるはずなのですが、その部分を財務省は意図的に無視して、自分に都合のよい部分だけつまみ食いして、デフレ状況を悪化させているといえると 思います。

 平成21年10−12月期と平成22年1−3月期のマイナス成長はほぼ確定的で10−12月期の統計が発表され、1−3月期の結果が見えてくる2 月頃から国会は混乱するはずです。果たしてこのまま差し引き増税の税制改正かつ財政支出が縮小で景気抑制効果が強い予算を可決してよいのだろうか?という 疑問が議事堂の内外生じることは必定だからです。

 人数で言えば増税の人たちの方が多いはずです。そうすると、民主党は夏の参議院選挙を増税+二期連続マイナス成長+首脳の金銭スキャンダル+普天間基地問題のスタックという四重苦で戦わなければなりません。これでは絶対に勝てないでしょう。

 私としては民主党が参議院選挙で負けるのは望むところですので、民主党は財務省と一緒にこのまま自滅の道を突き進んでいただきたいのですが、民主党は予算の年内策定というメンツにこだわるあまり経済的に自滅の道を進みつつあると言うことを自覚しているのでしょうか?

 民主党の議員は、必死に国会議員になった割りには、政府というものが経済に対して絶大に力を有しているという自覚がありません。与党が言ったこと を官僚は全力で実現しようと頑張ります。けれどもそれが経済的に間違った政策だとしたら、責任を取るのは官僚ではなくて与党なんですが分かっているので しょうか?

 経済的に間違った政策を推進する与党を諫めずに自滅に全力で協力している財務省は間接的に民主党の破壊工作を推進しているとみなしてよいでしょ う。一種の焦土作戦です。半年間でどこまで日本経済が打撃を受けるか分かりませんが、春までには民主党政権の経済的大失政が明らかになっているでしょう。 まあ、官僚が与党を諫める途を自ら閉ざした民主党の自業自得ですけれどね。

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コメント

鳩山は一年も持たないんじゃないかな。
ところで、
鳩山さんの、先の発言は憲法改正に意欲なんですかね?
禁断の園に足を踏み入れた観もある。
これだけは、手段を選ばず、で強引な足の引っ張り合いが出てくる。憲法9条だけは命をかけてでも護ろう、としている人が多いのです。
だから、内閣をできるだけ長く延命させたい方は触れたがらない懸案だったんですが……。
結末は安倍さんのようになるんじゃないか……。

 温暖化問題も財源探しも経済もうまくいかないから苦し紛れに人気浮揚につながりそうなことを口にしているだけだと思います。

 けれども菊池さんがおっしゃるようにこれはパンドラの箱ですのでよほど注意しないと足下をすくわれます。自民党の凋落も、小泉総理が皇室典範問題でミソをつけて選挙に圧勝したのに最後の一年間レームダックになったことと、安倍総理が憲法改正手続き法の採決で野党のプロパガンダに負けて"強権政権"のイメージを国民にもたれてしまったのがきっかけでした。

 民主党の小沢がご執心の在日外国人地方参政権付与に憲法が邪魔になると言うことにようやく気がついたのでしょう。この人司法試験にチャレンジしたことがあるのにこの程度のことも国会の直前まで気がつかないとは。基本的に法律の精神が分かっていないので司法試験に落ちたのでしょうね。

 法律ってのは人間社会の最低限の合意事項であって、自分のわがままを押し通すための道具ではありません。法律の解釈は社会全体の合意にそって下すべきです。

 それに対して小沢も鳩山も、法律は自分で好き勝手に解釈しても構わない、それが通るか通らないかは権力がものを言う、と心の底から思っておりそれが彼等の様々な失敗の根源です。これはもう一生治らないでしょう。

 自民党や官僚は合意の形成に細心の注意を払っていました。民主党の面々はそれを「そんなもの恫喝やパフォーマンスで押し通せばいいのに」くらいに思っていたのでしょうか?そんなことをすれば第二第三の小沢鳩山がこの世にあふれて収拾がつかなくなります。

