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2011年2月16日 (水)

韓国企業の秘密

一月十五日 【小正月】

 韓国の財閥について面白い考察を見つけました。
韓国財閥の循環出資構造のジレンマ(前編)(四万十川での日々徒然)
韓国財閥の循環出資構造のジレンマ(中編)(四万十川での日々徒然)
韓国財閥の循環出資構造のジレンマ(後編)(四万十川での日々徒然)
韓国財閥の循環出資構造のジレンマ(おまけ)(四万十川での日々徒然)

 このブログの考察に私が調べたことをプラスするとこうなります。

(1)韓国の財閥は通貨危機の時に米国の証券会社から大量の出資を受けた。
(2)韓国の財閥の系列は解体され、分社化も進み、本社には企画部門と品質管理部門と最終組み立て部門だけが残った
(3)下請けの間の競争を徹底させ、品質管理を強化した
(4)最終組み立て部門は米国からの出資を受けて最新の設備を入れ、自動化を進めた
(5)これによって日本企業と競合できる品質をものすごく安い価格で実現した

これによるデメリットは以下の通り、
(1)韓国企業は配当性向が非常に強く、利益はほとんど外資に持っていかれてしまって従業員には還元されない
(2)自動化と下請けの競争によって、経済が成長しても雇用が増えない社会になってしまった
(3)下請けの正社員の給与が財閥の正社員の半分、非正規社員はもっと低額な給与で働くことを余儀なくされるなど、格差が広まった
(4)最近は支那との競争で、韓国ですら人件費が割高になってきたので、組み立て工場が海外に移転し始めている

 米国が、韓国企業のダンピングに異様に寛容なのは、韓国企業が資本的には米国の持ち物だからです。

 これにより、韓国は貿易黒字が積み上がっても、自国民が全く豊かになれない不幸な国となってしまったのでした。しかも韓国はカードローンが危険なほど積み上がっています。賃金引き下げで国民の購買力が低下してしまったので、韓国人は金を借りて、(韓国人にとっては)割高な韓国製品の消費を強いられています。これは米国のサブプライムローンと一緒です。

 はっきり言って韓国は米国の証券会社から搾取されています。これほど明白な帝国主義も今時珍しい。

 かつての韓国は労働組合が強い国で有名で、通貨危機の時にも財閥の組合が気勢を上げていた記憶があるのですが、いつの間にか労働組合の力が弱まったのは、財閥が解体されて、財閥が直接に雇用する労働者が減り、下請けは厳しい競争を強いられるようになったために労働運動どころではなくなったからでしょう。

 また最近の韓国が中共や北朝鮮に対して強気に出られるようになったのは、このようにして労働組合の影響力を排除したからでしょう。

 韓国の財閥がやったことは、金融の国際化、分社化、マーケティングの強化、品質管理の強化、配当の引き上げ、労組の弱体化、で日本が90年代以降ずっとやれやれと言われ続けてきた「構造改革」の模範だったわけですが、その結果が誰も幸せになれない輸出大国だったとは考えさせられてしまいます。

 しかも韓国企業の配当金は証券会社に吸い上げられるだけで、米国人には分配されません。むしろ米国人は韓国企業の輸出攻勢によって職を奪われてしまいます。それは米国で生産している日本企業に雇われている米国人にも及びます。これでは証券会社のトレーダー以外は誰も幸せになれません。ひどい話です。

 しかし韓国は不動産業の冷え込み、先進国向け輸出の頭打ちが見られますので、これはかつての通貨危機の再現になるかもしれません。しかも今回は一般消費者が大量の負債を抱えた状況でです。これはかなり危険な状況ではないでしょうか。

 支那はGDPで日本に追いつくという餌に引っかかったがために、危険なほど経済が過熱しています。韓国も日本企業に追いつくという悲願にこだわりすぎたために、国が崩壊しかけています。

 ここから数年アジアの経済は大変な状況になりそうです。日本としては何もしないでひたすら嵐が通り過ぎるのを待つ。つまり今の無策に見える状況が、一番賢い選択なのかも知れません。

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