茨城県と福島県の放射線量
二月二十四日
どうやら福島第一原発では、東海村臨界事故(バケツで高濃度のウラン水溶液を作ってしまった事件)同様にウラン水溶液の中で臨界が発生しているようです(ウランは固体の状態よりも水溶液の方が臨界を起こしやすいそうです、詳しい理屈は知りません)。ただ、ウラン水溶液の濃度が臨界のぎりぎりであるために爆発的な反応は起こっていないものと思われます。
政府やテレビがいう「重大な事態」とは「臨界」のことです。
建屋が崩壊して放射線が遮蔽できない1号機と3号機では臨界が発生せず(水が外部に漏れ放題なので溶液が濃縮されない?)、建屋が残っていて放射線が遮蔽できる2号機では臨界が発生するなど(密封性が高いので溶液が濃縮されてしまった?)、この事故では僥倖としかいえない不測の事態が続いています。
これが建屋のない1号機や3号機での臨界だったら全く手に負えない状態になるところでした。
3号機からの流出が懸念されているプルトニウムですが、人間に対して飛び抜けて害をなすという科学的な事実はないそうです。人間はプルトニウムを速やかに体外に排出させてしまうために、あまり害をなさないのが実際らしいです。
ただしプルトニウムが放出するアルファ線は非常にエネルギーが大きいので大量に摂取すればもちろん体に害をなします。それとMOX燃料(プルトニウム燃料)はイエローケーキ(ウラン燃料)と比べて、放射性物質の濃度が高かったはずなので、濃度が高い分だけ、MOX燃料入りの燃料棒が破壊されていた場合は飛び散る放射能の量が多くなる危険性はあると思います。
しかしなんだってよりにもよって国内で一番古くてポンコツで遮蔽も弱い福島第一原発でMOX燃料を使ったかなあ。
さて茨城県と福島県の放射線量ですが、今のところ順調に減衰しています。

高萩でも七日ぶりに放射線量が1マイクロシーベルトを下回りました。晴れていた26〜28日には、昼に放射線量が若干上がり、夜に下がるという海陸循環の影響と考えられる変化が見受けられます。
福島県もだいぶ収まってきました。
それでも福島市の16日以降の累積被曝量は1.66ミリシーベルトを超えており、一般市民の一年間の許容限度を超えています。ずっと家の中にいたとしても、0.166ミリシーベルトにはなるので、胸部X線撮影を3回受けたのと同じ量の放射線を浴びたことになります。大人はともかく子供には多少問題があるのではないでしょうか。
3月16日の時点で福島市にかなりの放射線が降り注いでいることはわかっていたわけですので、もっと早いうちに原発から北西方向に住む人たちを避難させるべきだったのではないかと悔やまれます。
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コメント
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放射線影響学会に所属していた私が来ましたよと.
テレビなどの累積線量の説明には欠けてる部分があるので,
健康に問題ないといっても説得力が弱くなってしまいます.
放射線は細胞に当たると水分子を電離し,ラジカルを発生させます
そのラジカルがDNAを酸化したり切断したりすることで
悪影響を与えます.
ところが細胞はDNAの傷を感知し,増殖活動を止め,
DNAを修復するシステムをもっています.
このシステムがあるため,同じ累積線量でも
細かく分割して浴びた場合と,一度に浴びた場合とでは影響が
大きく異なるんです.
X線だと,瞬間的にそれだけの線量を浴びるので,
修復能力を許容量を一時的にオーバーし,
おそらく分裂中の,いちばん隙だらけの細胞が
障害をうけてしまう,というリスクが発生するのです.
(幼児だと高リスクなのは,細胞分裂が活発なため)
16日からゆっくりじわじわ浴び,それで1.66ミリシーベルトなら,
だいぶマシになっているとは思います.
しかしもっとも高い時のレートがどのくらいだったのか,
安心してよいレベルだったのかとかをもっと政府が発表してくれないと,
ほんと困りますね.
風向きとかを考えたシミュレーションも,
だいぶ後になってからの公開だったし.そんなことしてるから
信用されないのですよね.
投稿: NMR | 2011年3月29日 (火) 12時45分
状況の可視化はこのサイトがわかりやすいです.
発ガン率 0.5%上昇・・・これをどう見るかがポイントです.
結局なにもしなくても50%くらいはガンで死ぬところにこの数字なわけで
微妙なラインです.
投稿: NMR | 2011年3月29日 (火) 13時07分
ほぼ大丈夫なのはわかっているんですが、安全率も含めての基準であるはずなのですから、政府にはきちんと守って、避難地域を拡大するとか、住民の被爆状況を監視するとか、対策をとってもらいたいですね。
この放射線の影響はかなり長丁場になります。今福島や茨城で生まれた子供が亡くなるまで国は対策を続けざるを得ません。場合によってはその子供への対策も必要になるかもしれません。百年以上かかります。
地震と原発事故からの復興事業を統合する機関を作って対処せざるを得なくなるでしょう。会計も、一般会計とは別扱いにして、複数年予算と言うことになるでしょう。
投稿: べっちゃん | 2011年3月29日 (火) 19時47分