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2010年3月31日 (水)

貸出金利の決まり方

陰暦 二月十六日

 財政再建主義と民間万能主義のコメンテーターやエコノミストの常套句なんですが、政府が大量に国債を発行しているので、民間企業に融資が回らなくて日本の産業は停滞しているのだ、というのがあります。

 実際は金融機関は国債を買ってもまだ預金過多ですので、国が企業の金を横取りしているのではなくて、金融機関は金を貸したくてたまらないのに、企業がどうあっても借りようとしないというのが実態です。

 ただし、未だに企業が借り入れた金の金利負担に苦しんでいるのもまた事実であって、なぜそのようなことになるかというと、国債の返済利子が企業が耐えられる利子よりも高いからです。

 普通に考えれば、企業よりも国の方が信用できるので、企業は必ず国よりも高い金利でしかお金を借りられません。国は現在平均して借りたお金に年1.3%の利子を付けて銀行(そして預金者)に返済しています。当然企業は超優良企業であってもその年1.3%よりも高い利子を付けないと銀行から金を借りることができません。今の世の中はデフレですので、1.3%でも十分高くて企業は金が借りられない、そういうことなんでしょう。

 企業が金を借りやすくするためには国債の利率を下げる必要があります。その方法は

(1)財務省が1.3%よりも低い利率で国債を募集してみる
(2)国債の発行額を減らす
(3)日本国全体の金利を引き下げる

 (1)でもいいはずなのですがこれはなぜか「できない」ということになっています。(2)は人気がある財政再建です。銀行が嫌でも企業に貸し出さないとやっていけないくらい国債発行額を減らせば、企業向け貸出金利は下がります。けれども、政府支出が減りますので数年間は恐慌になります。政府の支出は日本のGDPの30%近くを占めます。これが減ると大変です。

 財政再建をすれば企業への融資が進むというのは長期的には正しいのですが、短期的には大変な苦しみを伴うことを自覚しなければなりません。財政再建大好きなエコノミストどもはそれを自覚した上で国債発行額を減らせと主張しているのでしょうか?とりあえず橋本政権の財政再建失敗について総括してから話をして欲しいのですが。

 (3)は金融緩和です。日銀が貨幣をばらまいて金余りにして金利を下げるのです。

 しかしバブル後の日本の経験や世界同時不況の欧米の経験に照らし合わせるに、金融緩和には恐慌を防ぐ効果はあるけれど、企業が投資をしたくなるほど金利を下げる効果はないようです。剰ったお金は新興国の株とか不動産に向かって国内では使用されない傾向があります。

 そもそも金利のベンチマークである国債利率は貸し手である銀行がよってたかって決める物ですので、銀行の自主判断に任せて、銀行の儲けが減るような低い金利を銀行が国債に設定するはずがないのです。

 じゃあどうすればいいのか?財務省が「市中で適正」といわれている金利よりも低い金利で募集するということを繰り返して金利を引き下げるしか方法がないのではないでしょうか?その「市中で適正」という水準が本当であるかどうか試すのです。

 応札がなければ元に戻るだけです。やってみる価値はあると思います。

 公共事業と建設業界、介護事業と人材派遣業、環境政策と原子力産業、どれもこれも政府との密着が噂されていますが、なぜ国債発行と銀行業界が利権として(旧)野党は愚かマスコミからも全くノータッチなのか不思議でなりません。銀行が国債から得ている利益は建設業界が公共事業で得ている利益の比ではなく(桁が二つくらい違う)、しかも公共事業の受注と違って、国債の応募の場合は価格決定権は政府側ではなく応募する銀行側にあるのです。

2010年3月30日 (火)

「ゲゲゲの女房」を見た

陰暦 二月十五日 【涅槃会】【望】

 初回の視聴率は最低だったそうですがひそかに期待している「ゲゲゲの女房」を見ました。ここ一年くらい「皇室アルバム」以外にほとんどテレビを見ていないのですが、ようやく二つ目の番組ができました。

 岡山弁とは若干違うのですが、伯耆弁が懐かしかったです。語尾は大体同じ、イントネーションも大体同じ。

 水木先生の奥様も境港出身だったのか。出征前からの付き合いなのか、帰ってきてから仲良くなったのか気になるところです。復員後だとしても話を面白くするために出征前からの仲ということにするでしょうが(笑)

 朝のドラマにとってはいつものことですが出だしはよかったです。この雰囲気を後半まで引き継げるかですね。

2010年3月25日 (木)

富士通総研が落ちた!

