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2011年4月 6日 (水)

プラザ合意以来の大変動の始まり

三月四日

震災復興へ財政支出3兆円超 政府、1次補正原案判明(共同通信)

「11年度の基礎年金国庫負担割合の2分の1維持に向け確保した2兆5千億円の「埋蔵金」を財源に充てる。」

 国民年金国庫負担金に震災復興財源を求めるのは筋が悪いのではないかと思います。

 菅総理が自分でも言っているように、今回の震災からの復興には少なくとも5年はかかります。毎年10兆円、5年で50兆円は必要です。

 東北地方に限定すれば30兆円くらいでもいいかもしれませんが、この震災によるサプライチェーンの破壊や停電によって日本全体が損害を被っていますので、景気対策が必要です。それと東南海地震に備えた機能の強化も必要です。5年で50兆円は必要です。GDPが長期的に低迷してもいいというのなら縮小するのは勝手でしょうが。

 どっちにしろ5年間は増税はできません。5年間国民年金の国庫負担は3分の1のままになります。この数年間3分の1から2分の1へ引き上げるときにものすごく苦労しましたが、それをまた5年後に繰り返すことになります。それだけで政治は疲弊してしまって、消費税引き上げなんて夢のまた夢となるでしょう。

 社会保障や国防のように震災があろうとなかろうと、継続して必要な出費はなるべくいじらない方がいいと思います。後々混乱するからです。いずれ常態に戻ったときに国庫負担を引き上げ、国民の負担も引き上げざるをえないからです。震災のために国庫負担を引き下げると、震災復興後の税制改革のスタートラインが後退します。震災前の負担に戻すだけで数年を浪費し、消費税引き上げは10年たってもできないでしょう。

 それならば、震災は異常事態なのですから、異常事態ゆえに発生した歳出はすべて国債として別枠でお金を調達しておいた方がよいと思うのです。異常事態があろうがなかろうが必要な歳出が浸食されると、いろいろと混乱が生じます。

 それに異常事態のための追加の資金調達を別枠にしておけば、金融業とか海外に対する説明もしやすいと思うのです。私個人は日本の政府債務は大丈夫だと考えていますが、心配性の人たちに、この5年間に膨らんだGDP10%分の政府債務は、震災復興のために仕方がなかった追加債務なのだ、と説明できれば納得が得られやすいはずです。

手順としては
(1)復興事業の長期計画と総額を出す
(2)5年間は増税ができず、政府債務の拡大が
   止まらないことを国民に納得してもらう
(3)税制抜本改革(今年度中にやらないといけない)を
   凍結する
(4)赤字国債を発行して復興事業の財源に充てる

 おそらく(3)の部分で菅政権は躓いているのでしょう。

 どうせ来年も復興のために10兆円くらい必要です。また来年も国庫負担を引き下げる法律を通すのでしょうか?時間の無駄です。それとも来年は政権にいないだろうから自分たちは関係ないとでも言いたいのでしょうか?

 マニフェストの廃止は好きなようにやればいいと思います。まずそっちをやってからでしょう。

 年金から復興財源を引き出すのは無責任だと思います。

 結局、日本の財政赤字は危機的状況というこれまで財務省と日銀がとってきた前提が間違っていることを認めないと先には進めないのです。デフレで超低金利の状況では、たとえGDP比200%超でも政府債務は発散しない。国債利子支払いは世界一低い。政府が支出を拡大しない限り経済は回復しない。これらを認めないことには日本は泥沼から抜け出せません。

 財政赤字で国民を脅して増税しようという財務省の戦略は今回の震災で完全に破綻したのです。

 国会議員も「政治主導」を標榜するのなら、財政に関して財務省と日銀の出鱈目な説明を論破するくらいの力を身につけて、政治の責任で財政規模を拡大させてください。

 まあこの財務省や小泉政権や民主党のとってきた歳出規模縮小の戦略というのは、

日本の歳出規模を縮小させる→日本の預金が余る→米国や欧州の財政赤字をファイナンスする

 という流れなんですよね。これが震災によって破綻したのです。ですからおそらく欧州の国債危機は加速するでしょう。米国で共和党がとうてい無理な緊縮財政の計画を提出したのも日本からのファイナンスを諦めたからです(復興のためにお金が必要な同盟国からのファイナンスをスッパリ諦める、この点が米国人のある意味誠実なところです)。

 円安になっているのも、円安になっているのに株価が上がらないのも、海外の投資家が、今後は日本からの資金調達はできないと見切りをつけて、ドルやユーロの確保に走り始めたからです。

 ミスター円こと、米財務省のエージェントの人が焦っているのも、米国がこの三十年間とってきた財政赤字ファイナンスの構造が破綻したからです。

 米国や欧州の金融界の行動パターンとして、彼らは投資を呼び込むために国内の金利を引き上げざるを得なくなるでしょう。財政赤字拡大の中で金利を引き上げる、大変なことです。日本の民主党がこれだけ焦って、年金だとか雀の涙みたいな埋蔵金でごまかそうと躍起になっているのは、彼らのご本尊である欧米の金融界が相当焦燥感にかられていることの裏返しなのです。

 しかし世界経済のためには、日本が震災復興によって実需を伸ばすしかありません。欧米も農林水産業とか製造業関係の人はそれをわかっていると思います(だから民主党の中でも製造業重視のオバマ大統領は落ち着いている)これに欧米の金融界(一番焦っている、特に英国が大焦りで地球の裏側から英国のメディアが日本の悪口を言いまくるという不思議な現象が生じている)が納得したとき、その時こそ日本の民主党が後ろ盾を失って崩壊するときなのです。

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