伊勢神宮参拝記(二)
十二月六日
二日目ビジネスホテルなのに充実した朝飯でした。さすが中京圏。八時十分初の列車で武豊へ、知多半島は白い砂地がちの土地に田んぼと工場が点在し、私の田舎の水島とよく似ていました。
この日は東シナ海に台風並みの低気圧が押し寄せ、九州や北陸は記録的な豪雪、東海も身を切るような寒さでした。けれども天気はよかったのでフェリーは出るだろうと思ったのが甘かった。
武豊から名鉄に乗り換え、河和のフェリー乗り場の切符売り場のおばちゃんから午前中の船便は風が強いために運休になったときかされて呆然。確かに風はありましたが、船が出られそうにないほどとは思えませんでした。多分このくらいだったら瀬戸内海だったら船は出るんじゃないかと思うのですが、伊勢湾は外洋に開けているので、突風や三角波を警戒してのことだと思います。
仕方がなく名鉄特急で名古屋へ。セントレア空港から船で松坂へ出られないだろうかとフェリーターミナルへ電話をしてみますが、全然つながらず。「こりゃ伊勢湾の航路はかなり混乱しているな」と思いました。数回電話してやっとつながりましたが、こちらも午前中は運休でした。となると陸路で伊勢に向かうしかありません。
じゃあフェリーは三日目に回すことにして名古屋から関西本線に。しかし亀山を通り過ぎたあたりで不穏な空気が。向かいに座った老夫婦が運休とか遅延とか話しています。すれ違いの列車が全くこず、なんと列車は待たずに発進。向かいの夫婦に話しかけたところ、紀勢本線が運休しているらしいとのこと。
ついに列車は津で泊まってしまい、運転手の車内放送が入ります。風が強すぎて、津から先が運休してしまったとのことでした。さすが「神風の伊勢(伊勢の枕詞)」というだけのことはあります。伊勢湾は北陸と関西の二方向から流れ込んだ風が集まるところなので、風が強くなるのです。
こうなるとこだわってはいられません。津で近鉄に乗り換えることにしました。JR東海というのは面白くて、東日本とは張り合っているくせに,近鉄との間はやたらと協調的で、津・松坂・伊勢市など共通の駅では間に改札口がなく、出口も共有、だから素早い乗り換えが可能です。折よく近鉄特急が止まっていたので乗り換えました。
近鉄は内陸でしかも窪地を走っているので風の影響は受けずにすいすい走っていきました(そのかわり低地を走っているので大雨には弱いかもしれません)。中京圏は関東とは逆で、なんだかJRよりも近鉄や名鉄の方が頼もしい感じがしました。
あっという間に伊勢市に到着。振替輸送だったので乗車券は必要なく,特急券だけでオッケーでした。なんだか得をした気分です。
この調子だと名松線も参宮線も動かないでしょうから、フェリーはあきらめて三日目も鉄道に乗ることに腹を括り,半日かけてじっくりと伊勢神宮にお参りすることに決めました。今夜の宿に荷物を預かってもらって、いざ外宮へ向かいます。
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