それじゃあ経済は拡大しないよね
陰暦 六月十七日
The Economistを読んでいたら「日本は経済が縮小しているが、新しい産業の芽はある、例えば外食産業とかジェネリック医薬品とか・・・」という記事がありました。外食産業はともかくとしてジェネリック医薬品は経済の拡大につながりません。メディアが言うところの「成長産業」というのはこの手の物が多いです。
なぜ経済の拡大につながらないかというと、ジェネリック医薬品ができたからといって、人間が飲む薬の量は増えないからです。高価な薬の替わりに安い薬が消費されるだけです。むしろ経済は縮小する可能性の方が高いです(ジェネリック医薬品の不朽によって患者の負担が減ることは望ましいことだと思います)。
メディアが持ち上げる成長産業というのはただの代替え需要に過ぎない物が多いです。ipodの普及はウォークマンの衰退と引き替えです。電気自動車が普及すれば町の空気は更にきれいになるでしょうが、日本全体を走る自動車の数は変わらないでしょう。
この手の新商品がどんどん出てきて世の中が便利になることはよいことなのでどんどんやればいいと思いますが、それと国家の経済が拡大することは別問題です。若年層の失業解消、社会保障費用の確保、国家債務の発散防止などはこの国全体の経済活動の拡大によって解消しなければなりませんが、ジェネリック医薬品や電気自動車では解消はできません。それにこの手の新商品は放って置いても消費者が買いますので、今さら国がお金を出さなくても大丈夫です。
社会保障費用の確保も国家債務の発散防止も、現役世代の雇用が拡大して、彼等が社会保険費や税金を払うようになれば解消しますが、おそらく今のところ雇用を拡大できる可能性がある分野は介護・医療と土木しかないと思います。国はむしろこういった生産性が低い分野に金を使うべきでしょう(長期的視点で見れば生産性が低いとは言えないのですが・・・親介護の負担が減れば仕事がしやすくなるし、災害が減り道路で移動がしやすくなれば国全体として経済が振興される)。新自由主義者のように国に企業で言うところの生産性を持ち込む方がおかしいのです。


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