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2010年4月18日 (日)

何度も言うようにインフレターゲットと増税は両立する

陰暦 三月五日

 自民党の与謝野氏と園田氏が新党を結成したことにより自民党内で増税と社会保障の立て直しのセット政策を推す勢力が弱まり、財政拡大とインフレターゲットのセット政策を推す勢力が強まることを歓迎する意見と悲観する意見の両方が出ています。

 デフレから脱却するためには、不景気でも需要拡大の行動を取れる経済主体である政府が歳出を拡大するしかありません。つまり財政拡大が必要。使い途は公共事業でも福祉でもどちらでもいいはずです。

 実質金利を下げて、債務者の金利負担を減らして、経済を活性化させるためには金融緩和をしてインフレを起こすことが必要。

 また、政府が増税をしても同じ額だけ歳出をすれば経済は縮小しません。

 小泉・安倍政権時のいわゆる「上げ潮派」は、金融緩和を主張していてそれはよかったのですが、同時に人件費の抑制や大企業への生産の集中も主張していました。財政の縮小も主張していました。福祉の立て直しを目指す勢力がこの時の上げ潮派に反対するのはわかります。けれども今の自民党は金融緩和と財政の拡大のパッケージを主張していますので、それほど敵視する必要はないと思います。

 ただし谷垣総裁が、法人税の引き下げに意欲的な発言を繰り返しているのは警戒するべきだと思います。これでは消費税を引き上げても、実質的に法人税引き下げ分の福祉が削られる可能性が高いです。

 増税が先でも経済再建が先でもどっちでもよいことです。経済再建を先にやってしまったら増税の機運が削がれるというのでは小泉総理の「景気が回復してしまうと改革の機運が削がれる」と同じになってしまいます。自民党が将来の増税と社会保障の拡大を主張している限りは小さな路線の違いを悲観視することはないと思います。警戒するべきは法人税の引き下げだけでしょう。

 それとリフレ派(マイルドインフレ派)も、マクロな見方を標榜するのならば、同額の歳出が担保されるのならば増税は経済を縮小させないと言うことをちゃんと認めるべきです。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

えっと教えて欲しいんですが
べっちゃんさんは基本的にバランスシート不況論に立って言ってらっしゃってるんでしょうかね?

僕も(素人ですが)なんとなく正しいきがするんですけど・・・ホントに大丈夫なんでしょうか。
いや最近の悲観論を読んでるうちに心配になってきてしまって。

バランスシート論が前提にしてる条件が崩れたら、やっぱり破綻もあり得るのかな、なんて思ってしまうんですよ。

そのあたりどないでしょう?

NMRさん、こんにちは

日本の国際は95%までが日本人が保有者ですので、南米やギリシャのような形の破綻(IMFによって国家財政が管理)はありえません。

日本であり得る破綻というか経済混乱は、国家が国債の利子を支払えなくなり、国家が際限なく国債を発行するようになりことです。金を借りて金を返す状態です。

その場合日銀が国債を引き受けて市中に日本銀行券をばらまくことになります(日銀は日本政府の子会社ですので国債引き受けの拒否はできません)。そうするとハイパーインフレになる可能性があります。

ハイパーインフレになると、これまで貯めた貯金はパーになりますが、国家は破綻しません。未だかつてインフレによって死者が発生したことはありません。

ハイパーインフレになる前に日銀が金融を引き締めれば大丈夫です。デフレ脱却は非常に難しいですが、インフレ退治は金利の引き上げによって必ず可能です。

ただ、インフレというのは基本的に好景気の状態ですので、インフレ退治は国民から憎まれます。デフレから脱却する際も生活費が上がりますので(給与の引き上げは生活費の上昇に遅れます)やはり国民から憎まれます。今のままなら日銀はさして恨まれることはありません。だから日銀は金融緩和に非協力的なんですね。

ともあれ、債務が自国通貨建てである限り、国家が債務を支払えなくなることはあり得ないのです。自分で紙幣をすればいいのですから。ただし際限なくそれを行うと、戦争直後の日本やジンバブエみたいになるというだけです。けれどもこれで国が滅んだり、外国から支配されると言うことは未だかつてありません。

ワイマールドイツがハイパーインフレで苦しんだのは、債務がドル建てで、しかも英仏に正貨で賠償金を支払わなければならなかったからです。

 まあ一番堅実なのは増税をしてその分を貧困層のために政府が支出することなんですよね。日本のデフレギャップは30兆円ほどなのですが、増税によって過剰すぎる生産を引き絞り、社会保障支出・もしくは公共事業によって、上を拡大することができます。

 橋本政権が消費税引き上げによる増収を社会保障の充実ではなく財政再建に使ったために大不況を招いてしまったのは返す返すも勿体ないことをしました。あれによって増税=不況という構図が日本人に強く刻み込まれてしまいました。でも増税分をそのまま支出すれば不況にはならないのです。

そういう意味で
ttp://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20100415/p1
こういうのよくわからんのですね。
なんで与謝野をそこまで嫌うのか。

増税派を利用してデフレ脱却することも可能という理性的思考を与謝野がインフレを憎むからし返すという感情的反発が押さえ込むのか…

菅の「増税して景気回復」に
「財務省が経済素人の大臣を洗脳した」みたいな陰謀論とか○○悪玉論とか、ちょっとついていけない…


ttp://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091224/211854/?P=3
(増税して景気が良くなるモデル)

ttp://d.hatena.ne.jp/dongfang99/20100413

あと東洋経済の4月24日号とか。

 今回の離党については与謝野氏の方に我慢が足りなかったのではと言うのが私の見立てです。でも彼も重い病気に罹っていますので、残された命と義理を天秤にかけて止むに止まれずでしょう。

 与謝野氏がリフレを蛇蝎の如く嫌うのは、彼がデフレによって得をする資産家の利害を代弁しているからです。

 いわゆるリフレ派が増税を嫌うのは理屈に合わないと私も思っています。増税しても同額を支出すれば景気への悪影響は最小限になります。あるいは増税と国債増発と歳出拡大を同時に3つとも行う政策だってありです。

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