 武藤章に「あなたと同じことをやっているだけです」と言われてぐうの音も出なかった石原完爾と一緒です。その武藤章もいざ責任ある立場に立つと辻政信や牟田口廉也の暴走を止めることができず刑場の露と消える羽目に陥ったのです。

 「公共事業が15~17%(1兆円)減ると、下請け業者も含め25万人くらいの雇用がなくなる可能性がある」ぐらいの最低限度の認識は持ってもらいたいですよね。
 地方の民間平均収入は約240万円で見れば、約45万人の失業者=生活保護受給者を増やすことが「コンクリートから人へ」であって、子供手当てを受給しても、職そのものを喪失して二度と得ることが叶わない社会を構築することでしかありません。
 それにしても、「憲法」を平然と踏みにじる「踏み絵」をしている印象は拭えませんね。どの程度までなら許されるか、範囲の拡大をどのようしたらなされるか、意図的におこなってますよね。
 いつのまにか「官から民へ」の流れは「官から政へ」となり、「政」の混乱を見せつけて、「官から党へ」と流れとなっていて、それを当然のこととしている空気を作り出しています。恐ろしいことです。
 「陳情の一本化」で、現実に霞が関(国土交通省)の官僚は、恐怖政治の元にあります。先だって陳情に行った方からの話で、地方の副市長だった方が、課長としているので挨拶に行ったそうですが、開口一番「民主党の了解を得てますか?」と聞かれたそうです。「先ほど小沢幹事長に陳情して、了解を貰っています」と言ったので、局長クラスへの面談等を恙無く出来たそうです。了解がなく行った地方自治体や官僚には相当な嫌がらせがあるようです。局長以下、ビクビクする様を見たり、民主党系の市長村長が、地元の選挙区選出の民主党国会議員→県連→党幹事長を通してない陳情は、「一切受け付けるな!!叩き返せ!!」で実際、面前で叩き返されたそうです。恐怖政治ですよ。
 腐ったとか不透明とか言われますが、自民党も官僚も「合意の形成」に民主主義のコストを掛けていたわけです。これらを批判している方達は、「コスト意識が欠落」しているとしか思えません。
 ただ財務省(旧大蔵省)の頃から続く、財政再建至上主義の 、バブル嫌いの根底には「利害関係をもつ」ことは、「人の心に黄昏(逢魔が刻)をもつ」ことで「穢れる」というような日本的エートスにより、経済活動の活発化への忌避と心理的な繋がりがあるのかと思う部分もあります。
 それとは別に、日本の労働市場だけが、新古典派経済学の理論が適用されている状況(賃金下げや有期雇用による失業を抑える)から見た場合、財政再建至上主義(グノーシス主義的かつユニテリアン(友愛)主義を拡大させる面を持っていたのではないか)が止まない限り、このウロボロスの蛇は消滅しないようにも思えるんですよね。

保守系左派さんこんばんは

民主党の政権運営はそこまで露骨なんですか。

しかし恐怖政治っていうのはかなり運営力がないと維持できないものです。民主党にそこまで緻密な力があるとは思えません。そのうちぼろが出て自滅するか、請願の処理が面倒くさくなって放任主義になり、最後は無政府状態になって終わるような気がします。

過去の歴史を見ると、徳川綱吉みたいな理想に燃えた権力者と言うのは最祖全部自分でやろうとしますが、そのうち手に負えなくなって、最後は縁故主義、放任主義になって終わるのが相場です。

特に日本人はこのような恐怖政治を運営する力も度胸もないし、恐怖で支配されるほどの従順さもないです。

おそらくねえ、民主党側も、官僚側も恐怖で支配されるのと支配されるのにそのうち飽きるんじゃないかと。

 自民党再建に期待できるかというとそうでもなくて、いっそ麻生さんの路線を引き継ぎ、経済対策を重視した政党が出てくれればいいなと思っています。(みんなの党は少し気持ち悪い)
 どうも、大勢の国民が麻生政権下の政策を嫌っているかというと、必ずしもそうではなく、今回の政権交代も「自民党政権への不信」ですし。

