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2011年5月11日 (水)

日本神話の星座的解釈(九)

四月九日 【長良川鵜飼い開き】

 種明かしから先にしてしまいます。論文の順序としては最後になるのですが、星空で語る神武東征神話を昔話風に書き直してみました。

 昔々あるところにワカミケヌという若くたくましい男がおった。ワカミケヌは四人兄弟の末っ子じゃった。ほら、正月の頃に空に上る四つの星(おおいぬ座)があるじゃろ?それがワカミケヌの四人兄弟じゃ。ひときは明るく光るあの星(シリウス)こそがワカミケヌじゃ。

 あるとき飢饉がやってきてワカミケヌたちは村を出て新しい土地を探さなければならなくなったのじゃ。次男のイナイは村を守ることになった。三男のミケヌは兄弟を守るために神様に使える身となった。親代わりの長男イツセがワカミケヌと一緒に村を出ることになったのじゃ。

 ワカミケヌたちが海に出ると大きなタコが行き先を邪魔した。タコは何度切っても新しい足が生えてくる、叩いてもまるで手応えがない、ワカミケヌとイツセはくたくたになってしまった。その時、兄弟を哀れに思ったハヤスイ姫という美しい海女の女神様が海底から何でも切れる宝剣を持ってきてくれてタコを退治できた。

 退治されたタコは心を入れ替え、西の海を守る神様となった。でも普段は海の底にいるので滅多に空には上がってこない。ワカミケヌが空に出てくる少し前に水平線すれすれに現れる黄色い明るい星(カノープス)あれが心を入れ替えたタコ、シイネツヒコじゃな。

 イツセとワカミケヌは困難を乗り越えながら、勇気を出して灘を渡り、複雑な潮の流れを読んで瀬戸の島々をぬい、天気の悪い日には津(港)で風待ちをし、海を渡っていった。お前たちもよそ者には親切にしなければならぬぞ。そうすれば風待ちをするときに助けてもらえるからじゃ。

 東の海の難所の向こうには大きな天の都がある。都には大勢の人が行ったり来たりしておる、空を見上げてみよ、星が集まっておるじゃろう(昴)、あれが天のやちまた(交差点)じゃ。

 しかし天の交差点の前には赤い長鼻の猿田彦(牡牛座)が待ち構えておった。しかしそこで色っぽいウズメ(オリオン座)という女神様が胸をさらけ出して踊り出したものだから、猿田彦は長い鼻の下を伸ばして見とれてしまった、その隙にワカミケヌとイツセは東の難所を抜けることができたのじゃ。

 どうして毎回女神様が二人を助けてくれるのかって?そりゃあワカミケヌが若い頃のわしのようにハンサムな男だったからじゃろうて、ほっほっほ

 いよいよワカミケヌとイツセは都に入ろうとしたが、そこには強い敵のナガスネヒコ(カシオペア座)が待ち構えていた。激しい戦いが繰り広げられた。哀れ、兄のイツセは命を落としてしまったのじゃ。ナガスネヒコの横にぼおっと光る星(アンドロメダ星雲)が見えるかの?これが見えないようではよい船乗りにはなれぬぞ。あれがイツセの魂じゃ。

 命からがら逃げ出したワカミケヌは一度南に引き返した。すると、八咫烏(オリオン座)がもっと東へ行けば敵も少ないですよと教えてくれたのじゃ。八咫烏について行き、ワカミケヌは暗く深い天の森(秋の星座のゾーン)に入っていった。そこには現れたり消えたりする不思議な化け物(くじら座のミラ)や悪賢い森の番人エウカシ(魚座)がいたりしたが、ワカミケヌの聡明さを見抜いた土地の者たちの助けで切り抜けていった。

 そしてワカミケヌは天の広場(ペガスス座)にたどり着いた。そこからは天の都の様子が手に取るようにわかる、ワカミケヌは満を持して不意打ちをすると、敵の将軍のナガスネヒコはあっけなく破れ、天の王ニギハヤヒ(北斗七星)はあっさり降伏して家来となったのじゃ。

 ほら北極星の周りにも小さな北斗七星があるじゃろう?ニギハヤヒは昔は北極星の周りにいたのじゃが、ワカミケヌに負けて北極星そ離れて回る北斗七星になったのじゃ。

 こうしてワカミケヌは天の大王となり、末永く平和に暮らしたということじゃ。

 お前たちも星座のことをよくおぼえて、ワカミケヌのような良い船乗りになるのじゃぞ。

※ニギハヤヒからワカミケヌへの北極星の交代は、歳差運動によって三千年位前に北極星がりゅう座のα星からこぐま座のβ星、そしてα星(今の北極星)に交代したことを表現しているのだと考えられる。

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