陰暦 二月十日 【電気記念日】

 富士通総研のコラムにバランスシート不況論が載りました。

 どうするすべきか、過剰な企業貯蓄

 この根津利三郎氏は前からリフレ政策に親和性のある主張をしていた人だったのですが、今回ついにリフレ政策のみならずバランスシート不況論も認めました。つまり企業も家計も金融機関も(!)貯蓄(債務返済)に走っている状況では、政府が金を借りるしか経済を縮小から救う方法がないことをハッキリと認めました。

 企業の研究所で働いているエコノミストがバランスシート不況論を認めたのは、提唱者のリチャード・クー氏(野村総研)を除けば 根津氏が初めてではないでしょうか?リフレ政策を提唱するエコノミストは多いのですが、バランスシート不況論はここ十数年の世界中の企業の趨勢に異を唱える議論ですから勇気がいるのか、提唱する人はなかなかいませんでした。

 今回やっと二人目が現れたことで、後が続きやすくなったと思います。状況は最悪に見える化も知れませんが、金融緩和と公共事業によるデフレ脱却のパッケージの世間一般への理解は確実に広まりつつあります。

2010年3月24日 (水)

槌田敦敗訴!

陰暦 二月九日 【彼岸明け】

 温暖化を否定する不逞の輩である槌田敦氏がこともあろうに気象学会と東京大学を訴えてあえなく敗訴しました。でもこの記念すべき勝利の記事がどのマスコミのホームページにも載っていません。温暖化懐疑論者を根絶やしにすべくこれを広く知らせようと思います。皆さんもブログや掲示板などでこれを知らせましょう。

槌田VS気象学会損害賠償事件

原告支援者の哀れな言い訳 を読んで温暖化懐疑論者を嗤おう!

2010年3月23日 (火)

円安にするための二つの方法

陰暦 二月八日

 コメントを書いていまして、円安に導く方法には二種類あることに気がつきました。経済に詳しい人には当然すぎることなのでしょうが、世の中ではこれらは混同されていますので、頭を整理するためにメモしておきます。

 物の値段を安くするには、有難味を減らせばいいのは、物も貨幣も変わりありません。世の中にその物があふれれば価値は下がります。ですので円を安くするには円を増やせばいいことになりますが、大きく分けて増やす方法は二つあります。

  1. 国外で円を増やす
  2. 国内で円を増やす

 1がいわゆる為替介入という物で、政府(実行するのは財務省)がドルを買って円を売ります。こうすれば海外で円が余りますので円が安くなります。平成15年(2003)に小泉政権が大々的に行った円売りドル買い介入(溝口介入)はこれ。

 2が金融緩和で、貸出利子を下げてお金を借りやすくして国内で円を使う人を増やします。もっと増やしたい、あるいはそれでも借りてくれる人が増えない時には、日銀が手形や国債を民間から買い入れることで円を増やします。

 国内で円の価値が下がると、例えば300円のハンバーガーが400円になります。その時米国でハンバーガーが3ドルのままであれば、大雑把に言って1ドルは100円から133円となり、円安ドル高になります。

 1はより直截的で効果が出るのも早いのですが、円キャリートレードが発生して外国でバブルを醸成したり、円安となって日本の輸出が増えて輸入国の産業が打撃を受けた時に、日本が「自分勝手だ」と攻撃を受けやすい難点があります。目立つやり方ですのでそう簡単には使えません。

 2は国内の問題ですので外国からは非難されることはありませんが、コントロールに失敗する渡航インフレになって国民は生活が苦しくなります。主に金利収入に頼っている人(資産家、地主、年金生活者)は収入が目減りして生活が苦しくなります。給与生活者は給与の引き上げがインフレに追いつけば実質的にはそれほど生活が苦しくはなりません。

