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2011年2月23日 (水)

西南戦争は砂糖戦争だった?

 「日本残酷物語」の奄美大島・徳之島の砂糖地獄に面白い記述がありました。

 明治維新以降も鹿児島県は島民の砂糖自由売買を認めず、県による専売制を敷いていたそうです。しかしそれが政府内で問題になり、島民の抗議もあったため、明治11年を期限として専売をやめる取り決めが鹿児島県と島民の間でなされたそうです。

 鎖国の終了と琉球藩の設置により、鹿児島県は琉球を通した密貿易で収益を上げることができなくなりました。これに加えて砂糖の専売がなくなると、鹿児島の士族は収入源を断たれます。彼らとしては砂糖専売が終わる明治11年よりも前に決起するしか勝機がなかったのです。なぜ鹿児島の士族があそこまで焦っていたのかこれで分かったような気がします。

 台湾への出兵も、清国との国境線確定だけではなく、琉球を押さえて鹿児島県の収入源を断つ意味合いがあったのでしょう。

 砂糖は軍事物資です。ビタミンが不足しがちな軍隊(特に海軍)では果物の砂糖漬けやジャムは不可欠な食品でした。また、戦闘中や行軍中など炊事をする時間がない時にはビスケットなどのお菓子をかじったりドロップ、あるいは砂糖を直接なめることで栄養を補給しなければなりません。

 明治政府にとっても砂糖は重要な物資で、奄美と徳之島を鹿児島県から取り上げる必要があったのです。北海道の砂糖大根の栽培にも、軍事物資としての砂糖確保の意味合いがあったはずです。


 他にも米軍軍政下の沖縄では、全然振興策がとられず、米軍が駐留した沖縄本島以外の離島は貧困に苦しみ、ひどい時には飢餓が広がったとあり、こりゃ沖縄の人たちが本土への復帰を米軍に懇願したのも無理はないなと思いました。

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コメント

べっちゃんさん。こんにちは。

>明治政府にとっても砂糖は重要な物資で、奄美と徳之島を鹿児島県から取り上げる必要があったのです。北海道の砂糖大根の栽培にも、軍事物資としての砂糖確保の意味合いがあったはずです。

 TPPでも取り上げられていた、関税撤廃によって真っ先に打撃を受ける農業に挙げられていました。戦略物資化する農産物を保護することすらできなくなるということは、国防第一主義の保守にとっても大事なことなのでしょうけど、むしろ米国との関係強化の名目で、無視する傾向が感じられます。
 
 べっちゃんさんが以前から指摘するように、関税撤廃しても、欧州的な別名目での支出、環境とか地域保全とかの「直接支払制度」を拡充しようとしても、バラマキ批判が止まない限り難しい事ですね。商社、排出権取引企業等にとっては、農地の完全掌握し無いと認めないてじょうね。認めるとしても、規模条件で排除するんでしょう。

投稿: 保守系左派 | 2011年2月26日 (土) 15時47分

そもそも米以外に関しては日本農産品にかけられている関税は低いらしいですね。だからTPPなるものが米にも適用されるのなら、いろいろと大変なことになりそうですが、米が適用外になるのなら、大山鳴動して鼠一匹になるんじゃかなろうかと思っています。

よしんば米が自由化されたとしても「金額ペース」で見た場合の日本農業が打撃を受けることはないだろうとは思っていますが、農業従事者は間違いなく減るでしょう。農業が収益力のある産業となるきっかけとなるでしょうが、農村に根付いた日本文化の原型は壊滅するでしょう。

なやましいところです。

インディアンの保留地じゃありませんが、最後の行き着く先は観光的な農村を国費で維持するという形になるんじゃなかろうかと思っています。英国とかフランスは文化遺産という形でやっていますよね。

あと僻地と中山間地の集落が壊滅して心配になるのは防災と国防ですよね。

私は「何でも屋」を整備するべきじゃないかなと思っています。農家兼公務員兼教員兼運送屋兼建設業者兼兵士という人たちを僻地にいっぱい配置するんです。一つ一つの仕事だと採算は取れないけれど、兼任ならなんとか仕事として成り立つのではないかと。情報化と機械化が進んだ今なら可能なんじゃないでしょうか。設備投資だけは国費でやって。

投稿: べっちゃん | 2011年2月26日 (土) 20時51分

呉智英の受け売りですが
Cultureは文化であり耕作でもあるわけで
農業展示村はいいかもしれませんね。
公務員にして。トップはもちろんあの

投稿: 匿名 | 2011年2月27日 (日) 01時42分

そうなんですよ、水田稲作がただの産業になってしまったら、皇室の存在意義がかなり薄れるのです。

日本国憲法に則ってはんこを押すだけの存在になってしまいます。

だから水田稲作業を中心とした、零細業者中心の農漁村は日本の文化そのものなので、これだけはいくら不採算になろうが、保護貿易となじられようが、守るのだ、という選択も有りだと私は思っています。

私は米を含めて農産物の輸出入を自由化しても、日本の農業は大丈夫だと思っています。むしろこれから都市化するアジアへの農産物の輸出が増えるでしょう。

けれどもこれは農業の大規模化、企業化と引き換えです。

その場合は日本の文化の原型を保存する方策を考えたいですし、皇室も自らの存在意義を再定義する必要が出てくるはずです。

投稿: べっちゃん | 2011年2月27日 (日) 08時19分

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