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2010年10月 3日 (日)

天皇陛下の赤子

 国粋主義的な話じゃありません、人口論的な話です。

 神話の通りなら日本人は全員天皇の子孫と言うことになります。さすがに全員というのはあり得ないでしょうが、大多数がそうなるというのはまんざら嘘ではないかもしれません。

 どういう事かと言いますと、昔は結婚して子供を作り成人まで育てられる財力を持った人がそもそも少なかったわけです。しかもそういう富裕な人は複数の妻を持ちます。まだ、同時期にも複数の妻を持ちますし、出産は危険でしたので、その後添いとして新しい女性を娶ることも多くなります。

 そうなると富裕な家柄の人は一人で4,5人女性を独占することになります。男女比は今も昔も1:1で変わりません。世の中の10%くらいがそのような妻を複数もてる富裕な家柄だとすると、女性の半数はその富裕な家柄の人にとられてしまうことになります。残りの男性は一夫一婦制だとしても、出産が危険で男性一人で一生に1.5人くらい妻を持つのが普通だとすると妻をもてる普通の男性は20%くらい、お金持ちと普通の男性会わせて男性の30%くらいしか子孫を残せないことになります。

 そうすると男性の方は長い時間の間にはほとんどが富裕者の子孫になってしまうのです。

 まあ、妻を4人も5人も持てる人が人口の10%もいるという想定が極端なんでしょう。そんなお金持ちは1%もいなかったかもしれません。それと貧乏人の子沢山を考慮に入れる必要があります。また、平安時代に入って宮廷生活が現実から遊離し始めると、都に住む貴族ほど栄養に偏りがあるようになり、危険な化粧や薬を常用するようになってかえって乳児死亡率が高くなる現象も見られますので(乳母の乳を通して子供が鉛とか水銀を摂取してしまう)、そう簡単にはいかないでしょう。

 でも、出産が危険で、一夫一婦制の中で暮らす普通の人でも一生のうちには複数の妻を持つのが普通だったというのは盲点でして、そうすると男女比は1対1なので男の半分は子孫を残せなかったことになるんですよね。

 百年五世代、二千年で100世代、1%が5%の子供を作り、そのうち生き残るのが3分の1だけだったとしても次の世代の成人の1.6%は貴族1%の子孫。0.6%は下に落ちますので親と同数の子孫しか残せないとしても、100世代重ねると0.6*100=60%で過半数が貴族の子孫になります。だから日本人の多くが天皇の子孫というのはまんざら嘘ではないのです。

 外国の場合、その子孫を多く残せる王様や貴族が戦乱で頻繁に入れ替わり、時には上に立つ民族自体が入れ替わることも珍しくはないので、特定の王朝の子孫が民族内部で卓越することはあまりないと思います。

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