 デフレというのは逆に国内のハンバーガーが300円から200円になる事態でして、その時に米国でハンバーガーが3ドルのままであれば、1ドルは100円から66円になりますので円高となります。1990年代と、ここ2年間に起きた不景気の原因はこれです。

 もう一つ1の変形として「外国に援助(賠償)の名目で円を配る」というやり方もあります。戦後に賠償の名目で東南アジアや支那に配った円借款です。円をもらった国は円で商品を買わざるを得ないので日本産業の振興に役立ちます。円よりもドルが欲しいと考えれば、円を米国や欧州に売ることになりますので円安になります。さらに円を手に入れた米欧は日本の商品を買ってくれます。援助(賠償)というのは意外に無駄の少ない産業振興策なんですね。

 そう言った意味では排出権取引の名目で日本のお金を新興国や発展途上国に配ることは産業の振興に役立ちます。けれども、なるべく「円」が外国の手に渡るやり方がいいのは今説明した通りです。それと財源を税金にすると国内の消費と生産を萎縮させますので財源は別途考えるべきです。

2010年3月20日 (土)

ついに本性が出た

 The Economistの今週号の社説は欧州の中で比較的経済が好調なドイツをヨイショする話だったのだが、その理由として「ドイツは実質賃金の引き下げに成功し・・・」という下りを読んでいて茶を吹き出しそうになった。

 確かにそれは事実だ、しかしそれを見習うべき美点として取り上げるか?The Economistよ。

 The Economistは資産家やホワイトカラーを読者としているので、ブルーカラーの賃金抑制を主張するのはわかるのだが、この露骨な論調の行き着く先は階級闘争だぞ?わかっているのだろうか。ストで公共交通や学校が頻繁に休みになって社会が麻痺する70年代のイギリス病真っ盛りのあの世界だぞ。

 階級益を臆せず主張する同誌の論調にはいっそ清々しさを覚えるが、この調子だとすぐに日本のマスコミもこれを真似るだろう。こりゃ間違いなくこの先二十年は階級闘争の時代になると見た。イスラムテロとか支那の台頭なんて吹っ飛ぶわ。引き金を引いたのは資産家の側です。どうなっても知りませんよ。

韓国の大企業には見習うべきところもあるとは思うが・・・

【陰暦】二月五日

 これもすぐ見本を引き合いに出したがる人たちの話だが、こんどは現代やサムスンといった韓国の巨大企業が日本の目指すべき姿なんだとか。もちろんこれら韓国の世界的大企業は大したもんだと思うし見習うべきところもあると思うけれど、韓国の企業の競争力の裏には、国内の絶対的な独占状態と、低い人件費がある。

韓国、貧困層が300万世帯突破(全世帯数の18%)

 世界的大企業が育った結果、韓国の大多数の人はどうなったかというと、人件費切り下げの影響を受けてむしろ生活水準が下がっている。全人口4,800万人のうち少なくとも700万人が貧困層となって、社会問題となっている。そりゃ人件費が安ければ輸出力はつくだろう。しかも韓国の世界的企業はそれでも足りずに海外に生産拠点を移しているくらいだ。

 それとも日本も同じように企業を統合して寡占を進め、労働者の人件費を切り下げろという意味で韓国を見習えと言いたいのだろうか?それなら論理的に正しいと思うが、私は真っ平御免である。昔のメディアはもうちょっと労働者に気を遣っていたように思うのだが、なんだか最近論調が資本側に偏りすぎではないか。露骨になっている。

 評論家やエコノミストにしたって、雇い主に媚を売っているつもりなのかもしれないが、あなたたちの言論は日本語文化圏でしか売れないのだから、日本人一般の所得が落ちれば書籍も雑誌も売れなくなって商売あがったりのはずだ。いい加減本当の意味で国民の大多数の所得を増やす方向に持っていかないと、結局資本家もメディアも労働者もみんな共倒れになってしまうぞ。わかっているのだろうか?ゾンビ企業が生き残っているから競争力が付かないだなんてすました顔して言っている人達は自分の給料がどこから出てきているのかもう一度考え直すべきではないのか?