 孝司さんおはようございます。

>いっそ麻生さんの路線を引き継ぎ、経済対策を重視した政党が出てくれればいいなと思っています。

 そうなんですよね。

 日本が抱えているたいていの問題は経済成長が実現すれば解決します。今の先進国が陥っている深刻なデフレ下では国債を100兆円くらい増発しても、利率はぴくりともしないでしょうから経済対策の財源としては国債を使えばいい。

 長期的には増税とサービス給付中心の福祉で、雇用と格差の是正をすればいい。(民主党が掲げる補助金中心の福祉はデフレを悪化させるのでダメです)

 鳩山政権は麻生政権の成長戦略を丸まるパくった物を発表しましたが、財源の裏付けがない限り絵に描いた餅に過ぎません。

 自民党と民主党の中で経済政策と重視する勢力と、財政再建を重視する勢力がそれぞれくっつくのが一番良いと思います。

 そのためには「財政再建をすれば、経済が成長するはず」という日本だけでなく先進国全体に広まってしまったこのデマを払拭しなければなりません。

 政府支出は経済成長にちゃんとカウントされます。政府支出の拡大が経済成長の足枷になるのは民間に旺盛な資金需要があるときだけなんですね。

 それと「規制緩和さえすればたちどころに数兆円の需要が生まれる」という経済界に根強い誤解も修正しなければなりません。

 規制緩和は、競争の強化(これは必ずしも悪いことではありませんが)による中小企業の没落と大企業への統合強化をもたらし、これは結局規制が緩和された業界全体のコストカット(即ち人件費の抑制、あるいは海外逃避)をもたらして、国家全体の成長にはマイナスに作用しました。

 国家というものを敵視せず、みんなの共有財産として充実させていく、そういった動きを国民の主流にしていきたいものです。

 今の先進国で"政治の失敗"とされていることのほとんどは首都圏への資源集中・大企業への統合・金融の肥大化とその裏面である地方の過疎化・中小企業の没落で説明がつきます。

 これを解消するには政府の役割を拡大すればいいのですが、政府サービスが充実すれば利益を得るはずの地方の住人や都市の貧困層が、積極的に政府の破壊に手を貸しているという現実があります。

 彼等が政府不信に陥ったのはマスコミの役割が大きいです。

 選挙の度に大都市・大企業・金融を利する勢力が力を得て、それによって被害を被った地方の住人や都市の貧困層が更に政府の充実を説く政治家を攻撃するという悪循環が続いています。

 また、面白いことに本来大きな政府派であるべき労働組合が日本では政府の破壊に手を貸しています。

 日本ではなぜか、批判が大企業や金融に向かないように、マスコミや労働組合のような左翼勢力が積極的に大企業や金融の走狗として働いている実態があります。

 そして左翼政権であるはずの民主党がなぜか政府を小さくして、大都市や大企業への更なる集中を進めているわけです。つまり攻守所を変えて、いつのまにか日本や英国では左翼が大資本の忠実な僕となり、保守勢力が福祉の充実を訴えるというねじれが生じてしまいました。

 保守側にも問題があります。

 保守と自由主義的経済学は本来別物です。"みんなの共有財産である国家を充実させる保守"があってもいいはずです。

 けれども今の保守勢力の中で政治に興味を持って先鋭化している人たちほど、やはり政府の役割を縮小しようとしています。

 つまり右翼もいつの間にか大企業と金融の走狗になっていたというわけです。

 時の政権与党が政府の債券に取り組もうとする度に、左右両側から政権を揺さぶって、政治不信を醸成して、大きな政府派を弱体化させると言うことがこの三十年間というもの繰り返されてきました。

 ただ大企業で働いて中を知っている立場から言わせてもらいますと、企業が左翼や右翼の活動家に金品を渡して、大企業が利益を得られるような政治的状況を作らせる、などということは絶対にしていません。

 今の日本の企業は、構造的にそのような繊細で淫靡な活動はできないようにできています。

 彼等左翼や右翼の活動家が、政府や企業から本気で怒られないけれど、人目を引くような活動・・・を追求していった結果、現在のような政治状況ができあがったのではないかと私は思っています。

 大企業に勤めているから大企業を弁護しているのではなく、これは正直な観察です。

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