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2010年5月30日 (日)

えげれすって本当に素晴らしい国ですね(棒読み)

陰暦 四月十七日

 学者や評論家が何かというとお見本として引き合いに出す英国でインフレ率が3.7%に達しました。

 供給力が不足しており、対外収支が赤字の国で、政府が債務を拡大し、なおかつ中央銀行が国債の買い入れをすればそりゃあ悪性インフレになりますわな。なんでエコノミストたちはこの非常に経済学的に真っ当な現象を解説して英国を罵倒しないのかなあ。あるいは財政破綻論者は「このままじゃ日本も英国みたいになるぞ!」と警鐘を鳴らさないのかなあ。

 答えは簡単で日本のいわゆる文化人が種本にしている「The Economist」と「Financial Times」が英国の雑誌であるので本国に不利なことは隠して報道しないからです。種本が書いてくれないと何も言えない哀れな日本の文化人よ。

 私は英国に住んでいたことがあり、英国は大好きな国ですが、日本のお手本になるような立派な国とは思っていません。日本のマスコミが言うことを信じれば、英国は三十年間も改革に成功し続けているのになぜ改革のタネがなくならないのでしょうか。教育改革は良く取り上げられますが、じゃあなんで英国の国際的な学力試験の順位は落ち続けているのでしょうか。要するにサッチャーもブレアも金融に英国の産業と信用を売り飛ばしてバブルを作り出しただけで、この二人がやったことは全て失敗だったというだけのことですよ。

 はやく日本の文化人たちがお手本を見習って「日本も英国みたいにインフレにならなきゃダメだ」とか主張してくれないかしら。

 欧州はユーロ下落による輸入品の値上がりで外因性のインフレになりつつあります。ただスペインのように一部デフレになっている国もありますが(おそらく景気が悪すぎて信用の収縮が起きている最悪の状況)。これまた経済学的に真っ当なわかりやすい現象です。そして英国にしても欧州にしても、これは景気を悪化させる「悪いインフレ」の典型です。

 つまりこれは東南アジアや南米でしょっちゅうあるバブルの崩壊→通貨の下落→国家財政の破綻→切り下げられた為替をバネにして輸出で景気回復、という典型的な発展途上国の経済運営失敗パターンです。英国と欧州はこの悪性インフレによって政府債務を希釈することができ、通貨安によって景気が回復するでしょう。1ユーロ10円くらいになるかもしれないけれど。でも日本みたいに数十年もデフレが続くよりはこっちの方がいいかもしれません。私も文化人を見習って英国や欧州を褒め称えることにしようと思います。

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