2010年3月18日 (木)

口を極めて罵ればよいと思うのだが

陰暦 二月二日【彼岸入り】

 欧州が日本と同じタイプのデフレに入り始めた。米英も軽いけれどやはり同じようにデフレになりつつある。デフレは先進国共通の病なんだと思う。なかなか抜けるのは難しいだろう。多分現役世代の年齢構成が改善する(あと十年くらい?)までは抜けられないのではないかと思うようになってきた。抜けるための方策はあるのだけれどどこの国でも政治的に実行は不可能に近い。

 しかし欧米が日本同様デフレの罠に陥っているのにエコノミストはなぜ欧米を日本同様にボケカスと罵らないのか。やっぱりあの人たちもこれまでに現れてきた外国の事績を翻訳して自分をえらく見せる知識人の一類型に過ぎなかったと言うことなのでしょうか。

 ここ二十年の日本がダメだったというのなら、まんまそれをなぞりつつある欧米もやはりダメだろう。だからそう主張すればいいのに、なぜ欧米のことを庇うのだろう。この人たちは一体どこの誰のために生きているのだろうか。欧米でも日本の失敗が確認されつつあるのだから、そこから日本が抜け出すための方策を見つけ出せばいいじゃないか。今自分が生きている国を良くすることよりも、自分の権威の源を庇うことが優先しているのは情けない。

 ようはどっかのセミナーとか学会で聞いてきた外人の言葉を翻訳しているだけなので、プレゼンをする外人に元気がなくなれば、エコノミストの言うことも鸚鵡返しに元気がなくなる、それだけのことなんだろう。

2010年3月13日 (土)

畜生道とはよく言ったもので

 放鳥の準備中の朱鷺が貂に食い殺されてしまった事件(自然現象のような気もするが)ですが、貂から逃げられないようでは放鳥しても生き残れないでしょう。それに管理者も朱鷺の群が一匹の貂に為す術もなく皆殺しにされてしまうほど野生を失っていたとは想像も付かなかったでしょう

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ユーロを買い取ってしまえ!

陰暦 一月二十八日

 二酸化炭素温暖化説は大嘘ですし、家計に補助金を配る政策は公共事業と比べて非常に景気回復効果が薄いですしが今解決するべきはデフレで、ばらまきはデフレ解消の一助になりますので、どうせやるなら徹底的にやるべきです。

 世界中の二酸化炭素排出権を全部買い取り、ギリシャやイタリアの国債も買い取り、母親が働きに出る必要がないくらい子供手当を配り、農家も実質公務員といえるくらい金を払ってしまえばいいのです。財源は全て赤字国債で大丈夫。

 このデフレ状況では毎年100兆円くらい赤字国債を増発してもクラウディングアウトは発生しないでしょう。いっそのこと仁徳天皇みたいに3年間くらい無税にしてはいかがでしょうか。ばらまきもこれくらい本気でやれば景気が回復すると思います。

 このくらい本気になってばらまきをしまくれば、円はドルに次ぐ決済通貨になります。欧州を支配下におくこともできます。マーシャルプランみたいなものです。あの時の途方もないばらまきが現在まで続く米国の世界覇権の基盤になっています。

 ばらまきもきちんとした戦略を持って徹底してやれば、大いなる可能性を秘めています。

2010年3月 6日 (土)

雇用につながらない経済成長の解消

陰暦 一月二十一日 【啓蟄】

 今の先進国の経済の大きな問題の一つとして「雇用につながらない経済成長」が挙げられると思います。これまでの経済成長は雇用の拡大と生活水準の向上と必ずセットでしたので、豊かさにつながらない経済成長へのとまどいが先進国の人たちから出ています。

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2010年3月 3日 (水)

更新が滞っておりすみません

陰暦 一月十八日

 現実の方で忙しくてブログの方がお留守になってすみません。まあ、現実で良い意味で忙しくてブログに手が回らないというのは悪いことじゃないのでしょうが。

 それにしても今日の持碁は惜しかった・・・持碁は白勝ちなんだよなあ・・・見落としで取られた四、五目で勝負が決まることが最近多くなりました。かなり頑張ったつもりだったのですが、もう一がんばりが必要みたいです。あとちょっとという感じです。

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